夏の魚、秋の魚・・・
どちらを狙うか!?
答えは





どちらも正解。(今回は)
それが釣りの難しさ、面白さ。




速水孝将・細田浩司チーム
激戦の第四戦に嬉しい初優勝!!


■2011 W.B.S.プロトーナメントシリーズ第四戦レポート


台風12号が去って以来、晴天が続く関東地方。
気温は連日30℃超えで、
数字だけをみれば夏だが、
頬に感じる風は秋。
湖上に出ていれば、快適だ。

そんなタイミングで行われた
2011年WBSプロトーナメントシリーズ第四戦。

2週前に桧原湖戦が終わったばかりだが、
選手の士気は旺盛。

疲労は極致、
サイフはカラ、
家族は冷たい視線と、
三重苦に見舞われても、
「今年いっぱい勝負させてくれ」
それが男の本音。
でなければ、後悔は一生続く。

そんな62名の選手がまだほの暗い5時に
北浦・潮来マリーナに馳せ参じた。



空には厚い雲が。
そして風雲急を告げるような冷たい風が吹いている。

心なしか選手の表情は硬い。
それもそのはず、
この試合を含めて残り3日。

9月下旬に予定されている2デイの最終戦をいいランクで迎えるためには、
ここでハズすワケにはいかない。
消化試合で2日戦うのはちょっとキツイ。
厳しいスケジュールに見舞われた今年のプロ戦。
それだけに直線は一気に駆け抜けたい。

というわけでこの第四戦は
Last but one
いってみれば今年のキーとなる試合。
単なる1デイの試合以上の意味を持って開催されたのがこの第四戦なのである。



試合前の状況を総括すれば、
釣れているチーム、そうでないチームといろいろ。
ただ、まだまだ魚の活性は高く、
フタを開けれてみれば激釣れの展開になる予想も。

果たしてどうなるのか。
富士見池グランプリも無事終わったころ、
運命のウェイインが始まった。



一同、カタズを飲んで見守っていた。
そこへやってきたのがファーストフライトの1番スタート
速水孝将・細田浩司チーム。
なんとっ!!
1750gのビッグフィッシュを交えて
4750gというビッグスコアを持ち込んだ。



いきなりのメガウェィトに釜谷周辺は騒然。
バトカーも出動する・・・までには至らなかったが、
とにかく他のチームを唖然とさせたスコアだった。

「これは今日はドエライことになる・・・」
ウェイイン会場に緊張が走った。

だが、この数字を上回るチームは出なかった。
結果的に速水・細田チームは優勝してしまったのである。



プラの結果から掘割川で心中するつもりで直行。
バラシ、抜けなどもあったがキロを含む2本ゲット。
しかしペースは上がらない。
時計の針は早回しですでに10時。
しかも徐々に減水。

そこで掘割を出て本湖に。
居合のブレイクにからむクイで2本、
「エイヤッ」と居あいぬき。
これで4本。
「行けるぞ」と力が入ったが、
ウェイトは推定3kg。
これではタダの人だ。

勝負に出た速水チームは
帰着30分前に橋をくぐり額賀へ。
目をつけていた生簀跡のアウトサイドにヘビダンを投入。
するとこれがズガンと1750g。
文字通りキッカーとなって5kg近いウェイトを作り上げた。

「まだまだ本湖は夏。夏の釣りを意識した結果です」
と語っていた速水選手。
今年ボーターデビューしたばかりのルーキーだが、
練習熱心な日常がこの初優勝につながったと思われる。

パートナーの細田選手の貢献も小さくない。



速水選手TackleData
Tackle1
ROD:Megabass Orochi X4 F4 1/2-70X
REEL:Daiwaスティーズ
LURE:Megabass ボトルシュリンプ3inch
LINE:Megaass ドラゴンコール10lb
RIG:ヘビーダウンショット5g

Tackle2
ROD:Megabass Destroyer F5-72XRC
REEL:Daiwaピクシー
LURE:Megabass TK-ツイスターjr
LINE:Megaass ドラゴンコール12lb
RIG:バックスライドノーシンカー

Tackle3
ROD:Megabass Destroyer F3-68XRC
REEL:Daiwaピクシー
LURE:Pro'sFactoryPTディバイス1/16oz
LINE:Megaass ドラゴンコール7lb
AnyComment
メインエリア:掘割川、北浦の杭
今回の肝:最後まで諦めない!!



細田選手TackleData
Tackle1
ROD:ベイトロッド702MH
REEL:ベイトリール
LURE:O.S.P. ドライブスティック
LINE:SunLINE FCスナイパー 8lb
RIG:ノーシンカー

Tackle2
ROD:ベイトロッド
REEL:ベイトリール
LURE:Nories クリスタルS シャローロール
LINE:Jackall レッドスプール 12lb




速水チームが夏の釣を意識したのなら、
準優勝に輝いた
村川勇介・稲葉隆憲チームは
「秋の釣り」で結果をだした。



といっても最初から狙っていたわけではない。

水がいい(と思われた)桜川の中流域でゲームをスタートさせたこのチーム。
ところが9時の次点で魚は一本のみ。
かろうじて取材班の目の前で2本目。
予定していたペースにははるかに及ばない。





遠いバイトにふと空を見上げる二人。
「もう秋ですねえ・・」





「秋 !!」

それがキッカケだった。

敢えてタイトキャストを控え、
広く散った魚を狙ってみれば、
これがラッシュを生んだ。
11時過ぎに桜川中流は興奮の坩堝しと化した。
まとめたスコアは4620g。
優勝にも値する数字である。

