2019 W.B.S.カスミプロクラシックレポート


栄光への一人旅!

蛯原英夫
2年連続、4度目の
ビッグタイトル獲得!

2019 W.B.S.カスミプロクラシックレポート

それはまさに一人旅だった。
いま話題のマラソンに例えるならば、
スタート直後こそ一団だったものの、
中間地点では早くもブッチ切り。
後ろには誰も見えない。
後半ではますますペースは上がり、
ゴールする頃にはさらに差は広がっていた。
追うものはレース半ばで追走を諦め、
入賞に目標を変えた。
いってみれば1位とそれ以下の選手は
別のレースを走っていたようなもの。
それほど優勝者の強さだけが
目立った圧巻のレースだった。

 

今年のクラシックは二日間ともまずまずの天気に恵まれた。
台風で次々と試合がキャンセルされた今年の秋だっただけに、無事に開催できたことは何よりである。

結果も日本中がアッと驚くビッグウェイトでの優勝だっただけに、イマイチ欲求不満だったトーナメントウォッチャーには最高のエンディングだった。

優勝は「霞の剛腕」蛯原英夫選手。
結果的には12名の選手中、唯一フルリミットを達成して優勝したわけだが、試合前にはそんな事態はまったく想定できなかったという。

仕事が激忙しで、プラは直前の木曜のみ。
だから想定したエリアをグルッと回って水をチェックした。

その結果得た情報は
水はいいけど魚っ気はない。
逆に水は悪いけど魚っ気がある。
というもの。
この事実を分析してエリアを決めた。

二日間、さまざまなエリアに行ったが、ゲームを作ったのは本湖西浦。
初日は木ジャカをメインにジャスト5本。
そんなに楽な展開ではなかったそうだ。

だが運命的な魚も獲れた。
延々と続く木ジャカを端から撃って行き、何故か残り1ブロックでUターン。
そこで投げたリグに魚が食いついてきたのだ。

普段は浅くて入れないが、増水のおかげでエントリーできたスポットだ。
1日に10cmほどずつ水は下がっていたが、そういうところをメインに釣っていたという。

ウェイトは5本5595g。
2位の小野選手が2880gだから、まさにブッチ切りである。

大差で二日目を迎えると、多少心が揺らぐものだが、自分の釣りを押し通すことに徹し、まったく平常心でスタートできたという。


二日目はブッシュメイン。
濁りはあるが魚は濃いという、プラで得た情報を元にエリアを絞った。
8時30分には揃ったというが、簡単に釣れたわけでもない。
ブッシュにリグを入れて、枝を通してフリーフォールさせる。
すると枝と枝の間でラインが張る。
そこで微かな違和感を覚えたらアワセるという釣りだ。

その感覚は本人にしかわからない。
しかし、違和感にアワセれば2分の1の確率で食っていたという。

それを伝えてくれたのがロッドとライン。
ソリッド穂先が違和感を伝達してくれたようだ。
リグは3.6ダブルモーションのテキサスリグ。
5gだと軽い、7gだと重い。
その間をとったチョイスで、これもいい感じで働いてくれたと思われる。
繊細な釣りでの1gは大きい。

クラシックというタイトルに関しては、
全選手中唯一2連覇の権利を持っている蛯原選手だけに
「今年も優勝を狙っていた」というが、それでも優勝スコアは二日間で6kgないし7kgだろうと踏んでいた。


それがフルリミットの10kgオーバー。
初日の木ジャカでのUターンフィッシュなど、神がかりな魚もあったが、最終的には冷静なエリア選択、ブッシュでの繊細な釣り、それを下支えしたタックル、そして安定したドライビングを演じてくれたボートなど、総合力がもたらした勝利だといえよう。

タイトルでも述べたように、2連覇で4回目のクラシック優勝だ。

レギュラー戦は噛み合わなかったが、最後の最後に派手なことをやって見せた。
まさに「剛腕の復活」といっていいだろう。

蛯原選手
Tackle1
ROD:Evergreen international ヘラクレス ファクト 70HST
REEL:ベイトキャスティングリール
LINE:Evergreen internationalバスザイル マジックハード R 16lb
LURE:Evergreen internationalダブルモーション3.6
RIG:テキサスリグ(E.G.バレットシンカー6g)

 

準優勝は今年A.O.Y.に輝いた小田島悟選手。
二日間6本の魚を獲ってトータル6555g。
期せずして蛯原選手が予想した優勝スコアである。

東浦、本湖東岸をメインに風を受けない静かなウッドカバーを「こんなところがいいんじゃないかなー」と集中的に撃って行った。

アタリは多くないが、釣れればサイズがいいと信じて撃って行ったようだ。
相変わらず渋い時には強い。
A.O.Y.、そしてクラシック準優勝は十分誇るに足る成績である。

小田島選手
Tackle1
ROD:Evergreen internationalヘラクレス ファクト 70HST
REEL:ダイワ ピクシー68
LINE:Evergreen internationalバスザイル マジックハード R 16lb
LIRE:Evergreen international フラップクロー3.3
RIG:5gリーダーレスダウンショット

Tackle2
ROD:Evergreen internationalヘラクレス ファクト 67MHST
REEL:ダイワ ピクシー68
LINE:Evergreen internationalバスザイル マジックハード R 16lb
LIRE:Evergreen international ダブルモーション グリーンパンプキンBL RIG:5gテキサスリグ

3位は最終戦の優勝者、石橋康二選手。

和田の葦をメインに得意のゲンタホッグ・スーパーブラックの7gテキサスを撃ちまくり、苦しい中でもなんとか魚を拾ってきた。
二日目のビッグフィッシュ賞も獲得した。
増水=テキサス=シャローカバーなら石橋選手の力が発揮できないわけがない。

石橋島選手
Tackle1
ROD:ダイワ スティーズ ハリアー
REEL:ダイワ スティーズ SV TW
LINE:フロロカーボン 16lb
LURE:イマカツ ゲンタホッグ
RIG:テキサスリグ5g 7g

なお、初日のビッグフィッシュ賞は小野光一選手が園部川中流で獲った1795gが獲得した。

小野選手
Tackle 1
ROD: 7ft2in ベイトロッド
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE 14lb
LURE: スピードクロー
RIG: テキサスリグ 8.5g

Tackle 2
ROD: 6、8fベイトロッド
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE 14lb
LURE: スピナーベイト ノーリーズ シャローロール

こうして今年もクラシックで、すべてのスケジュールが終わった。

第四戦とオープン戦が中止になり、いささかトーンダウンした2019年だったが、最後の最後にナイスな感動を与えてくれた。

これも皆さんのおかげです。
全ての皆さん、お疲れ様でした。

レポート・大和小平

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