WBS2014 4th REPORT


6kg時代がやって来た!?

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圧倒的ウェイトで晩夏の死闘を制したのは

大藪厳太郎・袖山敦志チーム!

 

2014W.B.S.プロトーナメント第4戦レポート

 

少し和らいだとはいえ、まだまだ暑い8月24日、

2014年W.B.S.プロトーナメントの第4戦が行われた。

スタートはおなじみ、北浦・潮来マリーナ。

ここに30チーム60名の選手が馳せ参じた。

第1戦から3戦まで、途中スリーデイズを挟んで

順調に推移してきたW.B.S.、

今年は初戦からビッグウェイトが話題になったが、

第4戦もその「伝統」を受け継いで、

驚異的な優勝ウェイトが刻まれたのである。

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思い返してみれば、第一戦。

北浦上流各スポットを閃きでラン&ガンしてビッグバスを固めて優勝した

成田紀明・柴崎智尋チームのウェイトが6670g!

2位の草深幸範・皆藤勝チームも6kgオーバーだった。

 

そして2デイの第2戦、

優勝の蛯原英夫・金井敏チームのウェイトは

なんとっ! 2日間で13kgオーバー。

6kg超えを2日間続けた。

この辺から何やら不気味な兆候が見えていたW.B.S.。

 

その次の桧原湖戦ではさすがに6kgは出なかったが、

第4戦もビッグウェイト必至の流れは明らかなものとなった。

実際、プラでは6kgパターンを視野に入れたチームもあったのである。

「5kg後半では勝てない。3kg台? タダの人だよ」

そんな話が試合前に囁かれだした。

 

そしてその予感は、現実のものとなったのである。

 

さて、第4戦は多くの選手にとって単なる試合を超えた意味を持つ。

それは、年間成績の行方が現実味を帯びる頃だからである。

残すところは最終戦のみ。

A.O.Y.、クラシック出場権を目指して、

いい感じでクライマックスを迎えるためには、

外すわけにはいかない試合なのである。

 

前述のようにビッグウェイトが乱舞する今年のW.B.S.。

年間レースを争う上でも、満足できる数字を残したい。

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そんな状況で行われた第4戦。

 

例によって豪雨や酷暑が繰り返された8月下旬、

試合直前には猛暑日も続いたが、

試合当日の朝は幸い曇天。

熱中症の心配は少なくなった。

 

状況的には特段プラスもマイナスもなく、

アオコもそれほどでもなし。

強いていえば牛堀周辺の前日の花火大会がどーなのよ? という程度。

釣果としてはプラクティス時から徐々にサゲサゲ傾向だったが、

まずまずのコンディションで60名の選手は24日の朝を迎えたのである。

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スロープからからスタートのブイを見れば、

ひとつの波もない凪。

空には厚い雲が幾重にも重なっている。

ちょっと寒いぐらいの陽気。

気温は23℃だった。

 

ほぼ5時ジャストに第1フライトのスタートが開始された。

注目された各チームの行方は……

意外にライトターンが多い。

そして第1フライト最後のボートが出て行った。

蛯原英夫・末永宏行チームだ。

しかしどうしたことか、このラッピングされたチャンピオンは、

100メートルも行かないうちに止まってしまった。

 

やがて第2フライトも完了、

そして5時27分、

第3フライトのスタートが終了して第4戦の火蓋が切って落とされた。

 

スタート~ライトターン組が多かったと書いたが、

実際、8割が北利根方面を目指してプレーンし、

北浦をチョイスしたチームは少なかった。

 

結果的に試合の主導権を握ったのは、

ライトターン組で、それも霞ケ浦本湖を目指したチームだった。

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キモは状況変化に対するアジャスト。

この試合も「その時を釣る」という、

バストーナメントの本質が問われた。

 

曇天から1時間もすると太陽が顔を出し、

凪はそのまま。

天気予報とは異なる快晴無風の厄介な状況に

クレバーに対応したチームが好成績を納めた。

 

 

優勝の大藪厳太郎・袖山敦志チームはその典型。

大藪選手の最低線がクラシック権確保。

それには2kgチョボチョボでいい。

だったら勝負をかけるのが当然と、

6kgパターンを目指した。

基本的には夏モードなら縦スト、

それがダメならシャローの石積み、

秋モードならシャッドの早巻き……

それに岩で2本ほどモンスターを釣る。

それが試合前のグラウンドビジョン。

 

で、フタを開けたらローライト。

予定通り北利根でシャッドで一本獲ったが、

1時間もすると太陽が出てきた。

「えーっ! 晴れちゃうの? 聞いてないよ」と霞ケ浦本湖で縦スト勝負に出た。

とりあえずパートナーの活躍もあって3本2500g程度を確保して、

年間成績のベースはできた。

さらにどうも縦ストっぽくもないな、

ということで岩にシフト。

するとフットボール+ギルボーンorダットカットでビッグバス連発。

この時点で5000gは超えたが、

「5kg後半じゃないと勝てない」と

今度は「どうも岩じゃないような気もする」と杭にシフト。

すると2mぐらいの杭にフットボール+ギルボーンを引っ掛けたら、

1610gが来た!

