2007.6.15-17 W.B.S. JAPAN OPEN SUPER 3 DAYS REPORT
北浦、恐るべし!!
チーム、Oh no!!
大逆転でビッグタイトル獲得!!
拝啓 宮崎友輔様
元気ですか?
エリートシリーズ、
相変わらず頑張っているみたいですね。
いつも、W.B.S.ホームページのフロムU.S.A.に
写真と原稿を送ってもらって、ありがとね。
日本の皆さんも愛読してくれていますよ。
さて、今回は
6月15〜17日にかけて行われた
スーパースリーデイズの模様をお知らせします。
今年は22チームが参加しましたが、
とても白熱した3日間でしたよ。
とくに最終日は手に汗握る展開でした。
私はカタズをグビグビ飲んで見守っていましたよ。
宮崎さんも赤羽さんと組んで出場した頃が懐かしいでしょう。
確かあの時は準優勝だったような……
優勝はご存知のように小野光一プロ率いる
チームOh! No!(小野光一、染谷忠宏、石名智祐)。
ベタなチーム名ですが、
最後の最後に大逆転というドラマチックな幕切れを演じてくれました。
そういえば小野選手は宮崎プロと同じくYAMAHAチーム。
何かの縁ですかね。
ということは宮崎プロもそろそろってことですかね。
ところで、前週に行われたJBトップ50の優勝も小野選手。
小野俊郎選手です。
両者のタイプはちょっと違うけど、
これも因縁めいています。
ただ、トップ50とスリーデイズでは、
セイムウォーターでの試合とはいえ、
レギュレーションやキーパーサイズが根本的に違うので、
まったく別の試合。
参考にはなりません。
試合時間も違います。
宮崎さんもご存知のように、
スリーデイズは5時前にはスタートしちゃうわけですから。
今年、トップ50から数選手が参加しましたが、
みんな、朝一番のプライムタイムを無駄にしないスタイルに驚くとともに、
絶賛していましたよ。
昨年度のトップ50のA.O.Y.赤嶺吉蔵プロを初め、
相羽純一プロ、茂手木祥吾プロ、そして変わったところでは
桂川チカエさんなんかも出場して
文字通り華を添えてくれました。
さて、初日から振り返ってみましょう。
前夜まで降り続いた雨は
スタートの頃には上がっていました。
でも、かなり寒かったですよ。
風もソコソコ吹いていました。
っていうか、けっこう強い感じ。
寒さは日が上がるに従い暑さに変わりました。
10時にはもう夏日でしたね。ピーカンです。
そういえば、入梅宣言が直前に出たばかり。
にもかかわらず結果的には3日間晴天が続いて、
選手を戸惑わせました。
「雨パターン」を組んだチームも多かったと思いますよ。
そして日曜日の岸釣りアングラーとのバッティングも、
晴天ならではの現象でした。
雨が降ったら、岸釣りの人はガクンと減りますからね。
話は前後しますが、
プラではかなりの選手が苦戦していたようで、
あんまり景気のいい話は聞けませんでした。
ですから予想されたのはスローゲームで、
その辺がちょっと心配でしたね。
でも、フタを開けてみたら、これがけっこういい感じ。
初日なんか、5チームがリミットを持ってきました。
それじゃ初日のランキングを見てみましょう。
トップはTeam Spin(赤羽修弥・武恵一)ですよ。
二人で分担してプラを重ね、
流入河川をメインにゲームを組み立て、4,780g。
帰着一時間前に桜川に戻り、
行きがけの駄賃を、とエレキを降ろしたら、
これがウンともスンともいわない。
そんなわけで2時に帰着ですよ。
それでもトップ。
実力発揮ってとこですかね。
息が合う二人ですから、かなり噛み合っている印象でした。
2位はNO-NAME(渡辺尚昭・盛隆弘)の4,280g。
本湖北岸の流入河川が非常にプロダクティヴだったようで、
余裕のリミットメイク。
渡辺選手はその前の第3戦に優勝しているので、
乗ってる感じ。
正直、怖いと思いましたよ。
3位はメガネのスエナガ(村川勇介・末永宏行・仲野信弘)の4,030g。
本湖下流域の、アメリカでいえば大き目のコーブ、
もしくはポケットというんでしょうか、
そこの葦からズガンとナイスなサイズを揃えてきました。
