2009 W.B.S.プロクラシック18


浅井 由孝 プレスアングラーレポート 竹内 聡

2009年4月、W.B.S.2nd.北浦戦。
私は、同じ駐艇場を利用しているのだけれど、
浅井選手との同船はこの時が初めてだった。
そしてお互いが初となるW.B.S.優勝を経験。



記憶にも記録にも残ることになった選手の一人、浅井選手。
あらためてその釣りを拝見したいと思い、
クラシックのプレスとして同船希望者に、
浅井選手の名前をあげさせていただいての今回の同船です。



DAY1
フライト順は13番手。
スタートすると北岸伝いに東へと向かい
東岸に近づくと今度は南へと進路をかえる。
浅井選手のバレットは霞ヶ浦屈指の高速艇。
「ハエー!」と思っていると、
みるみる東岸に近づいて、風裏に入ると更に加速、加速、加速…。
私はフルフェイスのヘルメットを、
持ってこなかったことに後悔することで
実感することになってしまった。

さて、桜川では叩き合いになること、
プラクティスでは州の野原がポロポロだが釣れていたことを
判断しての州の野原入りだと語ってくれた浅井選手が、
ファーストポイントで選んだのは、
浅井選手にとってもホームともいえる州の野原。

ところがここまでの全開走行がたたってか、
妙技水道のスローエリアでオーバーヒートの警告音が鳴ってしまい、
妙技水道の葦打ちから初日の釣りはスタートした。

ノーシンカーを丁寧なフリッピングで
100mほど流すがノーバイト。
エレキを上げ、州の野原へと入る。



州の野原にはいって、また葦打ちをつづけていく浅井選手。
30分で100mほど進むゆったりとしたペース。
そして、一流し目を終えようとしたとき、待望のバイト!

7:00
実釣を開始してから1時間半をたっぷりと超えていた。
キーパーラインをギリギリ超えるバスだ。
浅井選手の顔にこの日はじめての笑顔がこぼれる。



そして、手早くライブウェルに魚を入れると、
再び倒れ葦の隙間を丁寧に落としていく。

そして8:00を前に同じストレッチで
ファーストフィッシュとさほど変わらない魚を1本追加する。
朝晩の冷え込みが影響しているのか、明らかに食いは渋い。
やはり厳しい感じだなと思っていると、
「もしかすると、もっと(情況が)いいかもと思ってきたけど
ま、この時間で2本釣れていればOKだね」。

そういって納得したような表情を見せる。
2時間淡々とフリッピングをしつづけてきた
浅井選手の結論は移動だった。
どうやら水温が上がるタイミングを待っていたようだ。

妙技水道へ戻ると、視界に捉えられる範囲だけでも、
狩野選手、山田選手、千葉選手が同じ側のストレッチを
かなりの距離を置いてはいるが並んでいる。
対岸には今年のスーパー3DAY’Sで優勝を勝ち取った松村選手。
更に、浅井選手が流している先の葦の陰からは村川選手が現れた。
州の野原の奥には、まだ蜂谷選手がいるはずなので、
実に、出場選手中1/3近い選手がそこに終結していたことになる。



それだけ、ポテンシャルをもったエリアなのだが、
浅井選手は州の野原・妙技水道に見切りをつけ、
迷わず西浦の北東岸側へ走る。

鉄板の手前に沈みものがあるエリア。
ノーシンカーのワッキーで流し、折り返してスピナーベイト、
更に折り返してテキサスで撃ちつづけていく。
淡々とした時間が流れる。

そして、スピナーベイトで流しなおして折り返し地点まできたとき、
水面下に見えている石積みをルアーが通過すると同時に
ロッドが一気に絞り込まれる。
この日、初めてバックシート側まできてランディングした魚は
キロフィッシュ確実のグッドコンディションのバス。



1時間以上で1度バイトがあるかないかのこの日、
ライトリグへシフトせず、
スピーナーベイトで追加した1本の価値は高い。
優勝戦線につながる可能性を秘めた1本だからだ。



写真に収めてからの浅井選手の表情が変わる。
この時点ではまだ可能性がわずかに広がったにしかすぎない。
後2本がどうしても必要。そして絶対に釣る。
そんな浅井選手の気持ちが伝わってくるようだった。

