狩野 敦プロ プレスレポート 竹内聡
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<DAY1>
暴風雨で迎えた大会当日の朝。
エンジンを新しく載せ換え、
更に凶暴性を増した狩野選手のボート「バレット」は、
その半面、荒れた湖面に弱いといわれている。
風雨が吹きすさぶ状況下でのスタートは、
不安材料になると感じていた。
しかし時間がたつほどに風雨は収まり、
8:00を回ったころにスタートが宣告。
そう、湖面が吹き荒んでいる時のことだった。
「プレーニングする前に、刺さるだろうな」。
と狩野選手に言われ、
パンツの替えはコンビニで買えばいいかな、とか
防水性のないカメラは今日が命日かな、とか。
いろいろと考えを巡らせていた私は、
救われることになった。
まだ少し波の立つ北浦を北利根に向けて南下させ、
最初に入ったエリアは霞ヶ浦の最南端に位置する北利根川。
スタート時間が大幅に遅れたこの日、
北利根川を釣り上がり、
「お庭」ともいえる洲の野原を目指していくのが
狩野選手のとったプランだった。
北利根川は狩野選手自身が開発したクランクベイトの
プロモーションでは撮影にも使われており、
得意とするエリアといえる。
そう、狩野選手はイマカツより今年初夏に連続してリリースされた
スケアブローと霞ジャカジャックという
2大シャロークランクのデザイナーでもあるのだ。
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ファーストキャストは霞ジャカジャック。
着水後、初動の身をよじるような大きな動きによって、
魚への威嚇モードを触発させることに長けているルアーだ。
春&秋でのテストではBIGバスを連発したばかりでなく、
昨年冬から、新春にかけたテストにおいても
極寒の霞ヶ浦でバイトを連発したという。
この日もその期待に応えるべく
1kgフィッシュを早々にキャッチ。
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そして一旦、北利根川を出て本湖南部を西へ、
洲の野原のチェックにはいった。
しかし、今朝方までに降り続いていた雨により、
洲の野原エリアに流れ込む河川の水は濁流となっており、
この日は不発に終わってしまった。
タフな状況と判断した狩野選手は、
クランクを時折キャストするものの、
メインルアーを現在開発中のオマタスティック(仮称)へと移し、
エリアも北利根川へと戻す。
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バックスライド系に新風を起こすべく、
新たに開発を進めているというこのワーム。
スライディング能力はもちろん、
マテリアル特性を活かしたカバーへのすり抜け性能もかなり高い。
まだ葉の残す枝ぶりのいい流木と鉄骨の
混合ストラクチャーに送り込むと、
翌日につながる1本を追加することができた。
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<DAY2>
スタート時間を大幅に遅らせた初日にくらべ、
実釣時間が長くなった2日目。
狩野選手は前日よりも早いタイミングで
洲の野原に入っていく。
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初日こそ濁流の影響によってノーバイトに終わったが、
霞ヶ浦でもTOPクラスの魚影を誇る洲の野原。
ここまでノーバイトできた狩野選手からは、
逆転を狙うならここしかないという思いが
ひしひしと伝わってくる。
開発中のオマタスティック(仮称)を手にし、
延々とキャストを繰り返す狩野選手。
キャスト&ピックアップだけの時間が流れる。
「釣れへんな〜」と口元に苦い笑みがこぼれた瞬間、
ラインがおもむろに走りだす。
ひげ付き?
溜めに溜めて出た強烈なバイトは
霞名物、BIG亜米利加猫魚と思わせるほどの
ロッドのしなりを見せる。
水を割ったその姿は紛れもないブラックバス。
しかも、デカい。
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ここで狩野選手名物、パートナーいじりがさく裂する。
「タケ(魚を)とれぇええー」
「いやいやいやいやいや無理っす」
「なんのためにBプロやってんねんっ、いいからとれぇええー」
「いやいやいやいやっ(そこBプロ関係ないですから/小声)」
「関係あるわぁー」
(聞こえてんのかいっ、てかっ
クラシックのランディングで冗談やらんでぇー(心の叫び))
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テンションが高い時ほど、狩野選手は同船者へのいじりを忘れない。
そして、恐ろしいほどに地獄耳なのだ。
しかし、こんな冗談のようなやり取りが原因ではないと思いたいが
結局、バラシという結果で幕を迎える。
合掌 チーン♪
そんなわけで、魚は獲らなかったが写真はしっかり撮っていた私。
この魚のバラシを帳消しにできるのは
お立ち台の真中に立つこと以外考えられない。
結果として、初日のクランクに対し、
二日目は開発途中のオマタスティック(仮称)をメインリグにして、
1200gフィッシュを筆頭に2400g/3本。
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2日間トータル4310g6位でこのクラシックを終えた。
TOPとの差はわずか950g。
「あの魚がとれていれば」。
トーナメントにおいてそんなシーンは日常茶飯事の出来事。
プレスアングラーとして面白いのは、
勝敗のターニングポイントとなるところはもちろん、
そのまま崩れてゆくのか、見事立ち直るのか。
その全てを余すことなく見届けられることであろう。
そして狩野選手は勝利にこそ絡めなかったものの、
立ち直るために必要なことを見せてくれたように思えてならない。
「粘り強く投げ続けること」である。
この粘りは、長年選手として培ったものなのか、
或いはこの粘りがあるからこそ現役を続けていられるのか。
いずれにしもて狩野選手のメンタル面の強さは、
2011シーズンの活躍に見て取ることができるだろう。
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そして、そんな狩野選手が、
粘りに粘って開発を進めている新作ルアーは、
今後も続々とリリース予定という。
霞デザインとともに狩野選手の2012シーズンは
ぜひ注目していただききたいと思う。
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〜了〜
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