以下はTeam fenwick(平本直仁・相羽純一)の3,950g、
Team Berkley(金光忠実・赤嶺吉蔵・荒木良司)の3,770g。
Team Blackgass(稲葉隆憲・中川 奨)の2,960g。
……こんな推移でした。
あっ、そうそう、参考までに、
結果を先にいうと
優勝チームの初日は2本で1,160g。
順位は16位でした。
人間、諦めちゃいけないってことですよね。
トータルとしてゼロ申告はいなかったんですが、
1尾、2尾のチームも少なくなく、
釣れているとも、釣れていないともいえる微妙な結果でした。
エリアとしては東浦や西浦の流入河川、常陸利根川、本湖下流域などと、
バラエティーに富んでいました。
逆にいうと、決め手がなかったんでしょうね。
一箇所から魚を持ってきた上位チームもいましたが、
試合は3日間。
なかなか3日は持たないですよね。
アメリカでもそうでしょう。
そして2日目です。
これがまた話題の多い日でして、
なんとこの日、水門大開放。
第3戦を一躍難解にしてしまった事件が再び発生したのです。
結果的にはこれが多くのチームを翻弄しました。
天気は良かったですよ。
朝から快晴、微風。
でも、次第に強く吹いてきました。
天気予報では気温は30℃に達するといっていましたが、
風が爽やかなんで、暑さはそう感じない程度でした。
ちょうどカリフォルニアのような、ドライな気候でした。
この日のスタートは早かったですよ。
第一フライトは4時39分です。
ちょうど出島方面に朝日が昇り、
そこに向かってボートがまい進する様は、
本場のトーナメントにもヒケをとらない迫力でしたよ。
アメリカのトーナメントを何度も見た私ですが、
W.B.S.もかなり行けてますよ。
「ちょっと違うな〜」というのは国歌だけです。
アメリカの国歌はバスフィッシングにピッタリですけどね。
この日はかなり成績に変動がありました。
トップウェイトを持ち込んだのは……
出てきましたよ、チームOh! No!。
4,940gという破壊的な数字。
前日のウェイインで
「天王崎まで行ったけど、風が強くて北浦行きを断念。
でも、明日は行きますよ」
といっていたように、果敢に北浦に走り、
5本持ち帰りました。
結果、5位にジャンプアップ。
ただ、この時点では誰もがこのチームを
ダークホース程度にしか考えていなかったのも事実です。
何故なら、
初日3位のメガネのスエナガは
4本ながら3,950gを持ち込んで、依然好調暫定トップ。
そしてTeam Berkleyも
5本4,010gで暫定2位。
常陸利根川の最下流域でゲームを進めていたこのチームは、
水門開放の影響をモロに受けましたが、
そこはJBナンバー1、
「水が動けばそれなりのポジションどりを考えるだけ。
水の動きが出て悪いスポットもあれば、良くなるスポットもある。
その見極めでアジャストできるんです」
というように、順調にキーパーを重ねていったんですね。
そしてTeam Spinもしぶとく2,930gを搾り出して暫定3位と、
強豪が上位にひしめいていたからですよ。
暫定4位になったチームEVIS(小島貴・伊藤一樹・星洋行)も侮れません。
5本4,910gを持ってきました。
また、タイフーンAチーム(大藪厳太郎・小黒章三)も
4,430gを叩き出して、暫定6位にジャンプアップ。
最終日への望みを繋ぎましたね。
初日のMCの「不調ですね」という言葉に発奮したようです。
こうして
2日間終わって、暫定トップがトータル7,980g。
最終日は時間が短く、プレッシャーも倍加するので、
どうでしょう、トップと2.5kg差のBBMAXキムショー(木村翔太・矢口悟司)
あたりまでがギリギリ逆転圏内と見られていましたね。
ですが、トップ5は錚々たるメンバー。
これらがみんなコケるとはとても予想できません。
ですから、優勝は
暫定 1位 メガネのスエナガ、7,980g
2位 Team Berkley 7,780g
3位 Team Spin 7,710g
4位 チームEVIS 7,110g
