10/17 WBS 1st レポート


 

2021.10.17
WBS 1st 小田島悟 メモリアル

このレポートを故・小田島悟氏に捧げます。

 

驟雨・酷寒のゲームを制したのは
富村貴明・ノッピーチーム

西浦銀座を賢く勝ち抜ける

 

なんとか開催に漕ぎつけることができた今年の第一戦にして最終戦。

紆余曲折はあったが、終わってみれば
「やってよかった」という印象しかない。

やっぱりプロは戦ってナンボ。

全選手が今年最初の霞ヶ浦トーナメントに燃えた。

試合で魚を探し、釣る悦びに打ち震えたのである。

10月17日の朝、

いつもと同じようにスタートしていったが、今回はあらためてW.B.S.トーナメントの魅力を感じたことだろう。

しかし当日の状況は過酷を極めた。

暑かった夏は瞬時に過ぎ去り、一気に秋が、そして冬が来た。

10月というのに、シベリア並みの寒さが訪れた。

気温は13℃程度だったが、風が体感温度を激下げさせた。

雨は未明こそ降っていなかったが、6時前に選手がスタートする頃から降り始め、次第に驟雨に変った。

強かった東北系の風の影響で、和田、西の洲、大山あたりの浚渫場はシャッター街。
代わりに、西浦北岸がボート銀座となった。

 


 

表彰式が始まる頃には雨も上がり、小田島氏の追悼式が行われた頃には、青空も顔を見せた。天国の小田島氏の粋な計らいだろうか。

 

そんな記憶に残るトーナメントを制したのは

富村貴明・ノッピーチーム。

5本4440gを持ち込んでの優勝である。

苦節ン年の富村選手だが、

「ずーっと勝てないと思っていたのに、意外にあっけなく勝ってしまいました」

とは試合後の率直な印象だった。

プラから感触は悪くなかったという。

「こうじゃないか」と考えたことを実行してみれば、全部がドハマリ。

前日もポロポロいい感じで釣れて、かなり確信を得たようだ。

 

エリアは西浦北岸と流入河川の河口。

西浦のロックエリアでは数を稼ぐことができ、河口ではビッグフィッシュを狙えるとの手ごたえを得た。

ネタはスピナーベイト、クランクベイトなどの巻き物。

パートナーとの息もバッチリ合って試合に臨んだ。

フタを開けてみればプラン通りに西浦の石系での巻き物で釣れて、リミットメイク。

「撃ちモノは5投で終了。ノンボーターでこんなに巻いたのは初めて」

とノッピー選手も初体験の巻き物劇場に驚いていた模様。

 

そこからビッグを求めて花室川から桜川へ移動。

そこでノッピー選手がハイピッチャーで1600gフィッシュを獲り、優勝を手繰り寄せた。

実はノッピー選手、試合中一本ランディングをミスし、メンタル崩壊。

なんとか釣って借りを返したいと願っていたという。
その執念が実った1600gだろう。

富村選手は嬉しい初優勝。

不調の時期にもめげずにコツコツと努力した姿勢が報われた。

小田島氏にも励まされたという。

恐らく一生忘れられないトーナメントとなったことだろう。

●富村貴明 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:ベイトロッド70M-CR
リール:DAIWA タトゥーラSV TW 7.3:1
ライン:SUNLINE FCスナイパー 14lb
ルアー:O.S.P ブリッツ アメリカンサンフィッシュ

Tackle 2
ロッド:DAIWA エアエッジ 641LB-ST
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:SUNLINE FCスナイパー8lb
ルアー:O.S.P ドライブシャッド3.5 シナモンブルーフレーク1.8テキサスリグ

●ノッピー タックルデータ
Tackle 1
ロッド:DAIWA リベリオン 661MRB-G
リール:DAIWA スティーズ103HL
ライン:SUNLINE FCスナイパー16lb
ルアー:O.S.P ハイピッチャー3/8oz

Tackle 2
ロッド:DAIWA ブレイゾン 641LB-V
リール:DAIWA スティーズ CT TW 700HL
ライン:SUNLINE FCスナイパー10lb
ルアー:O.S.P ハイカット DR F


準優勝は5本4035gを持ち込んだ山本寧・加藤浩道チーム。

プラを4日間行った山本選手、西浦の水がいいという状況を察知して、エリアを特定。

 

 

当日は大風で浚渫は機能しなかったが、ブレイクがらみの岩に得意のクリスタS 3/8を泳がせれば、9時半にはリミットメイク。

キモは水面直下10cmを泳がせること。

そのレンジをキープさせると、バスもキャットもシーバスも何でも釣れたという。

「クリスタルSの強いブレードが魚を食い上げさせる」とは山本選手の弁。

 

クリスタルSを持っていなかったパートナーの加藤選手は、それを見て大いに勉強になったという。

「今回の入賞は、前日からの天候変化、水温低下でメインエリアを早めに見切り、バックアップパターンでリミットメイクする、山本さんのクレバーなフィッシングスタイルがすべて」
と語っていた。

 

熱心なプラを結果に結びつけた山本選手は、トーナメントの充実感を漲らせてお立ち台に立った。

●山本寧 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:Nories Roadrunner HB640ML
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:VARIVAS アブソルート14lb
ルアー:Nories crystal s 3/8 oz +ノガレストレーラーフック#1

Tackle 2
ロッド:Nories Roadrunner nxs 6100H-st
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:VARIVAS アブソルート10lb
ルアー:Nories ガンターオーバルジグ 1/2oz + Nories フラバグ(トレーラー)

●加藤浩道 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:Nories RR 630MB
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:フロロライン 12lb
ルアー:O.S.P ハイピッチャー1/2 ゴールドチャート


