WBSカスミプロクラシック31【即リポ!】


 

スピンナッツ炸裂!!
増毛がキモ!?

今井新選手
ウルトラ超激渋を制し
2度目のクラシックチャンプに

 

2023年シーズンの掉尾を飾るビッグイベント、第31回W.B.S.プロクラシックは11月18,19の両日、お馴染みの土浦新港を起点に開催された。

 

参加したのは12名の精鋭。年間ランキング10位までの選手、W.B.S.オープンの上位2名、そしてディフェンディングチャンピオンが馳せ参じた(橋本卓哉選手は身内のご不幸のために欠場)。

 

今回は初出場の選手も多く、それだけに過去にない面白いゲームが繰り広げられるのかと期待させたが、状況はかなり厳しく、全選手がのた打ち回るほどのタフコンディションに襲われた。

 

天候はまずまずだった。初日二日目とも晴れ。早朝こそ寒かったが、次第に気温も上がり、人間にとっては楽な環境だった。

 

しかし厄介だったのが風。
初日は午前中から昼に近づくにつれ、強風が吹き荒れるとの予報。これに応じて各選手はエリアローデーションなどで対策を講じたが、昼になっても風はまったく吹かず、肩透かし。作戦の変更を余儀なくされた。

しかし二日目はやや強めの風が吹き、狙いのスポットへのエントリーを躊躇させる強さではなかったが、その冷たさが選手の士気を挫いた。

それにも増して痛かったのが金曜日に降った冷たい雨。それまで14から15度あった水温を一気に11℃程度に下げてしまったからたまらない。これでは魚は口を使わないのではないか、と危惧されたが、OH MY GODESS 恐れていた通りの展開になってしまった。

 

その結果、初日は2名で済んでいたゼロ帰着は二日目には8名と増えてしまった。いかにコンディションが厳しかったか理解できるであろう。

 

そんなクラシックを制したのは今井新選手。1メートルは深海というほどのドシャローマンの同選手は、秋から続いた各団体のゲームに出場することで状況の推移を体感し、水深のある(1メーター弱)ブッシュに可能性を見つけ、二日間とも霞ケ浦本湖東岸、玉造・麻生を攻め、初日1本、二日目2本トータル3本の魚を持ち込み、しぶとく優勝をもぎ取った。

 

今井選手の釣りはO.S.P、スピンナッツ65のノーシンカー、または軽いネイルシンカーを埋め込んだものをカバーの奥に送り込み、明確なバイトやラインの走りは感じないものの、違和感に対して聞いてみて、重みを感じたらそこで合わせるというもの。

実は今井選手、そのワームに増毛のようなラバーチューンを施して使っていた。最終日前夜も残業して製作していたとか。

「ラバーがカレントに微妙に反応してピリピリ動くことがバスのバイトを誘う」(今井選手)と信じて、二日間ともそれを駆使し、結局すべての魚をそれで獲った。

 

「二日目の2本だけでは優勝は無理かと思っていましたが、意外な結果に嬉しく思っています」

今井選手は試合後、こう語っていた。

 

同選手のクラシック制覇は2016年に続いて2回目。積極的にトーナメントに出場して、その経験をプラ代わりに生かすというクレバーな生き方が結果を出したと言えよう。事実、このクラシック制覇も「試合に出場しているうちに、だんだんとパターンが見えてきました」と分析していた。

超渋いゲームであったが、条件は皆同じ。ゆえにロースコアでも立派な勝利と言えよう。

***

 準優勝は初日1580gのビッグフィッシュ1本で首位に立ったリーダー選手。「勝ちだけを狙ってプラを重ね、ようやくデカイのが釣れるパターンらしきものを掴みました」(リーダー選手)。それは水温が上がるタイミングとスポットのタテ軸、ヨコ軸を合わせて正解を導き出すというもの。

その結果が初日の1580g。花室川下流のブッシュで獲ったものだ。二日目も当然そのパターンを追いかけたが、魚が変ってしまって370g。惜しくも優勝を逃した。

 

リグはO.S.Pのドライブクローラー5.5のネコリグ。場所とタイミングがバッチリあった初日は、ルアーを入れた直後にラインが走ったという。

 

「どうやったら霞ケ浦に勝てるのか、常に考えている」というリーダー選手。
「今回も勝てなかったが、諦めずに釣り続けて獲った二日目の1本はとても嬉しかった」と語っていた。

二日目の会場にはご両親も駆けつけ、愛息の晴れ姿に感動したとか。
2位が続く同選手だが、この経験は必ずや今後に生きることだろう。

***

 3位は西浦やスノヤハラなどを回ったが、結局二日間とも田村のジャカゴで1本ずつ魚を獲った草深幸範選手。新艇が間に合って意気揚々と戦いに臨んだが、強気になることは出来ず「初めから厳しいのはわかっていました、バイトは一日2回か3回ぐらいしかもらえないでしょう。それをどうミスなく獲るか。そこですね」と喝破していた。

 

その言葉通りの展開となったが、ギャップジグ5g+ポークで2回のバイトを確実に仕留めたことが3位入賞につながった。ちなみに草深選手、今年はノーミスだったとか。それがA.O.Y.につながったことは間違いないだろう。

「そのためにはロット、リール、ライン、フックなどのセッティングを追い込み、完全なものにすることが大切です。それを怠ると、少ないバイトをモノにできません」

同選手は渋い試合におけるキモをそのように解説してくれた。

 

こうして渋いながらも内容の濃いクラシックは終った。これで2023年のW.B.S.トーナメントはすべて終了した。

相変わらず難解な霞ケ浦・北浦ではあるが、それをなんとか攻略して、来シーズンも楽しいトーナメントライフ過ごしてほしいと願う。

 

というわけで選手の皆さん、スタッフ各位、お疲れ様でした。

 

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