●バリウム
先日、てか昨日、バリウムを飲んだ。
かなり久し振りのことだった。
いうまでもなく健康診断の一つだ。
ところで以前、「中尾ミエ」というコラムを書いた。
健康診断などに気を遣わず、なるようになると自然体で生きて行く。
すると、毎日が楽しくなる、
ひょっとして大病に見舞われても、それは運命。
受け入れるしかない。
だからそんなことは気にせずに飄々と暮らした方がいい。
という内容だった。
その考えに共鳴した私は、健康というものに、
そこまで執着しないようになった。
病気と無縁の生活に心がけていれば、それでいいんじゃないかと。
気楽に生きた方が、病気などとは無縁に過ごせると考えたのである。
それでは、なんでバリウムなんか飲んだのかというと、
理由は100%好奇心。
市から案内が来た時、
フトやってみるか、と思いついてしまったのである。
当然、ヒマだったという理由もある。
そして当日、てか昨日、というより前夜から準備が始まった。
つまり一昨日の夜だ。
ご存知のように、前夜10時以降は食事はできない。
口にできるのは少量の水だけ。
当然、アルコールも飲めない。
いやー、ヒマだった。
んで翌日の朝、つまり昨日の朝もヒマ。
検診が11時からだったから、
それまで水をひと口飲んだだけだった。
さて、11時。
私は現場に出かけて説明を受け、
まず胃を膨らませるクスリ、のようなものを飲んだ。
「ゲップは我慢してください」
といわれた瞬間、ゲップが出た。
そしてバリウム。
昔よりかなり少ない。
せいぜい100ccぐらいだろう。
それを飲み干したら、
すぐに検診台のようなものに移動させられ、
右向け左向け腹這い仰向け、など指示のままに動き、
約5分で終った。
こんな簡単なものだったっけ?
なにしろ相当久しぶりなもので、全然覚えていない。
数年前までは人間ドックを受けていたが、
その時はいきなり胃カメラだったので、
ほんと、バリウムの経験はゼロに等しかったのだ。
でも、問題はその後だった。
指示されたように下剤をすぐに飲んだが、
効果はなかった。
水や牛乳をたくさん飲んだが、
何もなし。
ひょっとしてくれたのはバサーの必携品「下痢止めストッパー」か?
と疑ったほど。
結局、昨日は膨満感に悩まされつつ、アルコールを大量に摂取し、
本日、やっとオナカがすっきりした次第。
そもそも、私とバリウムは相性が悪い。
大昔、バリウムを飲んで、二次検査に回されたことがある。
私の胃はバリウムでは陰になって見えない部分があるらしく、
肉眼では限界がある。
だから胃カメラを飲まされたのだ。
生まれて初めての胃カメラだった。
かなりキツかった。
死ぬかと思った。
なにしろ息が出来ない。
でも、鼻で息ができるとわかって、すこし楽になった。
それでも食道をカメラが突き進む時の圧迫感は耐え難い。
その時、カメラを覗いていた技師はこういった。
「おかしいな。なんにも異常ないですよ。胃カメラなんか、飲む必要ないのに」
それじゃ早くその変な管を抜け、と叫びたくなった。
抜く時は入れる時と反対に、最高の解放感だった。
というわけで、とりとめのない話になったが、今週末はクラシック。
腹に力をいれて臨みませう。
そりでは。