WBS PRO CLASSIC29 レポート


汗と努力の結実!

松村寛、悲願のビッグタイトル獲得!!

[29th  WBSプロクラシックレポート]

第29回目のW.B.S.プロクラシックは2021年11月20,21日の両日開催されたが、実は2020年度バージョン。

昨年の年間ランキング等で権利を得た12選手によって争われたからだ。

そして今年は小田島悟メモリアル1試合しか開催できなかったので、年間ランキングは成立せず、従って2021年のクラシックは記録上空欄となってしまう。

その原因は言わずと知れたコロナ禍。

こいつのおかげでエラく苦労させられたここ2年ほどのトーナメントであった。

しかし、とにかく試合を開催したいという熱意が、クラシックというビッグゲームの実現を招いたのだった。


11月下旬というと、日に日に水温は下がり、北西系の風が強くなる季節。

従ってコンディションは徐々にスローになる。

W.B.S.プロクラシックが開催された11月20,21日も、例外ではなかった。

天候こそ二日間晴れに恵まれたが、初日の大風を含めて、非常に過酷なものとなったのである。

何が過酷って、要するに釣れないのである。

サワリなどの魚信があればまだ何かとかやり様があるが、完全ノー感じでは水たまりで釣りをしているようなものである。

手の施しようがない。

 

その結果、各選手は朝からのた打ちまわることになったが、それでも釣って来る人は釣ってくる。

 

  • 初日の攻防

 

初日に好調だったのは大石選手。

古渡、小野川に風が吹いた時用のエリアを確保しており、8時過ぎに吹き始めたタイミングでそこに行き、温存していたヘビーカバーに潜む魚を獲った。

何本かミスもあったが、4本3525gをゲット。

苦戦する選手を尻目に初日をトップで折り返した。

「水温が上がるまでプレッシャーを与えずに魚を温存できたから獲れた魚です」

と大石選手は語っていた。

 

ネタはラバージグ+モコリークロー、そしてモコリークローのテキサス。

超渋い中での賢い戦略が機能したと言えよう。

 

松村寛選手も4本の魚を持ち込んだ。

ウェイトは2910g。

プラではスピナーベイトのリトリーブスピードコントロールでクォリティーな魚が獲れたが、初日はその作戦が効かなくなったことを察知。

 

ドライブスティック・スペック2のノーシンカーで水の動きがない場所を撃って周り、キーパーを重ねて行った。

 

朝一に東浦のカバーで1本、崎浜に戻り2本目、そこで「もしかして桜川」と閃いて行ってみれば河口付近でバタバタっと2本釣れた。

クリヤーアップされた水では簡単には釣れないだろうと、丁寧な釣りを心がけた結果である。

これが二日目への大きなヒントになった。

「その2本は綺麗だったので、魚は動いていることがわかりました」

この冷静な分析も大きかった。

 

「霞の剛腕」蛯原英夫選手も4本の魚を持ち帰った。

取材チームが同選手を発見したのは本湖・北岸。

得意の玉造のカバーにいた。

2345gで3位スタートである。

蛯原選手はクラシック2連勝中。

気合が入らないわけがない。

 

このところ好調の大藪厳太郎も3本2200gとまずまず。

「イマシン」こと今井新選手も和田周辺から2本ながら2145gの魚を持ち帰った。

しかし全体的にはかなり貧果で、トップウエイトが3525g。

リミットメイクはゼロ。

ノーフィッシュも2チームいた。

 

魚のサイズも平均して小さく、激渋という表現がピッタリの初日だった。

 

  • 稀に見るスローゲーム

 

二日目も天気は良かった。

集合時間の5時半の気温は10℃。

それほど寒くない。

予報では初日に比べて風は吹かないとのことだ。

初日の成績が全体的にローウェイトだったため、ほぼ全員に逆転のチャンスがあった。

ノーフィッシュの選手も例外ではない。

 

そら無理やろ、という人もいようが、結果を先に言うと優勝ウェイトは4410g。

単日のウェイトで十分に可能な数字である。

 

クラシックは勝たなければ意味はない。

だから全員がまさかの大逆転を狙って勝負に出た。

しかし、その意気込みをあざ笑うように、状況はますます渋いものになってしまった。

二日目の帰着は13時半。

水温が上がる頃にゲームは終ってしまうのである。

そんな中で二日目をしぶとく釣って来たのは松村選手。

初日に閃いた桜川に直行した……わけではなく、釣れるのは11時過ぎ、と読んで本湖西浦で行きがけの駄賃を狙ったが、そうは問屋が卸さない。

 

いろいろ走り回った挙句、いよいよ桜川にバウを向けた。

すると中流域でポロッと一本出た。

「これはもう桜川で粘るしかない」

と心中を決意。

 

すると葦際で群れがやって来て2バイト1フィッシュ。

しかしそれでは優勝には足りないと感じた松村選手がその後、河口の葦の奥の奥にリグを入れればナイスキーパーゲット。

他の選手の動向は知る由もないが、この1本がクラシックチャンピオンの栄冠をもたらした。

トータルウェイトは前述のように4410g。

 

ルアーは二日間ともドライブスティック・スペック2のチャートカラー。

これをテールカットして使った。

 

2トンカラーなので沈ませてシェイクすると明滅する。

それがアピールしたのか魚のバイトもアグレッシヴだったという。

すべて上顎のセンターにフッキングしていたようだ。

 

