村川勇介プロ プレスアングラーレポート 佐藤政義



「中止かな〜?」大雨の中、
頭の中にそんな考えを持ちながら、
雨具と着替えを大量に積んだ車で東関道を潮来に向かい、
5:00過ぎに潮来マリーナに到着。

レインウェアを着込み本部へ向かうが、
ますます雨脚が強くなってきました。
本部に着く頃には、くるぶしまで水が!?
本部がなんとびっくり冠水していました。
レインウェアと長靴を新調しておいて良かった〜!
(購入を許してくれた奥さんに感謝ですm(__)m)。

天候の回復を待ち8時を過ぎてからトーナメントスタート。
村川プロから「安全に配慮することが1番。
それに帰りを待つ家族がいる身だから」
と言われ法定備品であるオレンジのライフジャケットを着用することに。



ドックから出ると霞ヶ浦本湖に向かうため右へターン。
激荒の湖面にバスボートを走らせる村川プロ、
横にいる自分には「怖い〜」と言う感情しかありませんでした。
シートにしっかりと身体を押し付け、
北浦を抜ける頃には波も落ち着き快適なクルージングへ。

最初のスポットに到着。
その頃には雨風もおさまり薄日が差し込み、
釣りをするには絶好の天候になっていました・・・。
が、湖面はドチャ濁り。
近くの水門からは茶色い水が濁流となって流れていました。



村川プロがプラクティスで好感触を得ていた場所だったようなので、
テキサスリグを中心にひと流し・・・
生命感ナシ・・・
水門からは相変わらず濁流が・・・
「移動!」

村川プロは早めに見切りをつけて、
第2のスポットにボートを向けました。
「霞ヶ浦ってさ、毎日が日替わり定食だよ。
プラでの良い印象をバッサリと断ち切る勇気も必要だよね」

この村川プロの何気ない一言に象徴されるように、
その日その時を釣っていくのが村川プロの強さの秘密かもしれません。

第2スポットに到着。
村川プロから晩秋〜初冬にかけて
バスが集まりやすい場所と告げられました。
風は微風。水質も良好。多数のベイトも水面近くで確認できます。
複雑な要素が絡み合うスポットをテキサスリグで攻めていきました。

が、ノーバイト・・・



次はスピナーベイトで攻める!
ノーバイト、
スローにノーシンカーで攻める。
リグを替えながら攻めるが時間だけが過ぎていきました。
ノーバイトのまま再度移動。
この頃、時計の針は既に11時を指していました。

第3のスポットも第2スポットと同じ様に
複雑な要素が絡み合うシチュエーションでした。
このスポットに着いてからは全くの無風となり、
気温も上がり湖面も鏡のように穏やかでした。
村川プロはノーフィッシュ、ノーバイトの中でも
焦りを見せることなく淡々と釣りを続け、
時には自分に向けて笑い話等をしてくれたり、
プロトロッドの話や村川プロ独自のワームセッティングや
リグで実践している工夫などを教えてくれながら釣りをしていました。



第3スポットをテキサスリグで一通りチェックして
反応が乏しいと判断し、
「移動! さっきの場所に戻って時間までやり切る!」
村川プロは急いでシートに座りボートを走らせました。
全速力で第2スポットに戻った時は既に正午を過ぎていました。

村川プロが手にとったリグはテキサスリグ、
ひと流している最中に小さなバイトが・・・。
無情にもワームに歯形がびっしりと付いて帰ってきました。
「ん?食いが渋くなったか??」
一瞬のバイトだったが村川プロはそこで何かを感じたのでしょう、
すかさずダウンショットリグを手に取り、
もう一度丁寧に釣りを開始しました。

答えはすぐに!!
ダウンショットを投げ始めて数投目でバイト!
しっかりとフッキングをして抜きあげた魚は待望のナイスキーパー。
長い沈黙を破り本当に貴重な一匹をライブェルに入れてがっちりと握手。
このとき時間は12時40分をまわっていました。



そこから村川プロの怒涛の追い上げが始まったのです。
一匹目を釣り上げてから10分後、
再び30cmのキーパーサイズを追加。
村川プロは「あと3匹、あと3匹」と祈りながらスポットを丁寧に攻める。
すると13時10分、今度はロッドが大きくしなった!
慎重にファイトしてランディングされたのはキロアップの綺麗な魚体。
村川プロはガッツポーズ!



ライブウェルに魚を入れるとすぐグにロッドを握り直し
ダウンショットリグを投入。

13時15分、再度バイト!
村川プロがフッキングするも痛恨のフックオフ・・・。
僕から見た魚体は今までとは違うグッドサイズ!

村川プロがフックを見て
「伸ばされた・・・。こんなの初めてだよ・・・」。
非常に痛いミス。
まさに「逃した魚は大きかった」が、
ここで落ち込みを見せなかった村川プロでありました。

リグを慎重に結びなおし再度、釣りを開始。
それから5分後、村川プロのロッドが再び大きく弧を描いた。
慎重なファイトの末に姿を現したのは、
綺麗な魚体のキロフィッシュでした。

ここまでの時間は約40分。
長い長い沈黙を破る「秋男」の名に恥じない村川劇場を
目の前で堪能する事が出来ました。

これで4匹。リミットまで残り1匹だが帰着を考えると時間が本当に無い。
すでに13時20分を過ぎ。潮来マリーナまでの距離を考えると、
もう戻らなければならないのではと考えていると村川プロが、
「あと20分!ギリギリまでやる!」との一声。
村川プロは覚悟を決めてそのエリアを釣り続けました。
その後もバイトが何度かあったのですがキャッチできず
惜しくも4匹で釣りを終えました。



帰り道、村川プロのバスボートはエンジン全開ノンストップ!
帰着時間ギリギリで潮来マリーナに戻ってきました。



今回、同船させていただきトーナメントでのプレッシャーの中で、
「悩まない心」「焦らない心」「諦めない心」の三心を持って、
戦う村川プロの姿を見ることが出来て本当に感動しました。
2011年AOYである村川プロに同船させて頂き嬉しく思います。
2012年の活躍も期待しています。
村川勇介プロお疲れ様でした!