WBSプロ第2戦レポート_2020.912-13


小島貴・早乙女剛チーム
激渋の第二戦を
したたかに釣り抜ける!

一時は開催そのものが危ぶまれた今年のW.B.S.トーナメントだが、さまざまな対策を講じて8月に第一戦を開催することができた。

 

その後、何の問題も起こらなかった。

 

むしろ、実施したことを支持していただける声が大きかった。
選手も釣果に関わらず、試合に参加できたことを喜んでいたようだ。

 

そんな空気に背中を押されて9月12,13日には、2デイの第二戦が行われた。
今回ももちろん、選手・スタッフ全員が抗体検査を経た上である。

2デイの試合となると気分も違ってくる。
本格トーナメントが戻って来た感じだ。
初戦を戦い終えた選手はすでにいつもの感触も戻って試合に臨んだ。

 

イレギュラー開催を余儀なくされた今年は、レギュラートーナメントは3戦のみである。
それでA.O.Y.が決まる。
クラシック出場者も決まる。

やや物足りない気もするが、選手全員にとって条件は同じ。
他のプロスポーツと同じようにショートシーズンになっただけの話だ。
競馬でいえば短距離戦、つまり1200mのレースである。

短距離戦だとスタートダッシュが全てのようだが、実は追い込み馬が勝つケースが多い。

 

さて、そんな第二戦だったが、条件は芳しいものではなかった。
というよりサイヤクだった。

プラに臨んだ選手に聞いても「釣れない」の異口同音。
本来は稼ぎ時である9月の2デイに釣れないのは厳しい。

だから、多くのチームが手探り状態で試合に臨んだ。
最初から拾い釣りに徹する覚悟だった。
早いフライトを引いても喜べない。
何処に行けばいいか確信がないからである。

そんな中でも、確たる信念を持って出て行ったチームもあった。
優勝した小島貴・早乙女剛チームである。

「浅いところのブッシュがらみで絶対の自信がある。だから二日間ともシャローで勝負する」
小島選手はこう語っていた。

だが、そんな小島・早乙女チームにも誤算はあった。
それは初日の爆風。
未明からの雨が上がると、強い風が吹き始めたのである。

第一戦をバスエネミーのノーシンカーで準優勝した小島選手は、今回も当然のようにそれをマネーベイトとして駆使する予定だった。
そこに吹いた爆風。
ノーシンカーはちょっと厳しい。

それでも小島・早乙女チームは
「初日をなんとか凌いで晴天予報の二日目にかけよう」と当初の予定の西浦、そして東浦のシャローで勝負をかけた。
折からの雨で水位が上がっていたことも味方した。

小島選手はフラップクローの5gゼロダンを駆使、早乙女選手は風裏でヤマセンコーのノーシンカーで2本獲り、上がってみれば4本ながら4115gでトップ発進。
上々のスタートを切った。

風が止んだ二日目は迷わずシャロー勝負。
8時前に石田ドックの外でこのチームを発見した時には「まだキーパーかつかつが1本だけです」と語っていたが、陽が上がると古渡に移動してラッシュ到来。

小島選手がバスエネミー4.5の0.9gネイルリグで火を噴くと、早乙女選手はファイブボス3.8 3.5gゼロダンでクォリティーバスを狙い撃ち。
難なく5本4605gを持ち帰り、余裕の優勝を遂げた。

 

こう書くとよく釣れたトーナメントという印象を持たれるだろうが、全体的には渋々だった。
そもそも優勝チームでさえトータル9本でフルリミットはしていない。
準優勝チームもトータル9本。
数では9本が最多である。

単日リミットメイクは初日2チーム、二日目3チーム。
ノーフィッシュは初日8チーム、二日目は7チームというように、
超絶タフゲームだったのである。

そんな中で9kg近いウェイトを刻んだ優勝チームは素晴らしいとしかいいようがない。

「久しぶりにシビれた試合でした。二人で吠えまくりました」
とは早乙女選手の言葉である。

 

二人にとって会心の勝利だったことだろう。

ちなみに優勝チームのメインタックルは以下のとおりである
●小島貴 タックルデータ
Tackle1
ロッド:エバーグリーン ヘラクレスHCSC-66M フォースグランデスLTS
リール:DAIWA アルファスSV
ライン:Evergreen internationalバスザイル マジックハードR 12lb
ルアー:Evergreen international バスエネミー4.5 0.9gネイルリグ

Tackle2
ロッド:エバーグリーン ヘラクレスHCSC-67MH ブルーマイスターLTS
リール:DAIWA タトゥーラ SV TW
ライン:Evergreen internationalバスザイル マジックハードR 14lb
ルアー:Evergreen international Fact フラップクロー 3.3 5g ゼロダン

●早乙女剛 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:Jackall BPM- BC-65M
リール:ベイトリール
ライン:Jackall レッドスプール 16lb
ルアー:Jackall ファイブボス 3.8 3.5gゼロダン

Tackle 2
ロッド:Jackall ポイズンヘリテージ スペックB HBC-66M
リール:ベイトリール
ライン:Jackall レッドスプール 12lb
ルアー:Gary Yamamoto internationalヤマセンコー4 ノーシンカーリグ

 

準優勝はかなり釣れないプラの結果
「デコ回避」を主観にゲームに臨んだ橋本卓哉・高橋朋也チーム
二日間とも「魚が濃くて、地味にウェイトを稼げる」と読んだ小野川上流の「バスボートは居ない」エリアまで釣り上がった。

