松村寛・平賀善彦チーム
怒涛の5本6325gで圧勝!!
冴え渡った季節の解釈。
2025W.B.S.プロトーナメント4th 即リポ
7月20日、午後2時30分、暫定トップ席に並んで座っていた鯉河・柴崎チームは、最後のトレーラーウェイインに登場する松村・平賀チームを待っていた。ウェイトは4本ながら4525gという立派なもの。単日の結果としては素晴らしい数字である。この時点で準優勝は確保、松村チームの結果次第で優勝という目もあった。
そして松村チームがステージ前にやって来た。ライブウェルを開け、魚を一本ずつ取り出す。一本、二本、三本。いずれも優にキロを超えるサイズが出てきた。そしてさらに巨大なバスを松村選手が頭上に高く掲げた時、鯉河・柴崎チームは観念した。5本目の魚は「おまけ」だった。こうしてトラーラーウェイインはフィナーレを迎えた。
松村・平賀チームのウェイトは… なんと6325g!! 一日のウェイトとしては近来にない数字で、満場がどよめいた。往年の霞ケ浦を思わせる華々しい結果だった。
松村選手は勝因をこう振り返った。
「プラを重ねていくうちに、今年は季節の進行が少し遅いことに気づきました。何故なら、夏の定番と言える流入河川や岸から離れたところの杭などの反応が非常に悪かったからです。釣れてもサイズに難がありました。『これは川はないな』と。ですから試合当日は本湖のシャローにフォーカスして回りました。その方がサイズも期待できると思ったんですが、実際、その通りになりました」
「そして釣り方にもキモがありました。いわゆるアフターの時期の釣り方がハマったのです。それは少し離れた位置からのアプローチです。ヤマセンコーのロングキャストがこうした時期の釣り方の定番でしたが、その進化形ともいえるものです。つまり接近戦でのピッチングでは釣れないのです。アクションも早巻きせずに、トゥィッチして止めて、魚にバイトするタイミングを与える。最初の一本がそのパターンで釣れて確信を持ちました」
話は前後するが、当日の状況を振り返ってみよう。数日前に梅雨明け宣言が出た関東地方。俗に「梅雨明け10日」といわれる晴天が続く時期のど真ん中で試合は行われた。当然、気温は高い。未明から準備をすすめるスタッフはいきなり汗だくだった。朝の4時に汗だく。なかなかできない経験である。気温は時間が進むにつれて上がり、午後には安定の30℃オーバー。しかしこの日は風も強く、比較的過ごしやすい日並みとなった。
釣りの状況としては悪かったとは言えない、直前に降った大雨が水を替え、水位も上昇し、シャローマンには福音となった。当日の朝から水門が開けられ、北利根川などはガン流れとなり、全体的に水位は下がり始めたが、なんとか釣りは成立する按配だった、
そんな中、松村・平賀チームは「今日は本湖のシャローを回ろう」とスタートして、古渡でいきなり3本のビッグフィッシュを獲り、流れに乗った。
松村選手が駆使したルアーはO.S.Pスピンナッツ50のハイフロートモデルを増毛チューンしたもの。
「これを早巻きせずに軽くトゥィッチして止めた時に水面直下から飛び付いてきました」
この釣り方を平賀選手も参考にしてナイスサイズを一本獲った。ルアーはイマカツ・ポッパーマウス。
同じように止めたときに下から食い上げたという。
こうして村松・平賀チームは5本6325gという「想定外」のウェイトで優勝を勝ち獲った。
松村選手は「今回、季節の進行が遅いことに気付いたことでこういう素晴らしい結果を残すことができました。霞ケ浦にはこういうポテンシャルがあるので、皆さんも是非、霞ケ浦の釣りを楽しんでいただきたいですね」と試合後に語っていた。
松村選手タックルデータ
タックル1
ルアー:O.S.P スピンナッツ50 ハイフロートモデル
ロッド:DAIWA クロノス 641UL ST
リール:DAIWA タトゥーラ2500
ライン:ラインシステム ゼノス PE0.8号+フロロ10lb
平賀選手
タックル1
ルアー:イマカツ・ポッパーマウス
ロッド:G-NIUS INCREDIBLE SENSOR S-63L ZZ
リール:スピニング 2500
ライン:PE0.8号
準優勝は鯉河健一・柴崎智尋チーム。
柴崎プランで本湖最下流南岸の超シャローを攻め、前述のように4本4545gというナイスウェイトをマークした。時には座礁しながらも臆せずにシャローにこだわった。柴崎選手がイマカツ・ダッドカット、鯉河選手がケイテック・グライドカマロンを駆使したが、柴崎選手も松村選手同様「遠目からアプローチした」と語っていた。やはりキモはその辺にあったのか!!
鯉河選手、この結果年間ランキングもグーンと上昇した。
3位は消去法で園部川をチョイスした岩井優典・尾形芳秋チーム。午前中はTDバイブを巻き倒して一本獲ったが、その後は巨バスを逃すなどのミスに泣きながらも岩井選手が撃ちモノに変えてテナガホグのテキサス、尾形選手がゲンタホグのテキサスを吊るしてそれぞれ魚を確保し、午後の時合を捉えてスコアをまとめた。
4位は得意の西浦のシャローを巡った廣瀬祐太朗・小石博明チーム。10時の時点で4本持っていたが、5本目が遠く苦労した。しかしシャローに戻ってリミットを達成した。ネタは廣瀬選手がギャップジグ+ギミーのジグスト、カバーシュリンプの吊るし、小石選手がファットイカだった。
5位は北浦まで飛んだ高橋亨・菊池玄人チーム。数が揃うと踏んで北浦をチョイスしたが二本しか獲れず、ガン流れの北利根川に戻り魚を追加した。高橋選手がD-JIGカバー、菊池選手がハリースライドを駆使して、二本ずつ魚を獲った。
こうして話題も豊富に第四戦は終了した。残すは最終戦のみ。年間ランキングを見据えて、A.O.Y.、そしてクラシック権を賭けた戦いが行われる。9月まで少し間があるが、いまから実に楽しみである。
そして今回もデッドフィッシュを一本も出さなかった選手一同の魚に対するケアに敬意を表したい。
みなさん、お疲れ様でした。