罵州雑言

罵州雑言

その157 短命ならばこそ……


 

地上に這い出て1~2週間で寿命をまっとうしてしまうセミ、

その短い地上生活での営みは、子孫残すための繁殖行為だけである。

鳴いてメスを呼び寄せ、鳴いて合体し、そして死に行く。

ああ、無常、無情、無上……儚い中にこそ歓びがあるのだ。

 

157niinii

 

久し振りにニイニイゼミに遭遇した。

俺が子どもの頃の東京には、沢山いたニイニイゼミであるが、

大人になる頃にはその鳴き声をとんと聞かなくなった。

代わりにアブラゼミの声が早くから鳴り響いていた。

 

157abura

 

温暖化などと呼ばれている気候の変化に伴って、

虫たちの世界も移り変わっているんだろう。

そう言えば、関東地方でもクマゼミの鳴き声がするらしい。

ニイニイゼミやアブラゼミ、ミンミンゼミ、カナカナ、

それにツクツクホウシぐらいしか知らない関東人にとって、

ヨッシャヨッシャと言う鳴き声のセミは馴染み難いだろうなぁ。

 

それにしても地上に這い出て1~2週間で死んでしまうなんて!

セミの一生は儚いのだねぇ。

そう言えば、トンボも短いらしい。長いもので2ヶ月ほど、

概ね2週間ぐらいとのことだった。

 

短命だからこそ、その命が輝くのだろうか?

精一杯に生きているからこそ、雄々しいのだろうか?

セミの鳴き声もトンボの羽ばたきも、

生きているからこその証である。

 

指先の手酷い痛みを体験して、

生きているという感触が俺にも甦った。

そう、だから痛みを我慢して、明今日も釣りに行こう!

俺の生きている証だ。

爆釣の命は短くて、釣れない日ばかりが多過ぎる。

そう、爆釣は短命なのだよ。

 

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このきれいな緑色のクモはコハナグモ。

カニグモの仲間だ。

そう言えば、何処となくカニに似ている。

さて、このコハナグモの寿命はどれくらいなのだろう?

 

 

 

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