スピナーベイトをメインにSSギルのダウンショット、HP3Dワッキーなど、徐々にスローダウンさせて着実に釣果を重ねた。

準優勝の決め手は、二日目の帰着間際に土浦の浚渫で「適当に」釣ったキロアップ。
この1本がこのチームを準優勝に導いた。

●橋本卓哉 タックルデータ
Tackle.1
ロッド:DAIWA BL-X LG6101MRB
リール:DAIWA スティーズSLPW
ライン:DAIWA ブレイブZ 14lb
ルアー:DAIWA スティーズスピナーベイト

Tackle.2
ロッド:DAIWA BL-X SG681MH
リール:DAIWA スティーズSLPW
ライン:DAIWA スティーズフロロ 14lb
ルアー:O.S.P SSギル テキサス

Tackle.3
ロッド:DAIWA スティーズ・スカイレイ
リール:DAIWA スティーズAIR
ライン:DAIWA スティーズフロロ 8lb
ルアー:O.S.P HP3DW ネコリグ

●高橋朋也 タックルデータ
Tackle.1
ロッド:ベイトロッド 68UL
リール:ベイトリール
ライン:SUNLINE FCスナイパー5lb
ルアー:IMAKATSUアンクルゴビー3in ダウンショットリグ

Tackle.2
ロッド:ベイトロッド72H
リール:ベイトリール
ライン:SUNLINE FCスナイパー16lb
ルアー:O.S.P ドライブビーバー ジカリグ5g

 

3位タイは初日1本に終わった今井新・鈴木幹往チーム
二日目はその反省も含めて本湖下流を丁寧に釣っていった。
今井選手の必殺ドライブビーバーと鈴木選手のドライブシャッドが冴えまくって、
二日目のトップウェイト4825gを持ち帰った。

●今井新 タックルデータ
Tackle.1
ロッド:エバーグリーン ヘラクレスHCSC-67MH ブルーマイスター
リール:ベイトリール
ライン: サンラインBMS 16ポンド
ルアー:OSP ドライブビーバー3.5インチ(エビミソブラック)
7gリーダーレスダウンショット

Tackle.2
ロッド:Armada AR-C71HST/SS
リール:ベイトリール
ライン:サンラインBMS 16ポンド
ルアー:OSP ドライブビーバー3.5インチ(ブラック)
7gリーダーレスダウンショット

●鈴木幹往 タックルデータ
Tackle.1
ロッド:DAIWA スティーズ フランカー701MHFB-SV
リール:DAIWA スティーズSV-TW
ライン:フロロ 14lb
ルアー・リグ:フェロモンチェリープラス2/0 5g ブラック+O.S.P.ドライブシャッド3.5

Tackle.2
ロッド:DAIWA スティーズ ブラックジャック681MMHFB-SV
リール:DAIWA スティーズCT SV-TW 700SHL
ライン:フロロ 14lb
ルアー・リグ:O.S.P.ドライブビーバー5g フリーリグ

Tackle.3
ロッド:DAIWAスティーズ スカイレイ631MLFB-SV
リール:DAIWA SS AIR
ライン:フロロ 10lb
ルアー・リグ:O.S.P.ドライブクローラー4.5 ジグベットワッキー

同じく3位タイ
二日間とも桜川下流のハードボトムを釣り切った赤羽修弥・金井啓起チーム
初日の朝は当初のプラン通り浚渫を攻めたが、爆風で断念。
試合直前のロケで感触を得た桜川でのスティーズ・フィネスジグが炸裂した。
初日のビッグフィッシュもこのリグに食ってきた

●赤羽修弥 タックルデータ
Tackle.1(3位タックル)
ロッド:DAIWA スティーズ・スカイレイ Power+
リール:DAIWA スティーズAIR TW
ライン:DAIWA スティーズフロロ 10lb
ルアー:DAIWA スティーズフィネスジグ3.5g+スティーズホグ2.2インチ(トレーラー)

Tackle.2(BIG Fishタックル)
ロッド:DAIWA スティーズ・スカイレイ Power+
リール:DAIWA スティーズAIR TW
ライン:DAIWA スティーズフロロ 10lb
ルアー:DAIWA スティーズフィネスジグ4.5g+ケイテック スイングインパクト2.5in(トレーラー)

●金井啓起 タックルデータ
Tackle.1
ロッド:ベイトロッド 166M1
リール:ベイトリール
ライン:DAIWAモンスターブレイブ10lb
ルアー:DAIWA スティーズフィネスジグ3.5g

5位は二日間とも北浦・矢幡、蔵川まで走った関和学・清水和也チーム
雁通川、蔵川の吐出しのマットカバーで関和選手のバックスライド系ワーム、清水選手のヤマセンコーのワッキーで魚を拾っていった。

 

ちなみに二日目のビッグフィッシュ賞は松尾勝哉・小山秀人チームの1475g。
南岸の浚渫で小山選手のネコリグに来たものである。

●小山秀人 タックルデータ
ロッド:ベイトロッド
リール:ベイトリール
ライン:SUNLINE ディファイアPE0.8号(リーダー)
SUNLINE スーパーFCスナイパー8lb
ルアー:ストレートワーム ネコリグ1.4g

こうして第二戦も無事に終わった。
すでに年間暫定ランキングも発表になったようである。
誰がこのイレギュラーシーズンを制するのか、きっと波乱の年に強い「動乱の世」に相応しいプロがその栄誉に輝くのだろう。

 

最終戦は少し先だが、楽しみである。

 

レポート:大和小平

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