2007.8.26 W.B.S.プロシリーズ 4th. REPORT


栄冠は
スーパーコンビネーションを発揮した
赤羽修弥・中村雅晴チームの頭上に





巧みにキッカーパターンをハメたチームが上位を独占

ことし2回目の北浦スタートによるW.B.S.プロトーナメント。
酷暑の夏を象徴するようにギラギラと照りつけた太陽の下、
30チーム60名が、最終戦を前にした大事な試合に死力を尽くした。
プラからかなりよく釣れていた北浦だったが、
フタを開けても絶好調。
ほとんどのチームがリミットを固めてきたが、
問題はその後。
いかにサイズを上げるかが勝負の分かれ道となった。




選手のみなさんもスタッフの諸君も、
試合の翌日はクタクタだろう。
私も極度な疲労を隠せない。
トシはとりたくないもんだ。
体はダルく、頭がボーッとして、朝から何もできない。
まるで廃人である。
いきなり仕事の人は、さぞや大変だろうとご推察申し上げる……
って、大体の人は月曜から仕事ですね。ご苦労様です。

しかし、今回の試合のように、
ダイナミックな内容を見せ付けられると、
疲れは不思議と心地良いものとなる。
トーナメントレポートの筆もオノズと進むというものだ。



それほど充実した試合だった。
とにかくよく釣れた。
それが第一印象。
30チーム中リミットを揃えたのは25チーム。
実に83%のリミットメイク率。
こんな試合は空前にして、絶後に近いだろう。

プラの時点から、その兆候はあった。
富士見池の布川マネージャーも

「今の北浦は絶好調。2ケタは当たり前。ガイドも楽です」

と眼を細めるほどの釣れ具合。
したがって、多くのチームが

「北浦で揃えて、あとはキッカーを拾って行く」

という作戦に出た。

潮来マリーナからのスタートでは、
30チーム中6チームが迷わずステアリングを左に切った。
確信のあるウェークが北浦本湖に残った。

また、右に折れたチームも、
すべてがいつものように北利根、常陸利根川を目指したわけではない。
スタート地点から眼と鼻の釜谷あたりで
早々とリミットを揃えたチームもいたようだ。
つまり、いままでは北浦スタートとはいっても、
前述の川がキーを握っていたが、
今回は北浦そのものが重要なファクターを占めたのだ。



8月も末になると、朝はさすがに涼しい。
だが予報ではこの日も真夏日がやってくるとのこと。
風がなければ、日が上がってからは厳しい。
実際、午前中一杯はそよ風も吹かない状況だった。
したがって、モーニングのプライムタイムを有効に釣ることが
最初の関門。
そして、首尾よくリミットを揃えたら、
あとは計画通りに入れ替えできるか、
それがこの試合の最大の決め手となった。

横の動きにクォリティーなバスが反応する秋のパターンか、
それともシェード水通しがキーとなる夏パターンか、
それは当日、ロッドに聞くしかない。

もうひとつ、結果に影響したのは、
「勝つための環境設定」。
優勝、準優勝のチームはともに、
キッカーを掛けて逃さないタックルを準備していた。

優勝の赤羽修弥は
沖目の杭へのロングアプローチにおいて、
巻かれても強引に寄せられるスティーズ・ハリヤーを主戦ロッドに採用。
ストロークの長さとパワーで、
大切なキッカーを杭に巻かれることなく取り込んだ。

また、準優勝の佐藤健は、
食いが浅かったプラの結果を冷静に分析し、
ULのスピニングロッドを導入。
おかげで順調にリミットを達成した。

その反面、
「予定通り北浦でリミットを揃え、
その後は予定通りのスポットで予定通りのキッカーを掛けたが、
バラしてしまった」
という選手もいた。
原因はタックルなのか定かではないが、
明暗を分けたことは確かだろう。

優勝の赤羽修弥・中村雅晴チームの戦いぶりは以下の通りだった。



数日間行ったプラの結果は、
北浦は釣れるが小さい。
比較的ナイスな魚が釣れたのが沖目の杭と沈みもの。
そこで、鰐川、外浪逆浦、常陸利根川をエリアにチョイス。
キーパーを獲りつつ、デカイ魚を狙うという作戦に出た。
実際、当日はプラで良かったスポットで
プラより大きい魚を2本獲ってペースをつかんだ。
「このところ、エリアをしぼって釣り込む展開が多かったんですが、
今回は走り回ってピンポイントを狙っていきました。
中村さんのエリアも良く釣れて、とても楽しかったです」
と赤羽はコンビネーションの効果を力説していた。



リグはテキサスリグとダウンショット。
「テキサスは距離をとって投げました。
ワンアクションで食って、あわせも効かないと思っていたんですが、
ハリヤーのあの長さでランディングできました。
ヘビダンで釣ったのも杭で、一度巻かれたんですが、
竿もラインも耐えてくれて、魚が出てきてくれました。
今回は運もあったんですが、タックルに助けられました。
ラインブレイクとか、針が外れた、とかが全くなかったのが良かったです。
中村さんもよく釣ってくれて、助かりました」

赤羽選手TackleData1
ROD:Daiwa STEEZ ハリヤー
REEL:Daiwa STEEZ 103H Spin仕様
LURE:Berckley パワーホグ4"
LINE:Daiwa TD-LINE アデス14lb
RIG:テキサスリグ

TackleData2
ROD:Daiwa バトラーリミテッド ウェアウルフ
REEL:Daiwa STEEZ 103H Spin仕様
LURE:Berckley パワーホグ3"
LINE:Daiwa TD-LINE アデス10lb
RIG:9gダウンショット

