清水綾プロ プレスアングラーレポート 辻谷 薫
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今年のクラシックは、20回目というメモリアルゲームに相応しく、
清水プロと小田島プロの2名のクラシックチャンプ誕生、
という劇的な結末で幕を閉じました。
今回はそのクラシックチャンプの一人、
清水綾プロにプレスとして同船させていただきましたので、
その2日間をレポートします。
初日
夜明け前からの暴風雨によりスタート延期を余儀なくされましたが、
本部、選手会、そしてプレスの意思確認後、
予定より2時間あまり遅れてスタートすることに。
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スタートすると直ぐに雨が上がり、
先ほどまで待機していたのが何だったのかと思わせるように、
陽まで差してくる天候に変わっていました。
ファーストエリアは本湖東岸にある消波ブロック帯。
ここはプラの時点から水がよく、巻物で釣れていたそうで、
この日はクランクからスタート。
消波ブロックに対し角度を変えながらクランクを通していきますが
バイトは無し。
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その後、このエリアを見切り、というよりは巻物を見切り、
隣接するヒシモエリアに移動。
ここではダウンショット、テキサス、ノーシンカー、
スピナベをローテンション。
そして10:30浮草の下から待望の1本目をキャッチ。
これはテキサスで乗らなかった魚を、
センコーノーシンカーでフォローを入れて手にした1本で、
清水プロも「すごいスローだ。」と状況判断。
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しばらくして同様のパッチエリアがあるという玉造に移動。
しかし水が悪く、そのまま本湖東岸を南下しながら小移動を繰り返します。
全体的に水の悪いフィールドコンディションでしたので、
風がプロテクトされ比較的水が良い場所を選んでは、
丁寧にリグを打っていくガマンの釣りが続きます。
が、バイトは得られません。
清水プロも「(スタートが遅れ)時間が短いと
いろんなことを試せない。正解を見つけられない」
とコメント。
その後、和田に移動すると、思いのほか
水の良い状況で期待が持てましたが、
ここでもバイトは遠く、
結局この日は1本を手にしただけでウェイインすることとなりました。
初日の結果は650gで、トップと2,780g差の15位でした。
2日目
小雨の降る中、3番フライトというスタートの利を生かし、
向かったのは和田でした。
和田は昨日水が良いことを確認していたエリア。
「魚はパッチの中から外を向いていて、喰ったら中に入る感じ。」とのことで、
パッチの周辺をダウンショット、
テキサスをローテーションしながら打っていきます。
小雨、適度な風、前日より高い水温と、好条件が揃い、
釣れる雰囲気に満ちていましたが、バイトは得られず移動。
7:54。昨日も入った本湖東岸のヒシモエリアに到着すると、
やや離れた位置には小田島プロの姿も見えました。
今日はここで長くやることを私に告げました。
7:57。スピードクローの7gテキサスでまず1本目。
幸先のいい感じにも見えましたが、
すぐに小田島プロが釣る姿が目に入ります。
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この光景を見て清水プロは、
小田島プロが朝一からこのエリアで
数本釣っているのが容易に想像できたためか、
「ダメだ。釣り負けてるな」と一言。
その直後、小田島プロに負けじとバイトを得ましたが、
ヒシモから抜きあげられたのは50アップの雷魚でした。
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乗れそうで乗れない雰囲気の中、
小田島プロがこのエリアから出る姿が見えました。
すると、ここから一気にラッシュがかかります。
8:38に2本目を手にするとわずか20分後の
9:01にはすでにリミットメイク。
そして入れ替えはなりませんでしたが
9:06に6本目と、30分足らずの間に5本を手にしました。
リグは全てスピードクローの7gテキサスで、
パッチの外をスイミングさせる釣りでした。
小田島プロの釣りとの違いについて、
清水プロによると、小田島プロはパッチの中、
清水プロはパッチの手前を打っており、
小田島プロが獲った魚よりサイズが良いのでは? とのことでした。
ここで入れ替えを目指す前に、5本の魚をバネばかりで計量することに。
するとなんとこの時点で約4,580g。
昨日のウエイトを考えると、かなり上位に食い込めるのでは?
