鈴木幹往・堀越将太チーム、
朝のラッシュでリミットを達成
みごと優勝をもぎ取る!!
恐るべし! 北浦のパワー!!
2025W.B.S.プロトーナメント2nd 即リポ
北浦・潮来マリーナを起点に4月27日、27チームが参加して行われたW.B.S.第二戦において、鈴木幹往・堀越将太チームが5本3805gというスコアを作り出し、見事優勝を遂げた。鈴木選手は嬉しい初優勝、W.B.S.ボーター4年目の栄冠だった。
今回のゲームに於いて、フォーカスすべきは北浦というフィールド。ここをどう解釈するかがキモとなった。
ここ数年は鳴りを潜めていた北浦だが、昔は実は霞か浦よりも釣れるフィールドとして著名だった。実際、トーナメントも華やかだったし、オカッパリの人数は霞ケ浦を遥かに凌駕していた。
沼尾や水原のオダ、爪木の鼻の杭など、爆釣スポットが随所にあった。しかし、どういう訳か徐々に人気に陰りが出始め、次第に人の口の端にも上らなくなった。
しかし最近、北浦が復活のキザシを見せ始めた。往年のポテンシャルを取り戻したのである。記憶に新しいところでは、昨年同じ時期に行われたW.B.S.第二戦、実にベスト3が巴川河口から出た。
果たして今年はどんな按配になるのか、多くの注目を集めて開催されたわけだが、今年も北浦はその実力を遺憾なく発揮した。実に1位から4位までも北浦組が独占したのである。
それでは全体状況から整理してみよう。
当日の朝、というより未明は良く晴れていた。予報でも一日晴れだった。しかし寒い。4時の気温は10℃。防寒着がマストだった。しかし吹くと予報された風はまだない。
3フライトに分かれてスタートしたボートの行方を見てみると、ライトターン組が多かった。恐らく、サイズがイマイチでも魚影が濃いと思われた北利根川を目指したと思われる。
しかし三分の一はレフトターン組だった。北浦勝負組である。
実際に取材に湖岸を走ってみると、確認できた数は矢幡(「やばた」です)に7艇、北利根にも7艇という分布だった。
数では北浦と拮抗していた北利根川だが、釣果では北浦に叶わなかった。前述の通り1位から4位まで、全て北浦、それも上流組だったからである。あらためて北浦のポテンシャルを思い知る。
釣果もまずまずだった。2チームのリミットメイカーを輩出したし、1410gというビッグフィッシュも検量された。今の利根川水系北浦で、5本のリミットを達成することは稀有と言われた中での結果である。
状況も悪くはなかった。昼前まで風が強く吹かなかったことも幸いした。さらに鯉やヘラのハタキも一段落して、シャロー攻めに躊躇しなくて済んだこともラッキーだった。
気温も寒かった朝に比べて徐々に上がり、それがバスの活性に拍車を掛けたこともプラス要因となった。前日の寒さで後ずさりしたバスを暖かさがシャローに戻す働きを示したからである。
そしてこの時期特有の代掻による濁りもそれほどなかった。
そんなゲームを制した鈴木・堀越チームも、鯉、ヘラのハタキが収まったことを察知して「それならシャローのいいところを探そう」と北浦上流、巴川河口を目指した。フライトはセカンドの17番。狙いのスポットに入れるか不安だったが、行ってみれば水が良好な葦際に入ることができた。そこで幸先よく一本獲り、対岸などを巡って釣果を重ね、9時までにノンキー含め7本のバスをランディングした。冷静に考えれば、風の吹き始めがラッシュの背景にあった。
実は鈴木選手、近い過去にも同じようなエリアでリミットを果たしたことがある。その時も超シャローでの釣りだった。
今回も「これは出来過ぎ」と意を強くしたが、入れ替えに走っても風が強くなってからは思うに任せず、そのまま帰着。それでも約800g平均のバスをウェイイン。みごと優勝をもぎ取った。
鈴木選手のリグはヤマセンコーのノーシンカー、ドライブビーバーのテキサスリグ。どちらもスイミング気味に使ったようだ。アタリを明確に伝え、バラシの不安をなくしてくれたストラーダのロッドも勝利に大きく貢献したようだ。(詳しくは動画やタックルデータを参照されたい)
パートナーの堀越選手もギミーのテキサスで1本ゲット。勝利に貢献した。
鈴木選手は過去、何度かボートトラブルに泣き、棄権したこともあったが、万全の態勢で臨んだら強いことを今回の勝利で証明した。ボーター4年目での初優勝。心からその栄冠を称えたい。
準優勝は保延宏行・安藤毅チーム。北浦を一周して上流の水のいいエリアにロックオン。
めっちゃ浅いシャローからちょっと離れた沈み物など、魚がコンタクトしやすいスポットに、ネイルを打ったファットウィップ3インチを「待ち合わせ場所」に置いて、少し待って聞いてバイトを獲った。
保延選手はカバーシュリンプのネコを沈み物に引っ掛けて待つ釣りで、ナイスサイズを連発。4本ながら4kg近い数字をマークし、準優勝を勝ち取った。
3位はやはり巴川河口で粘った大藪厳太郎・今井新チーム。エリアは大藪選手が昨年優勝した場所である。状況もほぼ同じだったが、ほんの少しの違いを賢く分析して釣りに結びつけ、リミットを達成した。
大藪選手がゲンタホグの2.6gフリーリグのスイミング、今井選手が3インチドライブビーバー、得意のスピンナッツを使い分け、風に応じて少し重めのシンカーを使ってナイスサイズを連発した。
このチームは昼前に風が強くなった一瞬のタイミングを逃さず、魚を固め打ちした。そのためのワームチョイス、シンカーチョイスが見事にハマったといえよう。
工夫次第でまだまだ魚は釣れるということを身を持って示してくれた。
4位は矢幡ワンドで3本の魚を獲り、その内1本は1410gのビッグフィッシュだった廣瀬祐太郎・錦古里光夫チーム。ワンドの矢板インサイドにカバーシュリンプのノーシンカーを撃つと、ラインがスーッと走ったという。その後、山田に移動して3本目を獲り、お立ち台をゲットした。
5位は北利根を狙い撃ちした大塚拓、渡邉尚昭チーム。守りのゲームを余儀なくされた大塚選手だが、最初の一本を獲った渡邉選手の助けもあり、人気薄のカバーにカバーネコを撃ち続け、4本の魚を確保。「とにかく魚を釣って返りたい」という目標は完遂した。
こうして北浦スタートの第二戦は幕を閉じた。まあまあ釣れたゲームで、ウェイインステージも活気に満ち溢れていた。やっぱり釣れる試合はいい!!
今後、ハイシーズンに残り3試合が予定されているが、今回のようにエキサイティングなゲームを期待したい。
みなさん、お疲れ様でした。