2010 W.B.S.プロクラシック19


村川勇介  プレスアングラーレポート 初日 矢口 匠



初めてのプレス参加でしたので緊張しましたが、
終わってみると大変充実しており楽しめました。
ありがとうございました。
では当日のレポートです。
 
桜川 6:10~7:20
先スタートのボートが4艇、スピードを落とし順番に桜川へ。



橋脚にて3投目でネコリグにバイト、タメを作ってフッキング。
1匹目をゲット。
周辺で粘り、細かなバイトがあるもののフッキングには至らず移動。
 


東浦 8:00~8:50
東浦まで大移動し、ノーシンカーやスピナーベイトで丹念に探る。
待望のバイトが何度かあるものの、掛かりが浅くフックアウト。
鳥とベイトの動きを非常に気にしている様子。
 


牛堀 9:20~10:30
ベジテーション等をテキサスリグで探る。
表層でバイトを得るがフックアップせず。
テキサスでもバイト、ノンキー。
牛堀周辺で粘るもバイトも遠のき移動。
 


牛渡 11:10~11:30
ダウンショットリグで待望のバイト、
強烈なバイトも無念のキャットフィッシュ。
その後も何度かバイトがある様子だがフッキングミス・・・。
 
桜川 11:50~13:50
水の透明度が高く、ワームカラーチェンジ。
下流~中流域のストラクチャーを中心に粘る。
ネコリグでキーパーキャッチ2匹目。
その他、バイト多数。
 


土浦新港周辺 13:50~14:20
ノーシンカーのピッチング、反応なし。
ここでタイムアップ。
帰港。
 

感想
今回、プレスアングラー募集を見て参加しようか正直迷いましたが、
結果的には参加して良かった!と言うのが正直な感想です。
希望していた村川プロに同船することができましたし、
試合中も気を使っていただき、楽しい時間をすごすことができました。
広大なエリアをバスパートでフルスロットルで操縦しながら、
ポイントを絞り込む技術や魚をかけてからの素早い取り込み等、
タフコンディションだからこそ試される村川プロの高い技術を、
間近で見ることができ大変勉強になりました。



可能であれば2日目も乗りたかった!
参加したことで刺激を受け、
自分でも船舶免許を取得してみようと思います。

矢口 匠



村川勇介 2日目 古田ひろよし

「Confidence(確信)」




バストーナメントの戦い方は、大きく分けると2つになる。
ひとつは、そこにいる魚を根こそぎ釣ってしまうスタイル。
もう一つは、魚のいそうな場所を探し求めて、
延々と移動しながら1尾ずつ加えていくスタイル。
多くの選手は、この2つのスタイルを上手く組み合わせて数を揃え、
もしくはハカリとにらめっこしながら、
より大きな魚をライブウェルの中に貯めていくのだ。

村川勇介選手には、昨年の初日に同船させていただいた。
そのときは、前記のミックススタイルで4位。
そして今年は、2日目に乗せていただくことになった。

初日の成績は1,320g。
トップとは約3kgと、逆転するにはかなりのウエイトが必要。
しかし初日に4選手がノーフィッシュとなるほどの厳しさだ。
昨年とは少し置かれた立場が違い、確実に高ウエイトが必須となる。
6番目のフライトでバウを向けた先は東浦。
昨年とは違うエリアへとスロットルを開けた。

この場所は、最近はあまりマークされておらず、
プラの時や初日も入る選手もほとんどいなかったという。
しかし村川選手は、プラの時も初日もここでいい魚を獲っていて、
期待感が最も高いことからファーストチョイスのエリアにした。

到着してすぐにタックルを手に取る。
ルアーはストレートワームにネイルショットを差し込んだ
早めのフォールのノーシンカー風リグ。
するとあっけなく答えが出た。



到着5分後の6時20分。
700グラム前後の魚だ。
「ちょっとサイズが下がった。入れ替わっちゃったかな…」
とはいえ、撃つ場所はまだたくさんある。
試合も始まったばかり。



この場所は、魚が身を潜めそうな場所と、
出てフィーディングしそうな変化があり、
ボトムはオフセットセッティングのストレートワームさえも
ひっかかるような障害物も感じられるスポット。
7時5分、つながった岬の先端へと向かった。
ここでの狙いはフィーディングに来るバス。
鳥が来るタイミングがいいというが、
スピナーベイトを巻き続けても気配なし。
30分経たないうちに、元のエリアへと戻った。
そしてこの日の釣りスタイルを決める魚が来た。

8時15分。2尾目。



最初の流しではノーチェックのスポットだ。
「ここで釣れたということは、まだ撃つところがありますねぇ」
確かにこの日は、初日とは違う薄曇り。
バスのいる場所も少し変化している可能性がある。
この魚をきっかけに、エリア内をさらに丹念に探ることにした。

エリアを流していくと、途中に角があり、そこをまがると岸に。
岸ではへら師の方が釣っているので、際まで近づくことはできない。
その曲がり角の近くに、捨てアミが浮かんでいる。
「ここで釣れなきゃ釣れないですよね」
といいつつワームを落とすと、ひったくるようなバイト!
巻かれないように気を付けながらランディングした魚は、
待望のキロオーバーだ。



宣言通りに9時ジャストに釣った3尾目により、
村川選手は粘る踏ん切りがついた。
いいスポットなので、何度も流し続ければ、
新しい魚が入ってくるタイミングにあたる確率が高い。
村川選手の中にコンフィデンスが生まれた瞬間だ。

その後、往路は際にストレートワーム、
復路は沖のクイをスピナーベイトでという感じで流してみたが、反応がない。
しかしあまりじっくりやりすぎると、プレッシャーがかかりすぎるので、
10時にいったんここを離れる。
向かった先は霞ヶ浦大橋の下流側にあるクイ群だ。
下流側に入ると、上流側には別の選手が。
他にも選手の往来する姿が見える。
クイを撃つのは1時間と決め、1本ずつ探るがいっこうにアタリがない。
少し早めの10時45分に、元のエリアへと戻った。

先ほど、攻め続けるとプレッシャーがかかると書いたが、
これは選手自身にとっても同じ。
ワンキャストごとに期待がふくらみ、
空振りに終わるとそれがストレスになる。
攻めれば攻めるほど、選手の精神状態は追い込まれていく、
といっても過言ではないだろう。
それを振り払うのが、エリアに対するコンフィデンス。
村川選手はそれを得ていた。

そして11時50分、待望の4尾目をキャッチした。



ここに戻ってから約1時間。
何回同じコースを往復しただろうか。
まさに絞り出した1尾は、これもキロオーバーのグッドフィッシュだ。
残り1尾でリミット達成。残り時間も約1時間。

そして、この場所を離れなければならない時間も迫りつつあった12時48分。
5尾目のバイトがロッドに伝わった。
極限のプレッシャーを跳ね返すようにランディングした魚は
これもキロ近いサイズ。
リミット全部をここで捻出し、このエリアでの釣りを終えた。



帰り道、意外にも湖面は穏やか。
タイムロスもなく走ることができ、
途中で何カ所かチェックして、土浦新港へと戻った。

今回、村川勇介選手の粘りとど根性を見ることができた。
同時に、選手としてのプレッシャーもありありと伝わってきた。
2009年とは違う展開でやりきった2日目の成績は5,600g、
入賞へは一歩届かなかったが、2日目の最高ウエイト。
単日トップという立派な成績で、充分見せ場を作ったのではないだろうか。



村川選手、本当にお疲れさまでした!