松村選手は嬉しい初クラシック。

偉大なアングラーが名前を連ねるビッグタイトルホルダーに仲間入りした。

長い間コツコツと努力を重ねてきた結果である。

 

同氏が優勝報告をFACE BOOKに上げた途端、膨大な数のコメントが寄せられた。

松村選手がいかに多くの人に愛されているかが理解できよう。

 

激渋のゲームだったが、したたかなエリアチョイス、適切なルアーチョイスがもたらした

立派な勝利といえよう。

今後にも期待したい。

松村選手 タックルデータ

Tackle1
ROD:DAIWA リベリオン671MHXB-ST
REEL:DAIWA SV Light TN 8.1:1
LINE:フロロカーボン 12lb
LURE:O.S.P ドライブスティック・スペック2(改)4.5
RIG:ノーシンカー

Tackle2
ROD:DAIWA ブラックレーベル LG 610MRB
REEL:DAIWA STEEZ 6.3:1
LINE:フロロカーボン 14lb
LURE:O.S.P ハイピッチャーMAX(ブレード改)

 

準優勝は初日トップで折り返した大石智洋選手。

二日目も古渡、小野川に出かけたが、値千金の1本をバラしたのがターニングポイントになったようで、その後は沈黙。

 

1本釣ってい「れば」優勝だったが、そこが勝つことの難しさ。

だが昨年の最終戦に優勝、そしてクラシック2位は誇れる結果だろう。

 

とくに初日、温存していた魚を狙いすましたように獲ったタクティクスは光る。

これからのW.B.S.では要注意選手となった。

 

大石選手 タックルデータ

Tackle1
ROD:ベイトロッド
REEL:DAIWA ジリオンSV TW 1016SV- XXH
LINE:SUN LINE シューター・FCスナイパーBMS AZAYAKA 14lb
LURE:ゲーリーヤマモト モコリークロー
RIG:テキサスリグ スゴイシンカー5g スゴイフック♯1

Tackle2
ROD:ベイトロッド
REEL:DAIWA ジリオンSV TW 1016SV- XXH
LINE:SUN LINE シューター・FCスナイパーBMS AZAYAKA 14lb
LURE:ラバージグ6g+モコリークロー

 

3位は初日5位の今井新選手。

 

初日は和田で2本獲ったが、二日目は遠いバイトに苦しんだ。

最初の1本を獲ったのが12時過ぎ。

大誤算だったが、丁寧の上にも丁寧に釣りを進めた今井選手だったから獲れた1本だったことだろう。

一時はノーフィッシュも覚悟したという今井選手に3位入賞をもたらしたくれたリグはドライブビーバー3.5インチ(エビミソブラック)の3.5gのテキサスだった。

 

今井選手 タックルデータ

Tackle 1

ROD:EVERGREEN  HCSC-64ML ウォレシア
REEL:DAIWA   SS AIR
LINE:SUN LINE シューター・FCスナイパー 10lb
LURE:O.S.Pハイカット DR F(チャートブラックバック)

釣り方:ストラクチャーに当てて止める動作の繰り返しで、止めたタイミングでバイト。

Tackle 2

ROD:ベイトロッド
REEL:ベイトリール
LINE:SUN LINE シューター・FCスナイパー 12lb
LURE:O.S.P  JIG 05タッガー4g(グリーンパンプキン/ブルーフレーク)+ドライブスティック3インチ(ダークシナモン・ブルー&ペッパー)

釣り方:ベジテーションに引っ掛け中層シェイク。その後のフォール時にバイト。

Tackle 3

ROD:EVERGREEN  HCSC-67MH-LTS ブルーマイスターLTS
REEL:ベイトリール
LINE:SUN LINE シューター・FCスナイパーBMS AZAYAKA 16lb
LURE:O.S.P ドライブビーバー3.5インチ(エビミソブラック)3.5gテキサスリグ

釣り方:水温が上がったタイミングで葦先端にあるブッシュの奥にキャスト。着水と同時にバイト。

 

 

初日のビッグフィッシュ賞は一日ボラコン、アユクローンを投げまくって,

腱鞘炎に悩みながらも帰着間際に石田でボラコンに食わせた金栗選手の1560gが獲得した。

金栗選手 タックルデータ

ROD:ベイトロッド
REEL:ベイトリール
LINE:フロロ 20lb
LURE:ボラコン

 

そして二日目のビッグフィッシュ賞は古渡の水路で橋本選手が獲った1505gが獲得した。

下流からスティーズスピナーベイト3/8を巻きながら釣り上がり、上流でついにキッカーとなるビッグフィッシュを釣り上げた。

 

橋本選手 タックルデータ

ROD:DAIWA リベリオン 661MRB-G
REEL:SLPWORKS  STEEZ SV TW 6.3:1
LINE:DAIWA  STEEZ モンスターブレイブ14lb

こうして今年もクラシックで、すべてのスケジュール、といっても2戦だけだが、とにかく終了した。

 

しかし何故か2戦だけでも格別な充実感が残った。

苦労して開催に漕ぎつけたからだろう。

 

小田島悟メモリアルトーナメントも、今回のクラシックも感動的なゲームだった。

 

願わくば来年はフルシーズン、いつものW.B.S.らしいトーナメントを繰り広げたいものだ。

 

みなさんお疲れ様でした。

 

レポート・大和小平

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