これらの7kg以上確保したチームの中から出る……
それが周囲の一致した意見でした。
宮崎さんだったら、どう予想したでしょうか。
さて、翌日は運命の最終日。
ドラマが起こった日です。
この日も天気は良かったですよ。
朝から快晴。夏日になりました。
まあ、宮崎さんにこういうことをいっても
釈迦に説法でしょうが、
最終日の戦略はとてつもなく難しいものです。
とくに優勝のチャンスがあると、偏差値70です。
気楽に釣れればなんてことない水でも、
「優勝」の二文字を意識すると、
とてつもなく難しくなってしまいます。
最初の一尾をスムースに手に出来れば、
あとは簡単ですが、
出来なければ……
2年前の「大山サッカー部」になってしまいます。
ましてや今回は、2日目の水門開放の影響が
最終日に顕著になりました。
常陸利根川や北利根では水は落ち着いたものの、
本湖下流域では30cm減水。
40cmのシャローが10cmに下がってしまうわけですから、
これはもう致命的。
2日目はナントカ誤魔化していたチームも、お手上げ状態。
典型がタイフーンAチーム。
シャローが壊滅状態になったので
「沖の沈み物にシフトせざるをえない」と方向転換。
ビッグフッィシュはモノにしましたが大逆転は夢に終わってしまいました。
また、メガネのスエナガも、
2日間のメインエリアが減水で陸と化してはお手上げ。
わずか1尾のウェイインに終わりました。
Team Spinも同じこと。
「今回は減水にやられました」
との述懐のように、最終日は桜川で1尾とったのみ。
「今日はゼロ申告を覚悟しました」
というほどの不調に見舞われちゃいました。
だが、悪いチームばかりではなかったですよ。
O.S.P-ASUKA(草深幸範・中村昭彦)は
リミットメイクの4,020gを持ち込みました。
初日、2日目のミスを反省。
この日は東浦、本湖下流域、西浦を巡りノーミス。
ファットイカとヤマセンコーを徹底的に打ち込んで
執念の5本。
初日、2日目のミスがなけ「れば」……
とは誰でも思うことです。
でも、草深選手は着実に成長していますね。
社長のおかげでしょうか???
また、チームS.W.B.(松村寛・渡辺学)も
最終日に時ならぬ爆発を見せましたよ。
4本3,590g。
松村選手、スランプ脱出かと思わせましたが、
ほとんど渡辺選手のバズベイトに出た魚とか……
前述のようにこの日は爽やかな晴天で、
いいスポットには岸釣りアングラーがギッシリ。
エリアの縮小に悩んだチームも多かったようです。
というわけで、前述の上位チームの成績は
暫定 1位 メガネのスエナガ、7,980g +300で8,280g
2位 Team Berkley 7,780g +720で8,500g
3位 Team Spin 7,710g +720で8,430g
4位 チームEVIS 7,110g +1,290gで8,400g
と、そろいも揃ってコケてしまったのです。
「まさか」という事態が起こってしまったのです。
さあ、そこでクローズアップされたのが、
この日も北浦に行ったチームOh! No!。
なんと、2日連続のリミットメイクで2,930gを持ってきちゃったのですよ。
これは大変なことになりました。
全22チーム中、唯一北浦でゲームプランを組み立て、
ほぼエリアを独占して、飄々と釣りを楽しみ、
結局、トップに立ってしまったのです。
優勝ですよ、優勝。
しかもスーパースリーデイズというビッグタイトル。
クラシック権ゲット。
このチームの作戦は
潮来マリーナ付近の石積みとジャカゴをクランクでトレースして、
クランクで当たったところをノーシンカーで置いておくというもの。
そうすると高い確率でもう1匹ぐらいバイトしてきたといいます。
クランクベイトはラッキークラフトのシャロークランク。
フォローは4インチカットテールのノーシンカー。
動かしちゃうと食わないんで、放っておくと勝手に持っていったとか。
「釣れた場所で粘ったこと、それが勝因」といっていました。
カットテールのノーシンカー……じれったくて、なかなかできない釣りです。
立派だと思いますよ。