中村選手TackleData1
ROD:TENRYU ランチャースーペリアBC63M
REEL:スコーピオン1001
LURE:Berckley Gulp!パワードーバー(グリーンパンプキン)
LINE:SunLineフロロベーシック10lb
RIG:5gダウンショットワッキー

TackleData2
ROD:TENRYU ShastaBC67MH
REEL:スコーピオン1001
LURE:Berckley バルキーパワーホグ(グリーンパンプキン)
LINE:SunLineフロロベーシック14lb
RIG:5gテキサスリグ


一方、わずか10g差で優勝を逃した佐藤健・鈴木剛チームの戦いぶりは……
プラではいろいろな可能性があったようだ。
ひとつはビッグシェードというか、橋脚。
神宮、鹿行、北浦大橋にサスペンドしている魚を狙うもの。
二つ目は北利根クランクベイトパターン。
そして北浦パターンだ。
結局、一番確実な北浦パターンを採用。
他チームとのバッティングが誤算だったが、
さまざまな北浦スポットをラン&ガンして
深い護岸+ハードボトムで釣った1,450gのキッカーを含むすべての魚を獲った。
メインリグは、H3のネコリグ、ノーシンカー。



佐藤選手TackleData1
ROD:6.6feetUL
REEL:Daiwa
LURE:ウォーカーウォーカーH3
LINE:4lb
RIG:ネコリグ

TackleData2
ROD:6.6feetグラス
REEL:ABU
LURE:クランクベイト
LINE:14lb

TackleData3
ROD:6.6feetL
REEL:ABU
LURE:ウォーカーウォーカーH3
LINE:8lb
RIG:ライトテキサス

鈴木選手TackleData1
ROD:Daiwa U.S.トレイル701MMHRB-G
REEL:Daiwa TD-Z 100M
LURE:Daiwa RPM MID-4
LINE:ナイロン14lb

TackleData2
ROD:Daiwa STEEZ STZ-681MLFS-SV
REEL:Daiwa TD-X 2506C
LURE:GaryYAMAMOTO 4"カットテール
LINE:フロロ5lb

RIG:ノーシンカー
TackleData3
ROD:Daiwa ピクシー661MLFB-04
REEL:Daiwa ピクシー
LURE:Berckley Gulp! ドーバークローラー
LINE:フロロ12lb
RIG:ジグヘッドワッキー



3位に入った折本隆由・山田貴之チームの戦いぶりも見事だった。
こちらは基本的なシーズナルパターンのキモを抑えた。
つまり、シェードと水の流れ。
最後まで正解かどうか確信が持てなかったというが
北利根と常陸利根川で、流れ+シェードを追いかけ、
順調に釣果を重ねていった。
釣り方はジグヘッドワッキーをシェードに送り込み、
ラインの動きでアタリをとるという「簡単なもの」だったが、
キモはワームのカラー。
ブルーフレークがサヨリを引き寄せるのを察知して、
そのカラーを効果的に使用した。



折本選手TackleData1
ROD:NoriesRR ハイブリッドバキューム620LLS
REEL:ステラ300
LURE:エコギアストレート5inch
LINE:DUEL XX 5lb
RIG:ジグヘッドワッキー

TackleData2
ROD:NoriesRR VOICE 680H
REEL:メタニウムXT
LURE:Nories コンポジットツイン
LINE:DUEL XX 14lb
RIG:ネコテキ

山田選手TackleData1
ROD:E.G.テムジンエゴイスト
REEL:Daiwa T.D-X
LURE:ファットイカ
LINE:VARIVAS ガノア16lb

RIG:ノーシンカー
TackleData2
ROD:G-Loomis782GLX
REEL:Daiwa T.D-X
LURE:エコギア 5inchストレート
LINE:VARIVAS ガノア10lb
RIG:ダウンショット

TackleData3
ROD:G-Loomis CBR782
REEL:Daiwa T.D-X
LURE:O.S.P. ブリッツSR,Daiwa RPM MID-4
LINE:VARIVAS ガノア10lb


4位は長岡正孝・柏木健作チーム。
北浦が大得意な長岡選手だけに、今回も北浦でゲームを展開。
潮来マリーナ付近で次々と魚を獲り、ギャラリーの喝采を浴びていた。
当所はキーパー場だったが、
700g平均のナイスな魚に変わっており、
スワンプクローラーのワッキーで
面白いように魚を掛けていった。



5位は鰐川、外浪逆浦、常陸利根川をローテーションして
粒を揃えた小田島悟・早乙女剛チーム。



6位は試合終盤に北浦本湖でラッシュを演じた
平本直仁・佐藤紀之チームだった。



なお、ビッグフィッシュ賞は
北利根のアシから4インチヤマセンコーで
1,460gを引きずり出した
中嶋美直・川口信明チームが獲得した。



中嶋選手TackleData
ROD:PALMS プライド604
REEL:Daiwa リベルトピクシー
LURE:ゲーリーヤマモト ヤマセンコー4inch
LINE:E.G. バスザイルEX
RIG:ノーシンカー

こうして、今年のW.B.S.レギュラー戦も4試合を消化した。
残るは最終戦のみ。
現時点でのランキングを見れば、
とくに真ん中あたりはダンゴ状態。
最終戦はA.O.Y.そしてクラシック出場権をかけて、
血みどろの戦いが予想される。
実に楽しみである。

レポート・大和小平(やまと しょうへい)



なお、同日開催されたデジカメオープンは
ネットメンバー須田夫妻が優勝の栄冠に輝いた。
レポートは後日掲載予定。