「シェードなどには入れないようにして、
離れたところでフィーディングに入る魚を狙って
テンボ良く打つのがキモでした」
と村川選手。

「秋は俺に任せろってことで秋っぽい釣りをしたら、ハマリましたね」



村川選手TackleData
Tackle1
ROD:68プロト3番
REEL:ベイトリール
LURE:クローワーム
LINE:DUEL XX 12lb
RIG:テキサスリグ(zappuスーパーすりぬけ5g)

Tackle2
ROD:68プロト2番
REEL:ベイトリール
LURE:高比重ワーム
LINE:DUEL XX 10lb
RIG:ノーシンカー

Tackle3
ROD:68プロト4番
REEL:ベイトリール
LURE:クローワーム
LINE:DUEL XX 14lb
RIG:テキサスリグ(zappuスーパーすりぬけ10g)
AnyComment
メインエリア:西浦周辺
今回の肝:秋と人助け

稲葉選手TackleData
Tackle1
ROD:EverGreen テムジン ガゼル63ML
REEL:Daiwa TD-Z
LURE:Berkley シェイキーワーム
LINE:TORAY 10lb
RIG:ジグヘッドワッキーリグ

Tackle2
ROD:EverGreen タクティクス66L
REEL:Daiwa ピクシー
LURE:ZBC スワンプクローラー
LINE:TORAY 6lb
RIG:ネコリグ

Tackle3
ROD:EverGreen テムジン エアレイド63ML
REEL:Daiwa TD-Z
LURE:Pro'sFactory ユナイテッドジグ1/4oz
LINE:TORAY 10lb
AnyComment
メインエリア:西浦周辺
今回の肝:秋とやれば出来る



優勝が夏の釣り、準優勝が秋の釣りなら
三位の木村信一・小島貴チームはどうなのだろうか。



魚を固めた場所は桜川最上流。(桜川は多くのチームが集結した)
ステイもままならない流れの中から次々と魚を抜きだした。
トータル4520g。

流れの中から、ということはやっぱり夏の釣り。

「どんなに流れていても、
雨の後で濁っていても、釣る自身はあります」
とくに小島選手はこのスポットに絶対的な自信を持っている。

秘密はプロズのラバージグ。
「勝手に魚を呼んでくれます」
というほど信頼している。

朝、ちょっとしたクルマのトラブルに見舞われたが、
周囲の助けで事なきを得た。
そんな人々に感謝の言葉も忘れない小島選手である。



木村選手TackleData
Tackle1
ROD:TENRYU マグナインパクト60L(プロト)
REEL:AbuGarcia レボLTX
LURE:Berkley ワッキークローラー
LINE:TENRYU マグナインパクト 6lbプロト
RIG:ワッキーリグ

Tackle2
ROD:TENRYU マグナインパクト66MH(プロト)
REEL:AbuGarcia レボエリート2
LURE:Pro'sFactory グレート1/2oz トレーラーBerkley バルキーホグ3inch
LINE:TENRYU マグナインパクト 14lbフロロ
Tackle3
ROD:TENRYU マグナインパクト610MHX(プロト)
REEL:AbuGarcia レボエリート2
LURE:Jackall マイキー
LINE:TENRYU マグナインパクト16lbナイロン
RIG:ワッキーリグ


小島選手TackleData
Tackle1
ROD:Daiwa BlackLabel BL-PF701MHFB
REEL:Daiwa Zillion
LURE:Pro's Factory EQUIP HYBRID Great 5/16oz
LINE:フロロカーボン14lb

Tackle2
ROD:ベイトロッド
REEL:Daiwa PX-68L
LURE:ZBC スワンプクローラー
LINE:フロロカーボン10lb
RIG:1/16oz ネコリグ

Tackle3
ROD:ベイトロッド
REEL:Daiwa TD-Z
LURE:O.S.P. ハイピッチャー3/8oz
LINE:ナイロン12lb
AnyComment
メインエリア:桜川、西浦
今回の肝:色々試す。あいかわらずお騒がせしております。
皆さんのお陰です。




4位以下の釣りも実に興味深い。

小野川の中流域の葦を打って4400gをマークして4位に入ったのは
WBSのKATTUNこと
和田勝詳と長谷川修チーム。



バックスライドの葦打ちなので、
これも夏の釣りだろう。



それにしても小野川とは着眼点がいい。
そして長谷川選手との完全分業もうまく機能したようだ。



5位は古豪・赤羽修弥・岡部和貴チーム。
西浦のタテストでビッグフィッシュタイとなった岡部選手の1730gが効いて、
4本ながら5位に。



朝方は苦戦したが、
12時ころからエンジンがかかり、
なんとか入賞ラインまでたどり着いた・・・と胸をなでおろしていた。



岡部選手TackleData
ROD:AbuGarcia Fantasista Deez FDC-69L+MGS
REEL:Daiwa TD-Z105HL
LURE:Berkley パワーホッグ3inch グリーンパンプキン
RIG:ダウンショットリグ



6位は北浦本湖の沖の杭をラン&ガンした
井上泰徳・桂裕貴チーム。



スタート直前にエレキが故障するという
アクシデントを乗り越えての入賞である。



こうして、第四戦は話題も豊富に終了した。
端境期の試合なので、
さまざまなバターンがあるのも当然だろう。

さあ、残りは1試合。
泣いても笑っても、
全てが決まる。



AOYは???
クラシック出場権を獲得する20人は???

尽きせぬ興味に、
第四戦が終わったばかりの今、
考えただけでワクワクしてしまう。

9月の24,25日・・・
運命の最終決戦だ。

レポート 大和小平(やまと しょうへい)