帰ってきた Cool Cool Phoo

帰ってきた Cool Cool Phoo

●待望していたモノ


ついに来た!

いつかは来ると思っていたものがやって来た。

私はこの日を待っていた!

 

それは、釣りにおいて待望していたバイトのようなものか。

たとえばテキサスリグをズル引いていた時。

本アタリの前の「ん?」という違和感に続いて「ゴゴゴ、ゴン」と来る、あの感触にも似ている。

来るという予感が、コンマ数秒のアワセを可能にしてくれる。

 

もしくはヘラプナ釣り。

馴染んで行くウキが一瞬止まり、次の瞬間「ズボッ」と消し込む、あの快感。

これもウキが一瞬止まるから、待っていても瞬発アワセが決まるのだ。

 

今日やって来たそれは、そのどちらにも酷似している。

俺にもついに来たか、という感覚だ。

何故か大人になったような誇らしい気分に包まれる。

 

大人になるといえば、少女にとっても来るべきモノが来た時、

昔は赤飯を炊いて祝ったという。

 

そういえば昔、アームストロング船長が月に降り立った時、

そのニュースを茶の間で見ていた奥さんが、

おばあちゃんに向かっていった。

「おばあちゃんも、もう少し長生きすると、

月のモノを見ることができますよ」

と。

するとおばあちゃんはテレまくって、

「いやだよ、おまいさん。そんなものとっくに上がっているよ」

と答えたとか。

おまさん、じゃなくて おまいさん である。

ここに江戸文学の神髄がある。

 

それはともかく、今日、俺のもとに届いたものは、

月のモノよりはるかに意味深いものだった。

人生を考えさせるものだった。

ついにやって来たもの。

それは

んズガーン!! ついに来たか! 明日は釣りだ。

 

 

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