この後、500gが釣れてきたがリリース。

6kg超えを確信して帰着した。

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このように、刻々と変化する状況に対応して、

冷静にゲームを進めたのがこのチームの勝因。

大藪選手は最近、他のトーナメントでも好成績を重ね、

いま乗っている選手。

だからこそ「その先」が予見できて、打つ手がすべて当たったといえる。

乗っている選手は怖い。

最終戦も不気味な存在である。

パートナーの袖山選手は弱冠22歳の若武者。

ややシャイなところも初々しく、

これからが楽しみな選手である。

 

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さて、ドラマといったら、

準優勝の蛯原英夫・末永宏行チームが筆頭だろう。

前述のようにこのチーム、

スタート直後にエンジントラブルで航行不能になってしまったのである。

そこでどうしたかというと、

とりあえず、マリーナ横の石積沖の杭で釣りを始めた。

すると、すぐにバイトが。

その魚はノンキーだったが、次に来たのがキロフィッシュ。

「これで少し安心しました」と蛯原選手。

その後もオンラインを含めてトータル5本をそこで獲った。

しかし1日そこで釣りをするわけにもいかない。

霞が浦本湖でビッグウェイトパターンを持っていたからである。

そこに現れたのが、長岡正孝選手。

お身内のご不幸で欠場した同選手がクルマでその様子を見に来たのである。

そして救いの一言。

「私のボート、使ってください」

しばし考えた蛯原選手は、その申し出を受けてボートチェンジ。

6時40分、もともと行きたかった霞が浦本湖に向けてリスタートした。

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最初に行ったのは東岸のシャロー。

ピッチンスティックのネイルリグを打ってみれば600gが来た。

それで3本。

そしてプラで良かった浚渫に山立で入った。

当初はクランクで攻めたが食わない。

そこでキッカーバグ3.5に替えたら1350gフィッシュが。

風がないのでクランクをやめてキャロにして5本になった。

ウェイトは推定4000後半。

 

10時になって相変わらず無風なので魚が浮いてくると考えて杭にシフト。

古渡の杭にピッチンスティック落としたら、落ちない。

これは食ったなと。

あわせるのが遅れて巻かれて、出てこない。

しばし魚とのダマイ合い。

諦めずにラインを緩めてみたら出てきた。

しかし飲まれていて出血。

サイズは1200gほど。

しばらく思案したが、この魚を死なせたくないと帰着を決意。

「いろいろな人がチャンスを与えてくれて、

自分のプランで思い通りやってきた。

だからこの魚は死なせたくない」とエレキを上げた。

「結果的に2位でしたが、トラブルも含めて、

すべてがよいように回ってくれたと思います。

皆さんに本当に感謝感謝、それしかないです」

こうお立ち台で語る蛯原選手の目は、心なしかウルウルだった。

その蛯原選手を終始励ましたのが末永選手。

バックシートからの声援が準優勝に貢献したのは間違いない。

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こうして、蛯原・末永チームも臨機応変にゲームを進めて入賞した。

 

だが3位の小島貴・君和田知之チームは、

当初のプランを貫いた。

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練習で良かった古渡そばの水路に直行。

ダブルモーションのゼロダンやピッチンスティックで

5フィッシュゲット。

サイズも粒ぞろいで5kg近いウェイトをまとめた。

パートナーの君和田選手もスモラバで1本獲り、ゲームに貢献。

桧原湖に続いて連続お立ち台を実現した。

小島選手は試合前、バッテリーのトラブルに見舞われたが、

それも仲間のヘルプで解決。

蛯原選手といい小島選手といい、

W.B.S.はお互いが助け合う素晴らしい組織だ。

 

