秋雨、極寒の霞ヶ浦を
制した廣瀬祐太郎
嬉しいクラシック初優勝!!
2025W.B.S.プロクラシック 即リポ
2025年度ランキング上位11名が馳せ参じ、10月25,26日の二日間、SDG Marine YOKOTONE BASEで開催されたW.B.S.プロクラシックにおいて、廣瀬祐太郎選手は初日2本2415g、二日目3本2335gを持ち込みトータル4750gをマークし、堂々の初優勝を遂げた。
天候は二日間ともに一時的に晴れ間を見せたものの基本的に曇り、そして雨。とくに初日のまとまった雨は全選手の雨コートをびしょ濡れにさせた。気温も一気に低下し、極寒の中で戦いは繰り広げられた。風はドライビングに影響するほどではなかったが、北系なので一気に体感温度を下げ、選手の士気を挫いた。
さらに釣況にダメージを与えたのが水温の低下。前週は20℃近くあったものが一気に14から17℃にまで下がり、魚の動きをスローにさせた。当然、食いは落ち、甘噛みが増え、選手を苦しめた。
だが、そこは選ばれし選手たち。そんな状況に賢く対処し、したたかに魚を持ち込んだ。とくに初日の釣果には目を見張るものがあった。ゼロ帰着はわずか3名。8選手が工夫に工夫を重ねて魚を確保したのである。
とくに9時頃までの釣果には目を見はらせるものがあり、Xには次々に速報がUPされ、周囲は大いに盛り上がった。
しかし、二日目は一気にスローダウン。ローライト、雨パワーの恩恵もなくなり、ゼロ帰着は6名に増えてしまった。

そんな中で二日間とも着実に魚を積み重ね、栄光のクラシックウィナーの仲間入りを果たしたのは1986年生まれの廣瀬祐太郎選手。もちろん初優勝である。
振り返ってみれば廣瀬選手の優勝には確かな裏付けがあった。まずは緻密なエリア選択。入念なプラを重ねた結果、同選手が指名したのが古渡の水路、通称「ドブ」、そして大山の石積み。この2カ所をメインに二日間を釣り切った。
「10月に入って、毎日北東の風が吹きまくり、得意の西浦南岸を除外せざるを得なくなりました。その結果ドブと大山を候補に考えました。大山はどんな風にも対処できるし、魚も濃い。粘れば拾えると思いました。ドブも風の影響を受けにくいし、ポテンシャルは高い。プラでは毎回見に行き、クセも掴んだのである程度自信はありました」
こう語る廣瀬選手だったが、初日はそのドブでスーパービッグを掛けてラインブレイク。一気に意気消沈したという。しかしその後、メンタルを立て直し、ドブで1本。そこから出て大山の石積みで1本。両方ともにキロアップで2本ながら2415g、2位で折り返した。
初日は高橋川を経由してドブに入ったが、2日目は直行。ドブと大山で計3本の魚を獲り、優勝をもぎ取った。その内の一本は二日目のビッグフィッシュ賞を獲得した。
「一日2.5kgを二日間、それで5kg行けばなんとかなると思っていました。リミットは難しいと考え、とにかく3本確保するべく、丁寧な釣りを心がけました」
その言葉通り、渋い状況を考慮して焦らずじっくり一本ずつ魚をライブウェルに納めた廣瀬選手。二日目の3本目をランディングした時に「これは行ったかも」と手が震えたという。
廣瀬選手の釣りはドブでのラバージグのジグストと石積みでのネコリグ、穴撃ち。
使用ルアーはラバージグが3/8ロデオクラフト×DEPSフラットバッグジグ、トレーラーは釣り吉ホルモンのポーク、ネコリグには弁天フィッシングのカバーシュリンプだった。
こうして廣瀬選手はクラシックチャンピオンという歴史に名を残す偉業を達成した。地道にコツコツと練習を重ねた努力が実ったと言えよう。心から祝福させてもらいたい。
そして廣瀬選手のプレスアングー・永井歩夢さんにはプレスアングラー賞として、W.B.S.からリールが贈呈された。
準優勝は熱心な練習で有名な大塚拓選手。北利根川中流域の1ストレッチから初日、二日目ともに3本ずつ魚を持ち込み、一瞬優勝の目もあったが、惜しくも二位に泣いた。
大塚選手の釣りは得意のカバーネコとスモラバ。バラシに悩むも最低限の仕事をした。
「結果的には1位の釣りではなかった」と振り返る冷静さは敬服に値する。いつかは練習の成果が大輪の花を咲かせるだろう。
3位は初日4本2870gというトップの成績でロケットスタートをかました安藤毅選手。レイドジャパンのSuper Kosok Machine= SKMというクランクベイト(クロキン)を二日間巻き倒し、全ての魚をそれで獲った。
エリアは北利根川。主にフラットからブレイクにかかる地形にゴロタが絡むスポットを狙ったという。二日目は食いの悪さに泣き、1本のみに終わったが、十分健闘に値する結果といえよう。
初日のビッグフィッシュ賞は1480gを持ち込んだ草深幸範選手が獲得した。北利根川の葦から離れたハードボトムでDAIWAクワッドフォーゼのワッキーダウンショットが炸裂したようだ。
忘れてならないのがこの機会を利用して行われた「シーバスチャレンジ」。トーナメントウェイイン前の成績発表は大いに盛り上がった。
そしてキッチンカーのご馳走も寒さを忘れさせてくれた。こうした、ギャラリーを総合的に盛り上げる仕掛けは、今後のトーナメントの指針となるだろう。
こうして33回目を迎えた今年のクラシックは話題も豊富に終了した。そして2025年度のW.B.S.トーナメントはすべて完了した。
全試合、恙なく開催できたことはスポンサー様初め関係者の皆さんのご尽力の賜物といえるだろう。
我々スタッフ一同も、さらにW.B.S.をブラッシュアップすべく、いまから準備を始めたいと思う。
皆さん、お疲れ様でした。