小野選手も上位チームのすべてがコケるとは思っていなかったらしく、
上位に食い込めればいいかな、なんて気楽に釣れたことが勝因でしょうか。
そんな意味では、プレッシャーというものは、ホント、
とてつもなく試合に影響するものですね。
逆に、最終日をトップで迎えていたら……
これも「タラレバ」ですかね。
今年のスリーデイズはこんな感じで終わりました。
あっ、忘れていましたが、
ビッグフッィシュは初日が
四大欲! パン&マー坊(斎藤匡宣・山口将司)の1,590g。
ファットイカのノーシンカーで西浦で釣ったものです。
2日目がBBMAXキムショーの1,640g。
花室川からドーバークローラーのジグヘッドワッキーで引きずり出したもの。
そして最終日がタイフーンAチームの1,640g。
本湖の沈み物からパワーホグ5インチで釣ったものです。
さて、こんな感じの今年のスリーデイズ、
宮崎さんの目にはどう映ったでしょうか。
私には、チームOh!no!の勝因を考える時、
初日、北浦行きを断念したにもかかわらず
玉造で獲ってきた2本1,160gがやけに光っている気がして仕方ありません。
やっぱり積み重ねって、大事ですね。
宮崎さんも、少しの出遅れで諦めないで、
これからもナイスなゲームを展開してください。
最後に、入賞者のタックルデータを付けておきます。
参考にしてください。
●初日ビッグフッィシュ賞
四大欲! パン&マー坊
ROD:Nories ロードランナー6100H
REEL:ベイトリール
LURE:ファットイカ
LINE:DUEL フロロ16lb
RIG:ノーシンカー
コメント:ゴミ拾いの御褒美でした。
●2日目ビッグフッィシュ賞
BBMAXキムショー
ROD:Daiwa バトラーリミテッド ラプター'03
REEL:Daiwa リベルトピクシーシルバーマイカ(左)
LURE:ガルプ! ドーバークローラー(改)
LINE:SunLine FCスナイパー10lb
RIG:ブラッシュイージー1/32oz#1 ジグヘッドワッキー
●最終日ビッグフッィシュ賞
タイフーンAチーム
ROD:E.G.テムジン ガニングシャフト電撃
REEL:Daiwa TD-Z
LURE:バークレイ パワーホグ5インチ
LINE:TORAY S.Hプレミアムプラス16lb
RIG:テキサス
●3位
Team Spin
ROD:Daiwa バトラーリミテッド フランカー
REEL:Daiwa STEEZ103H Spinチューン
LURE:ゲーリーヤマモト 5”ヤマセンコー
LINE:Daiwaアデス12lb
RIG:ノーシンカー
Tackle2
ROD:Daiwa バトラー フランカー
REEL:Daiwa TD-Z105HL Spinチューン
LURE:ゲーリーヤマモト 4”ヤマセンコー
LINE:SunLineBMS14lb
RIG:ノーシンカー
●準優勝
Team Berkley
ROD:Daiwa バトラーリミテッド ブラインダー7MH
REEL:Daiwa TD-ZML Spinチューン
LURE:バークレイ バルキーパワーホグ3インチ(シナモンブルーフレーク)
LINE:バークレイ バニッシュトランジション14lb
RIG:テキサス
Tackle2
ROD:Gamakatsu ラグゼサーミス666H
REEL:Daiwa TD-Z
LURE:ケイテックモデル・+ガルプ!ウィングトレーラー
LINE:バークレイ バニッシュトランジション12lb
Tackle3
ROD:Gamakatsu ラグゼサーミス756S
REEL:Daiwa TD-Z
LURE:ガルプ!シェーキーワーム5インチ
LINE:バークレイ バニッシュ5lb
RIG:ジグヘッドワッキー
●優勝
チームOh!no!
ROD:Fenwickエリート66ML
REEL:Daiwa TD-Z
LURE:LuckyCraft
Tackle2
ROD:Fenwickエリート66MH
REEL:Daiwa TD-Z
LURE:ゲーリーヤマモト6.5インチor4インチ
RIG:ワッキー
レポート・大和小平(やまとしょうへい)