2008 W.B.S.プロクラシック17


平本直仁プレスアングラーレポート  辻谷 薫



W.B.S.プロクラシック17に
平本プロのプレスアングラーとして
参加させていただきました辻谷です。

平本プロは、今期後半3戦連続入賞で年間4位と、
今一番魚が見えているという印象があったので、
どのような釣りをするかとても楽しみでした。

初日、スタート前に、
「プラでは釣れているから期待してて!」との言葉が。
やはり好調さが続いている様子でした。
8番フライトで向かった先は桜川でした。
平本プロが選択したエリアは、
中流部の岩盤や橋脚、ハンプ等でした。

6時に小雨の降る中で釣りを開始し、
6時14分にスモラバ+シャッドシェイプ4インチの
フォーリングでファーストフィッシュ。



「思ったより反応無いな。」と言いつつも、
6時33分に同じリグのスイミングで2本目。



その後、シェイキーワームネコリグのスイミングに変えて
間もなくの7時8分に3本目をハンドランディング。
いいリズムでウエイトを伸ばしていきました。



スイミングについて、
「底から少し切るくらいのところをスイミングさせる」
とのことでした。
わずか1時間で3本キャッチした巧みなテクニックを、
平本プロは「セコ釣り、ちょんちょん釣り」などと言っていましたが、
ロッドワークやリトリーブスリードなど間近で見れるのは、
プレスの特権だと思いました。



流れが弱くなってきたのを見て、桜川を後にし、
備前川河口に移動。
ラバージグでフリッピングを繰り返すと、
すぐにバイトがあり4本目をキャッチ。
ブッシュの奥の奥に、正確にジグを送り込む、
キャスト精度の高さがもたらした1匹でした。



その後、雨は上がり曇り空の下麻生の石積みに移動。
スピナーベイトとラバージグをローテーションさせながら、
「ラバージグで石周りを狙いたいけど、
石周りは晴れていないと魚が付かないので釣れない。
魚が散っているとスピナーベイトがいいんだけど、早くて喰えない」
と説明してくれました。

そこで、あまり釣れた実績の無いという
すぐ横にあるリーズの中にラバージグを送り込むと、
バイトがあるもバラシ。
このバラシがいい緊張感を呼び、さらにラバージグを入れていくと、
グッドプロポーションのキロフィッシュが一気に抜き上げられ
待望のリミットメイク。
ここで平本プロとがっちり握手をし、
プレスの私も一緒になり喜んでしまいました。



この時点でまだ10時前。あとは入れ替えをするだけでしたが、
帰着までに数箇所回ったもののバイトはありませんでした。

ウェイインを待つ間、500gの魚を入れ替えたかった、
と言っていた平本プロでしたが、なんと初日トップの成績でした。
まだ手をつけていないエリアを2日目に残しているとのことで、
優勝に向けてとても期待が持てる1日目でした。



2日目、天気は回復しましたが、
前日よりも冷え込みが感じられました。
スタート前、他の選手や関係者の方々に、
優勝を期待する声を掛けられる姿を見て、
平本プロの人柄がうかがえました。
優勝へ向けがっちり握手し、
東の空から昇る朝日に向かって目指したのは、
なんと恋瀬川でした。

恋瀬川に着くと橋本プロが先行していましたが、
お互いのエリアを確認してからボートを進める光景に、
両プロのスポーツマンシップを感じました。



恋瀬川では、「鉄橋下の岩盤でちょんちょん釣りで2本。
日が上がってきたらアシ際や沈み物」
というプランとのことでした。
昨日同様に、スモラバ+シャッドシェイプ4オンチ、
シェイキーワームのネコリグのスイミングと、
ラバージグをローテーションしながらの釣りでしたがノーバイト。

この後、プラで反応のあったエリア数箇所を回るも、
バスからの反応が得られない時間が続きました。



バイトが無い時間が続く中で、平本プロから、
「いかんねぇ、オレ頑張ってるのになぁ」
「何が正解なのかわからない」といった声も聞こえましたが、
表情は明るく、まだまだこれからといった思いがうかがえました。

この日は、前日壊れたバウデッキの魚探が使えず、
他の方から借りたものを使っていましたが、
やはり勝手が違うらしく、
運転席側の魚探の水温や水深を確認するといったことが何度もあり、
プロの選手が水温や水深を確認するタイミングが
おぼろげながらわかりました。



そして10時30分、牛渡沖の桟橋で、
ジグを打ち始めた直後に待望のバイト。
平本プロも後で、
「どの杭だったか、カーブフォールか、フリーフォールかさえ思い出せない」
と言うほど突然の出来事で、
わし掴みしてランディングした魚は見事なキロフィッシュでした。



その後、最後に選んだ桜川に入りましたがとうとうバイトが無く、
最終的に9位で平本プロのクラシックが終わりました。

初日トップたっだだけに残念な結果でしたが、
「プラでやったところを回ってきての結果なので、
負け惜しみじゃないけど気持ちいい。腕が悪いのか…。
俺の順番じゃないのか…」などと話してくれた平本プロ。
この悔しさをバネに、来期の更なるご活躍を期待しています。

今回プレスをしてみて、
雑誌や映像でプロのテクニックを見るのとは違い、
プロの選手と一緒に実際のフィールドと向き合い、
その状況でどのような釣りをしていくか
というのを間近で見ることが出来ました。
これらはプレスでないと体験出来ない事なので、
とても貴重な経験になりました。
今後の自分の釣りにも役立てていきたいと思います。

このような経験をさせていただいた平本プロ、
W.B.S.スタッフの皆様、本当にありがとうございました。



辻谷 薫