という期待がありましたが、清水プロは小田島プロが釣っている姿や、
ローライトの状況下で「このまま晴れなければみんな揃えてくる」
と、釣っているのは自分だけではないという判断をしていました。
この後、このエリアで時間を費やしますが、
キャッチできたのは入れ替えとならないサイズの2本のみ。
清水プロは意外にも入れ替えをしたことが無いそうで、
この日も『夢の入れ替え!』という表現を使っていましたが、
なかなか入れ替えには至らない状況でした。
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サイズが落ちてきたのを見て、このエリアを出ることに。
そして同じようなパッチエリアを廻りましたが、
何もなく本湖を後にします。
帰着前に矢幡ワンドに寄り、
テキサスで9本目を手にしますがこれも入れ替えとはならず。
そしてここでタイムアップ。
『夢の入れ替え!』はできませんでしたが、
充実感に満ちた表情が見られました。
ウェイインすると、この日の清水プロのウエイトは4,620g。
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トータル5,270gで先にウェイインしていた小田島プロと同ウエイトで
2名が暫定トップ席に座ることに!
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私も清水プロがステージ上にいる間は見守ろうと思い、
蒸れ蒸れの長靴とレインギアを脱がずに、
ウェイインショーを見ることにしました。
その後、初日の上位陣が続々とウェイインしますが、
予想外のローウエイトが続き、トップは依然変わらない状況。
そしてとうとう最後の一人、蛯原プロを残すのみとなりました。
蛯原プロのウエイトが告げられると、大歓声が沸き起こる中、
清水プロと小田島プロの両者トップが確定し、
クラシック史上初のフィッシュオフに!
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インターバルもほとんどなく、
私も慌しくボートに乗り込み直ぐにランチング開始。
そして制限時間1時間のフィッシュオフ。
清水プロ、小田島プロが向かった先は、
この日共に最後の1本を手にした矢幡ワンドでした。
矢幡ワンドに着くと、北岸に小田島プロ、
南岸に清水プロが陣取り、
お互い見える位置でフィッシュオフが開始されました。
清水プロにとって矢幡ワンドは駐艇場の関係もあり
『庭』とのことでしたが、ピーカンに変わった秋空の下、
そして、あまりにも短すぎる1時間という時間では、
バイトを得るのは容易ではなく、
あっという間に帰着の時を迎えました。
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そして本日2度目のウェイインショーへ。
フィッシュオフは、トップウエイトでクラシックを終えた者が、
大観衆の前で一瞬にして敗者に変わる。
そんな少々残酷な感じもしましたが、
そうこうしているうちに先にウェイインした小田島プロがノーフィッシュ申告。
そして清水プロもノーフィッシュであったため『両者優勝!』という
誰もが納得のいく感動的な結末となりました。
清水プロに同船させていただいた2日間、
釣りの話やその他いろいろとお話させていただきました。
印象的だったのは、2日目の釣れていた時のこと。
どういう状況でバイトを得ているという説明はもちろんですが、
そこから導き出された昨日の反省点を冷静に語っていたことでした。
昨日は何がダメで朝からどうすべきだったか。
もちろんその時点でやり直せるものではなく、
その仮定が正解かどうかもわかりませんが、
このように振り返り、ケーススタディーを積み重ねることが、
その後の釣りに確実に活かせている!そう感じました。
そしてそのような思考の積み重ねが、今年年間9位、
そしてクラシック優勝という結果をもたらしたのだと思います。
プレスは何度か経験させていただいており、
始めはプロの丁寧かつ正確なキャスト、
アプローチにただ驚くばかりでしたが、
今回は目に見えるテクニックもさることながら、
改めて魚を探す過程、面白さ、
そしてその技術というものを見させていただき、
大変大きな刺激を受けました。
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最後になりますが、
このような機会を提供してくださいましたWBS関係者の皆様、
その他関係者の皆様、本当にありがとうございます。
そして清水プロ、小田島プロ、優勝おめでとうございます。
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