麻生洋樹プロ レポート 



初日 プレスアングラー河手崇

大会初日、潮来マリーナは大雨、大風に見舞われた。
6時フライトの予定はキャンセルされ、
時間を変更して試合開始に向けて準備を開始。



ところが一旦ドック内にボートを降ろして準備を開始したものの、
全員陸に上がって待機するように、との指示が出たために
全員マリーナの事務所に引き上げることに。
 その後も一向に風雨は収まらず、
状況の好転が見られないまま時間だけが無為に過ぎていく。
そこで選手、プレスでミーティングを行い、
全員の意志を確認した上で開始と終了の時間をずらして
大会を決行することになった。
 
麻生プロのフライトは16番。
潮来マリーナのドック内からスタートして本湖方面を目指すが、
途中外浪逆浦に立ち寄った。
その理由を聞いてみると、
「当初本湖方面でプランを組み立てていたものの、
この時点で変更を余儀なくされた。
競技時間の変更は時間短縮だけでなく、
最大のチャンスである朝マズメの時間を失ったことと、
本湖方面に行くにはスローダウン区間を通ることによる到着時間の遅れ、
さらにフライト順も遅いため先行者に狙ったエリアに入られている可能性...。
これらの理由で、スタート直後に魚を獲っておかないと
『終わってしまう』と考えたのでここに立ち寄った」とのこと。
しかし、残念ながら外浪逆浦ではプラン修正の甲斐無くノーバイト。
 
次に麻生プロは当初のプランであった本湖方面へ移動。
このころには風雨とも完全に収まり、湖面は静けさを取り戻し、
夏を思わせる陽気になってきた。
本湖・麻生に到着した麻生プロは、
目星を付けていたジャカゴのエッジをスピナーベイト中心に探り、
さらにフォローベイトを入れ、そしてまた移動を繰り返していく。
今回の試合を戦う麻生プロの戦略は、
このスピナーベイティングとビッグエスケープツインや
バグアンツなどのホグ系ワームによるカバー、ストラクチャー打ちの2本立て。
麻生から岸伝いに東岸を北上していったが、
10時が過ぎ、11時になってもまさかのノーバイトという想定外の状況に、
麻生プロもこの時点では「厳しい。」とこぼすよりほかなかった。
 
そして麻生艇は玉造に到着。ここでは陸でワカサギが釣れているようで、
ベイトがいるということで期待が持てるエリアだった。
そして11時45分、「来た!」。



麻生プロのロッドにバスがヒット!この魚を逃してなるかと、
フロントからリアデッキに移動し、慎重にランディングした麻生プロが
何度も雄叫びをあげ、拳を握りしめる!



45cmオーバーの素晴らしいバスだった。
「朝からジャカゴをメインに攻めてきたが、
当日は本当にタフコンディションで、
バスからの反応が全くと言っていいほどなかった。
魚はいるはずだが、場所、水、風、光。
これらがリンクして初めて口を使う、そんな状況。
そんな中、このタイミングでこそ、という場所に入り、
ピンポイントを通した自信のクリスタルS・ディーパーレンジで
キャッチしたこの魚は、霞水系、そしてこの条件下では
本当に価値ある1匹。」と麻生プロ。
その言葉には安堵とともに、確かな重みが感じられた。
 


その後もスピナーベイトをメインにゲームを進めていったものの、
追釣はならず。
次第にソフトベイトを中心にしたゲーム展開にシフトしていった。
玉造を後に北上を続け、東浦の流入河川前に到達。
しかし、雨による土砂流入によって水の色がダメであることを見るや、
再び麻生方面へとって返し、帰着時間ギリギリまで粘り
最後まで自分のゲームで攻め続けたが、悔しいワンバイトがあったのみ。
 
ウエイインの結果、1,530gで初日のビッグフィッシュ賞を獲得。
1フィッシュながらトップとの差は1900gで、十分上位を、
さらに優勝も狙える9位に付けて麻生プロは初日を終えた。
 

DAY2 プレスアングラー 伊藤 巧 

初日ほどの大雨ではないものの、二日目も雨の降る朝。 
麻生洋樹プロに同船させていただくこととなりました。
初日にビックフィッシュ賞となる
1500オーバーのバスをキャッチしている麻生プロ。 
どのような展開で二日目を戦うか非常に楽しみでした。
 「今日は勝負に出るよ」と麻生プロ。 



霞ヶ浦本湖へバウを向けます。 
初めに入ったエリアはビックフィッシュエリアとして自信のある、沖の杭。



クラシックで優勝する為にビックフィッシュのみを対象に勝負をかけるとのこと。パラマックス5inのテキサスリグのスイミング、
エスケープリトルツインのテキサスリグで
横の動きと縦の動きで杭を攻めます。 
バスからの反応はなく、次に入ったのは葦の沖に石積みが並ぶエリア。
クリスタルS3/8ozでチェック。 



なかなかバスからの反応はありませんが、
麻生さんの集中力は途切れることなく、
淡々とルアーをキャストし続けます。 
途中、ドック周り、石積み等を周りながら、水をチェック。 
キャストをせず、風の当たり方、水の状況等を短い時間で把握し、
アプローチする必要がないと判断。 
一気に東浦へ移動します。 
ここで目をつけたのはワンド状に形成された葦エリア。 
明らかにベイトも多く、水も良い。 
クリスタルS3/8ozで葦際をトレースすると、バイト! 
が…まさかのバスのバイトミス。 
同じストレッチをバグアンツのテキサスリグで流しなおします。 
「この状況ならまだバスはいるはず…」 
と感覚からバスの存在を確信しているのかスローダウンで攻めます。 



が、今日のバイトは遠く、
バイトミスした魚も二度目のアタックはありませんでした。 
その後も要所要所、機能しているエリアを周りながら
試合時間を全力で戦いましたが、
残念ながらノーフィッシュという結果に終わってしまいました。 
が、試合時間内という短い時間で早く状況を把握し、
次の釣りへシフトしている麻生さんの姿を見て、
この迅速な判断能力があるからこそ、
広大な霞ヶ浦水系で行われているWBSトーナメントで、
年間2位という結果を出せるという事を肌で感じることができ、
勉強になる一日でした。