4位はスノヤハラに何度も入り直して、

真珠棚からグッドサイズを絞り出した

小田島悟・北本翔馬チーム。

リグはダブルモーションのゼロダン。

本湖東岸ではボウワームでも魚を獲った。

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5位は常陸利根川の水門がらみの杭、捨石などを

センコーノーシンカー、ダウンショットで丁寧に攻めた

浅井由孝・森山良夫チーム。

スローな釣りに徹してスコアをまとめてきた。

この試合でも活躍したパートナーの森山選手は、

Bプロ部門の年間ランクでトップに立った。

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そして6位は霞ケ浦本湖の杭でミスに泣きながらも、

きっちりリミットを揃えた

村川勇介・廣瀬祐太郎のENGINEチーム。

ミスで肩を落とす村川選手を終始激励した廣瀬選手の存在も大きい。

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ビッグフィッシュ賞を獲得したのは

草深幸範・保延宏行チーム。

霞が浦本湖でブリッツEXDRが掛けた1630g。

2投目で喰ってきたという。

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こうして、話題も豊富に第4戦は終わった。

年間ランキングも微妙に変動した。

最終戦は3週間後。

そこで本当のファイナルバトルが行われる。

果たして最終戦もビッグウェイトが炸裂するのか!?

 

いまからワクワクしながら、

どうなるのか見守っていきたい。

 

レポート・大和小平(やまとしょうへい)

 

●各チームのタックルデータ

大藪選手TackleData

Tackle1

ROD:KALEIDO Inspirare The Black Raven

REEL:ベイトリール

LURE:EVERGREEN ゴブリンヘッド 5/16oz + ギルボーン

LINE:TORAY スーパーハードプレミアムプラス ハイグレード 13lb

Tackle2

ROD:KALEIDO Inspirare The Egoist

REEL:ベイトリール

LURE:EVERGREEN ゴブリンヘッド 1/2oz + ダットカット

LINE:TORAY スーパーハードプレミアムプラス ハイグレード 14lb

メインエリア:霞ヶ浦本湖の杭、浚渫。

今回のキモ:フットボールで男らしく!

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袖山選手TackleData

Tackle1

ROD:ベイトロッド

REEL:AbuGarcia Revo LT-L

LURE:Berkley 8cm フライ

LINE:SunLINE FCスナイパー BMC 8lb

RIG:ダウンショットリグ 5g

メインエリア:本湖の杭,浚渫

今回のキモ:ダウンショットリグでスローに、コツコツ、しっかり。

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蛯原選手TackleData

Tackle1

ROD:EVERGREEN メタルウィップ

REEL:ベイトリール

LURE:EVERGREEN ボウワーム6インチ 1/32ozネイル

LINE:EVERGREEN バスザイルR 8lb

RIG:オフセットネコリグ, キロフック#3

Tackle2

ROD:EVERGREEN ブルーマイスター

REEL:ベイトリール

LURE:EVERGREEN ピッチンスティック

LINE:EVERGREEN バスザイルR 14lb

Tackle3

ROD:EVERGREEN ヘラクレス7

REEL:ベイトリール

LURE:EVERGREEN キッカーバグ3.5inch

LINE:EVERGREEN バスザイルR 16lb

RIG:ヘビキャロ(ゼロキャロ)

メインエリア:東岸,大山浚渫,古渡の杭

 

末永選手TackleData

Tackle1

ROD:ENGINE スペルバウンド サーキットクラス 608T2

REEL:ベイトリール

LURE:Gulp!

RIG:ネコリグ

今回のキモ:サングラスはかけ具合が命です。

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小島選手TackleData

Tackle1

ROD:EVERGREEN HCSC-75H エアリーフリップ

REEL:DAIWA ジリオン100SHL 桜印チューン

LURE:EVERGREEN ダブルモーション

LINE:EVERGREEN バスザイル16lb

RIG:ゼロダン5g

Tackle2

ROD:EVERGREEN TACTICS TCSC-71MH ザ・エクスプローラー

REEL:DAIWA T3 1016SHL

LURE:EVERGREEN ピッチンスティック

LINE:EVERGREEN バスザイル12lb

RIG:1gネイルリグ

メインエリア:古渡

今回のキモ:機械のようにひたすらフリップ!気合と根性!

 

君和田選手TackleData

Tackle1

ROD:EVERGREEN タクティクス ウォーリアライト

REEL:DAIWA ピクシー

LURE:Pro’sFactory PTデヴァイス 1.8g+GaryYAMAMOTO ヤマセンコー3inch

LINE:SunLINE FCスナイパー BMS 10lb

メインエリア:西浦、古渡近辺

今回のキモ:護岸際を丁寧に打つ。リグをゆっくり落としてバスに見せる。

信頼しているスモラバPTデヴァイスでしっかりフッキングできた。

桧原湖に続いて入賞できました。パートナーとしてサポートしてくれるメーカー様に感謝します。

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草深選手TackleData

Tackle1

ROD:ブラックレーベル+ 661MLFB-G

REEL:DAIWA STZ SV6.3R

LURE:ブリッツ EX DR

LINE:SunLINE FCスナイパー 10lb

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