罵州雑言

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その843 流れる水が生き物を育む


 

 

もう何度も書いていることだけれど、

水が動くようになるだけで生き物たちが増える。

これは間違いのない事実である。

それまで滞留していた水が何かの拍子で動き始めると、

水の動きが生物の命を育むのである。

そんな光景は今までに何度も経験している。

 

例えば、北千葉導水による手賀沼の再生だね。

驚くほどに生まれ変わった。

それまで滞留していた水を動かしただけなのに・・・。

小さな所では小池栄湖だな。

 

水流発生装置の故障で池の水が滞留したら、

池全体を埋め尽くしていた沈水植物が全滅して、

アオコが発生するようになった。

それがさらに経過すると淡水赤潮まで発生した。

そこで、水を動かし、十分に酸素を送り込むようにしたら、

水生植物がものすごい勢いで増え、池を埋め尽くしている。

 

霞ヶ浦にある水路も同様である。

1年ほど前から水を動かすように試験導水を始めた。

ところが、現在はその水の動きも止まっている。

で、先日水路の観察に出向いたら、

水中のヘドロの中に貝殻が見えた。

カワヒバリガイの貝殻だ。

 

「こんな所にも入って来ているんだなぁ・・・」。

で諦めちゃったらそいつは見つからなかったが、

さらに目を凝らして水中を覗くと、

その貝殻に混じって黒くて丸い貝や茶色の貝を見つけた。

マシジミだ。丸々と太ったマシジミである。

 

 

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が、殻皮が剥がれ白い殻質が広がっているので、オールドシジミだな。

つまり、爺さん。オマケに人間同様に禿げるのか・・・面白いもんだ。

 

これに気を良くしてさらに周辺を観察していると、

大きな茶色の目玉を見つけた。

そ~っと掘って行くと・・・ド、ド、ドブガイだ!

それも殻長が10cmほどもあるので成貝と思われる。

この水路で生まれて、水路で育ったナイスガイならぬ水路貝なのね。

 

 

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そう、こんな風に水が動くだけで様々な生き物が甦る。

導水が生み出す流水は、命を育む魔法の水なのである。

この水路が復活して二枚貝の産卵が行われ、

二枚貝が増えればタナゴやヒガイの産卵床が確保される。

さらに、二枚貝は水質浄化の役割も担ってくれるのである。

 

と言うことで、今後は流れる水と二枚貝の勉強も必要だな。

 

 

 

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