結果としてこの後、エリアをエビオダへと移し、
ノーシンカーで2本を追加。
リミットメイクとなった1本は13:00を少し回っていた時。
なんとか時間までにたどり着いた。そんな、浅井選手の思いが
同船して見ているだけでも感じることができた。
浅井選手の表情からも、朝一番の時とはまた少し違った、
ホッとするような小さな微笑みがもれる。


DAY2



初日は、半数近くの選手がリミットメイクを果たしていたが、
逆に1本orノーフィッシュの選手もほぼ同数存在した。

霞ヶ浦を拠点にするプロアングラーの中でも
年間シリーズで上位入賞した選手だけが参加を許されるW.B.S.クラシック。
選手ごとの選択の違いがどのようなものかはわからないが、
選手それぞれにとっての「正解」が、
容易に導き出せるものでなかったことは想像に難くない。

そのことを象徴するかのように2日目にリミットメイクできたのは
赤羽選手、小野選手、和田選手の3名のみ。
それに対して1フィッシュorノーフィッシュの選手は、17選手という結果。

そして、浅井選手も初日以上の厳しい冷え込みに対応してか、
初日にリミットを揃えられたエリアを終日撃ちつづけるが、
ノーフィッシュ。17選手の内の一人となってしまった。



厳しく結果が求められるプロ選手においては
浅井選手の2日目の結果は、
「ノーフィッシュ」の一言で片づけられてしまう。
しかし、その過程の全てを見ることで、そこにあったわずかな差、
そしてそこに気づけなかった口惜しさといったものを、
選手とはまた違った視点で、肌で感じることができたのは、
プレスアングラーの醍醐味だと今回の同船で感じることができた。

そしてそれは、ただひたすらその時を信じて、
真摯に丁寧にキャストを繰り返す浅井選手だからこそ、
感じられたものであると思う。
クラシックで勝ちたいという思いの強さ、
そして、それに向かって取り組む姿勢というものをみた気がした。



WBSの選手の層は厚い。
その中にあって2010年、再びお立ち台の上で、
09.2ndを上回るマイクパフォーマンスを
浅井選手が見せてくれることを楽しみにしたい。



2日間の両日とも、私が湖上で眠りに落ちてしまったことを、
「イビキがキャストのリズムにマッチして釣りがしやすかった」と
フォローしてくれた浅井選手。
フォローだったのかどうか少し微妙な気もしますが、
熱いゲームをみせていただいたことを
この場をかりてお礼申しあげます。ありがとうございました。





■クラシックパーティーレポ■
初日の夜に全参加選手とスポンサー様、運営スタッフの皆様、
そして2日間プレスをする方たちが揃ってのパーティーがあります。

はじめて参加した2008年は少し緊張していたこともあって、
知り合いの方としか話をできなかったのですが、
今年はプレスアングラーとして初参加された方たちとも交流ができたので、
とても有意義な時間を過ごすことができました。
W.B.S.のクラシックがなければ決して知り合うことのなかった人同士が、
お酒(お酒のめなくてもOK)を飲み交わせる場があるということは、
本当にすばらしいことだと思います。



で、

誰も書かないと思うから書いちゃいます。
まぁ、お酒が出るので酔っ払う選手もいたりします。
酔っ払って転がって、ビデオの巻き戻しのように、
自分から転がってきた場所に転がりながら戻って…、
その結果、手に持っていたメガネを壊して、
翌朝、「何でめがねが壊れているの?」と
色々とわからなくなっている選手もいたりします。
私から見たらその方はとてつもなくBIGな方で、
それとなく冷や汗を流しながら書いてるので名前はご勘弁下さい。



そんなわけで、クラシックには本気で勝ちに行く熱い選手しかいないのですが、
ある意味お祭り感もあるのがクラシックと、
大笑いもさせていただいたりしながら楽しませていただきました。



選手とそうでない人たちとの交流の場を可能な限り増やして、
人と人とのつながりが広がっていく…。
それがW.B.S.をまた別の角度から見た一面です。
そんなすばらしい一時を共有させてくださった皆様に、
心から感謝したいと思います。ありがとうございました。

竹内