3位はプラから好調だった中嶋美直・渕井守チーム。

試合前はテキサスやフリーリグなどで釣れていたが、次第に弱い釣りにしないと魚が口を使わないことを察知して、当日はヤマセンコーのノーシンカーメイン。

西浦の崎浜あたりのソダやシャローを撃って、着実にキーパーを重ねて行った。

●中嶋美直 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:ベイトロッド
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:Evergreen international バスザイル・マジックハードR14lb
ルアー:Gary international 4インチ・ヤマセンコー ノーシンカー

Tackle 2
ロッド:ベイトロッド
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:Evergreen international バスザイル・マジックハードR14lb
ルアー:Evergreen international バスエネミー4.5インチ

Tackle 3
ロッド:ベイトロッド
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:Evergreen international バスザイル・マジックハードR14lb
ルアー:Evergreen international ダブルモーション3.6インチ テキサスリグ5g

●渕井守 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:ベイトロッド
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:TORAY エクスレッド typeNS 13Lb

Tackle 2
ロッド:Nories ストラクチャーST640M-Ft
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:TORAY エクスプレッド9Lb
ルアー:Nories シュリルピン5in


4位は二人で種類の違うスピナーベイトを巻き倒した

大藪厳太郎・小石博明チーム。

 

大藪選手はオリジナルジンクス3/8。

そのブレードのチカラが魚を水面まで引っ張ってくれる必殺スピナベ。

残り少ないストックがいい仕事をしてくれた。

 

パートナーの小石選手はダイワの新製品・アスロック。

これも強いスピナーベイトだ。

エリアは西浦。石系のストラクチャーを効率よく攻めて揃えてから
浚渫エリアへ。

入れ替えはならなかったが、入賞は確保した。

●大藪厳太郎 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:Evergreen international カレイドⅡインパラ
リール:ベイトキャスティングリール6.3:1
ライン:TORAY エクスレッド 13lb
ルアー:IMAKATSU ジンクス 3/8

Tackle 2
ロッド:Evergreen international インスピラーレブラックレイブンSS
リール::ベイトキャスティングリール8.1:1
ライン:TORAY エクスレッド 10lb
ルアー:IMAKATSU タイニーゲンタンホッグ

Tackle 3
ロッド:Evergreen international インスピラーレ ラピッドガンナーRSR
リール:ベイトキャスティングリール8.1:1
ライン:TORAY エクスレッド16lb
ルアー:IMAKATSU ミッキーヘッドジグ1/2oz

●小石博明 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:DAIWA ブラックレーベル 661MRB-G
リール:DAIWA スティーズ SV TW
ライン:DAIWA  Monster BRAVE Z 14lb
ルアー:DAIWA スティーズアスロック スティーズスピナーベイト3/8 1/2

Tackle 2
ロッド:DAIWA スティーズ ブラックジャック 681MMHFB-SV
リール:DAIWA スティーズCT
ライン:DAIWA  Monster BRAVE Z 8lb
ルアー:O.S.P ドライブシャッド ノーシンカー


そして5位は小野川で巻き物と撃ちモノを駆使した

大石智洋・イシケンチーム。

4本ながら3kgオーバーを確保してお立ち台に立った。

●大石智洋 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:Nories ロードランナーHB630L
リール:DAIWA ジリオンSVTW
ライン:SUNLINE FCスナイパー14lb
ルアー:Nories ディーパーレンジ3/8エキップ 1/2+ドライブビーバー4(エビミソブラック)

Tackle 2
ロッド:DAIWA ブラックレーベル FM6101LFB(オンリーワンカスタムVer.)
リール:DAIWA ジリオンSVTW
ライン:SUNLINE FCスナイパー14b
ルアー:DEXバイブレーション

Tackle3
ロッド:グラスコンポジット70H
リール:DAIWA タトゥーラSVTW
ライン:SUNLINE FCスナイパー14b
ルアー:アラバマ系リグ(ワンフックVer.)

●イシケン タックルデータ

Tackle 1
ロッド:DAIWA AIREDGE 671MB-ST-E
リール:DAIWA ALPHASAIR
ライン:DAIWA BASSX14lb
ルアー:O.S.Pドライブビーバー3.5 シンカー3.5g フック2.0 フリーリグ

Tackle 2
ロッド:KEITECH KTC764
リール:ベイトキャスティングリール
ライン:DAIWA BASSX14lb
ルアー:DAIWAスティーズカバーチャター1/4oz


なお、ビッグフィッシュ賞は

崎浜の石積にジャクハンマーを泳がせた松尾勝哉・中澤裕大チームが獲得した。

掛かった時はキャットかと思い、ぞんざいに扱っていたが、バスとわかってテンパッたとのこと。

●松尾勝哉 タックルデータ
Tackle 1
ロッド:DAIWA エアエッジ661MB
リール:DAIWA ダイワ スティーズSVTW
ライン:SUNLINE FCスナイパー10lb
ルアー:Evergreen international ジャックハンマー3/8 +バスエネミー3.5

こうして2021年のW.B.S.トーナメントは無事に終了した。

最初で最後のトーナメントという特殊な事情に加えて、小田島悟氏の追悼トーナメントという側面もあり、W.B.S.の長い歴史の中でも異例のイベントだった。

 

会場には、小田島氏をサポートしていたメーカー各社、SDG Marine様、エバーグリーンインターナショナル様、マリンワークス大山様、アズマバスボートクラブ様から代表の方が会場に駆けつけてくださり、追悼式に華を添えてくれた。

故人の人徳の賜物であろう。

W.B.S.としても氏の功績を無駄にせず、これからもバスフィッシングの隆盛に尽力しなくてはならない、

そんなことを感じさせてくれた身の引き締まる試合だった。

 

小田島さん、
ありがとうございました。
やすらかにお休みください。

 

レポート・大和小平

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