2024 WBSプロ第1戦【即リポ!】


大石智洋・篠崎優希チーム
春の小野川に賢く対処し
未曽有のタフゲームを釣り抜ける

2024 W.B.S. pro team tournament 1st

3月31日、土浦新港を起点に33チーム66名が参加して行われた2024 W.B.S. pro team tournament 1st は大石・篠崎チームの優勝で幕を閉じた。

今年は強力な新メンバーも増え、一段と迫力がUPした感のあるW.B.S.トーナメントだが、第一戦から超絶タフなコンディション見舞われた。にもかかわらず試合内容は見どころ満載の充実ぶりだった。

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天候は終日晴れ。早朝から風もなく霞ケ浦は文字通り春霞に覆われていた。

スタートを終えてから10時頃まではまったくの無風。湖面は油を流したように静穏だった。その後、微風が吹き始めたが大勢に影響なし。結局一日中湖面は凪いだままだった。
気温は昼に向かいグングン上がり25℃。前日と同じようなTシャツ日和となった。それにともない水温も急上昇。一気に16℃まで上り詰めた。

これで桜も一気に花開くかと思わせたが、時期尚早。代わりに菜の花が満開で美しく咲き誇っていた。

しかしこの気温急上昇が魚の居場所を変え、しかも他魚種やノンキーの活性を一気に高めた。岸辺では鯉やヘラブナのハタキも始まった。故に釣りの条件としては非常に難解なものになり、金曜日に降った大雨の影響もあり、各チームエリア選択に迷いまくることとなった。

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そんな中で優勝をもぎ取ったのは大石智洋・篠崎優希チーム。1本ながら1980gというビッグバスを持ち帰り、見事第一戦の勝者となった。この魚がビッグフィッシュ賞を獲得したのは言うまでもない。

このチームが指名したエリアは小野川最上流。前週のプラで数本のナイスフィッシュを獲ったことが決め手となった。金曜日の大雨による濁りが気になったが、前日に確認に行き「この程度なら当日は回復する」と当初のプランに決定、結果的にそこで粘り切ることにしたという。そのプランが奏功して9時頃に貴重な一本を獲った。

具体的な釣りはファットヤマセンコー4インチのインチテキサスリグ。これを駆使してブッシュの外側に浮いていたほぼ2kgフィッシュを獲った。同じワームを逆付けにしてネイルシンカーを埋め込み、何かに吊るしてゆっくり誘う釣りも実行したが、釣れたのは早く落とすテキサスのリアクションパターンだった。

「暖かくなりすぎて魚のポジションが変ってしまったようです。小バスやブルーギルの動きも活発化し、岸スレスレではそういう魚と思しきバイトばかりでした。でもとりあえず40ポイント獲れて嬉しいです」と大石プロは試合後に語っていた。

今年に入ってから土日は必ず湖に浮いていたという同プロの熱心さが生み出した勝利ともいえよう。
パートナーの篠崎選手も大石プロの釣りに大きな感動を覚えたようだった。

準優勝は齋藤寛之・苅部裕一チーム。このチームも小野川から魚を持ち帰った。朝から同川に向かったが、このチームは11時までノーフィッシュだった。しかもノーバイト。その膠着状態を打破したのはパートナーの苅部選手だった。
ドライブビーバー3インチのジカリグを鉄杭などがからむ沖目のブッシュに落とし、引っ掛けて外すという行為を繰り返して約1400gのナイスフィッシュを獲った。さすが過去のBプロナンバー1である。

その後、真珠棚を経由して土浦付近に戻り、石積みの中にドライブクローラーのネコリグを落としてシェイクした齋藤選手が2本目を獲った。結果的に複数の魚を持ち帰ったのはこのチームのみだった。

そして3位は今井新・尾形芳秋チーム。このチームは霞ケ浦本湖東岸から魚を持ち帰った。具体的には干拓。その石積みを攻めたが、シャロー側は鯉がハタいていたので外側にフォーカスした。
ドライブクローラー5.5インチのネコリグを沈み物に引っ掛けてアクションさせるとラインが走ったという。
「プラでは500~600gの魚が良く釣れましたが水温の上昇で魚の動きが分からなくなってしまった」と今井選手は語っていたが、相変わらずしぶとく魚を確保してきた。さすがである。パートナーの尾形選手も感銘を受けていたようだ。

4位は消去法で桜川を指名した草深幸範・澤村中チーム。中流域でブレーバー2のネコリグをブッシュの奥の奥、さらにその奥にねじ込んでキロアップを獲った。パートナーの澤村選手も「いいものを見せてもらった」と語っていた。

そして5位は本湖・西浦のドックを回ってハイカットDRを炸裂させた袖山敦志・澤田和昭チーム。ほんの少し風が吹いた朝一番の瞬間を逃さずシャッドを投げた袖山選手のファインプレーだった。プラでは絶好調だった澤田選手の存在も心強かったことだろう。

こうして2024年の第一戦は終った。歴史上ないほどのスローなゲームだったが、各チームそれなりにバストーナメントというものを楽しんだことだろう。

釣れる時もあれば釣れない時もある。どんな時でも面白い。それがバストーナメントなのだ。

次回は北浦戦(4月28日)、今回とは異なった面白さを与えてくれるであろう。楽しみにしたい。

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