2006W.B.S.プロクラシック15

峯村光浩 レポート
プレスアングラー:崎原 労



11/11&12、W.B.S.プロクラシックで
峯村光浩プロの船に同船させていただきました。
同選手の戦いぶりをレポートさせていただきます。

●1日目
新港からボートを降ろしスタートを待つ。
今日のプランを尋ねると「まだ決めかねているんだよね、
ロングドライブするかもしれないから一応ゴーグルは用意しておいてね」。
フライト順は5番目、いったい何処へいくのだろう?
私は興味津々でそのスタートを待っていた。

6:30のスタート直前「恋瀬川まで行く」と私に伝えると、
東浦を目指しフルスロットルでボートをプレーンさせた。
途中、私達を乗せたボートは後続フライトのボートに
1艇、2艇と追抜かれ始める。
最初はプロ戦だけにモンスターエンジンのボートがいるのだろう、
と思っていたが、更に1艇、また1艇と追抜かれて行く...。
峯村プロのボートはハイドラ20FTにエビン225PSである。
いくらなんでもそんなに抜かれるのは、ちょっと...?
不思議に思いコンソールのタコメーターに目をやると4500回転ほど!
確かに回っていない...トラブルか?
当の峯村プロは後続艇を気にしつつも至って平静。
やがてボートは、霞ヶ浦大橋をくぐり恋瀬川へ入る。
幸い他の選手は誰も来ていない様子。

7:00、目的のポイントに到着するが運悪く陸っぱりが1人。
峯村プロは空いている対岸側からアプローチを始め、
ファットイカのスイミングからスタート。
一ヶ所のポイントに対し何度もキャストする方向を変えて打ち続ける。
センコー、フラットサイドクランクとローテーションするも反応なし。
聞くと、ココは時間帯によってグッドサイズが回遊してくる場所らしい。
しかし今回は魚の気配が感じられず次へ移動。

8:10に恋瀬川河口沖にある囲みオダへ到着。
ここでは囲みの外側をセンコー、フラットサイドクランクでチェック。

8:40には更に下り、霞ヶ浦大橋のリップラップへ到着。
リップラップ外側をフラットサイドクランクで流し始めると
その4投目に待望のヒット! 難無くハンドランディングに持ち込み1本目。
1キロ弱のナイスフィッシュである。
「よし、あと4本!」気合を入れ直す峯村プロ。



ここで私は朝のスタート航行のことが気になり聞いてみることに...
私:「朝のスタートで早いフライト順でしたが何艇かに抜かれましたよね?」
峯村プロ:「そう?」
私:「エンジンもあまり回していない様でしたので...」
峯村プロ:「船を壊さない様にしてるんだ、壊れたら釣りが出来ないからね」
うん〜、含蓄のある言葉である。
なるほど、「いぶし銀」と呼ばれるわけだと、私は妙に納得してしまった。
その後、魚からの反応が無く移動。

玉造のジャカゴ、出島の一文字とチェックする。
ジャンボグラブのテキサスを淡々と打ち続けるも反応なし。
空からは雷鳴が聞こえ雨が降りだしてきた。

11:30、牛渡へ移動。
鉄の矢板を丁寧にセンコー、ファットイカでチェック。
2回程バイトがあるが乗らない様子。
雨は更に激しさを増してきた。

12:40、石田沖の巨大オダに移動。
オダの中にセンコーノーシンカーを沈める。
突然ラインが走りロッドが絞り込まれる。
1本目から長いこと時間がたったが、待望の二尾目がヒットだ。
しかしデカイ、デカ過ぎる! 70upはありそうだ?
ボート上の興奮は一瞬にして冷めてしまった。
なぜかヒゲがある。キャットである。
峯村プロは、根掛かりを外す要領でラインを引きフックを伸ばしてリリース。

ここで改めて峯村プロのタックルを説明すると、
ベイトロッドのみでラインは全てPEを使用している。
ノーシンカー、テキサスリグ、クランクの全てPEラインを使うとのこと。
なんでも、魚をかけてからのラインブレイクが一番嫌なので
必ずラインはPEを使っているそうだ。

その後、境川河口の付近ブレイク&ハードボトムの絡んだポイントで
最後まで粘ったが、ここでも反応は無く、
初日は1本(940g)で14位に付ける。



<2日目>
天気予報では、木枯らし1号が吹き強風の恐れあり。
主催者、および選手代表らの判断で7時まで様子を見るとの結論になった。
今は風も無く、湖面は穏やかであるが、風のピークは11時前後の予想。
様子を見るとは言っているが、
これでは風が強くなるのを待っているのと変わらない。
貴重な朝の時間を考えるとエリア限定でスタートし、
その後の状況判断により限定解除
(限定解除の可否連絡は本部からプレスへ取る)等の
策が望ましいと私は思えたが。
一方、初日14位の峯村プロはすぐにでもスタートしたいはずなのに、
至って冷静の様子。さすが「いぶし銀」と再確認。

7:30にようやくのスタートとなり、フライトは初日の逆で最後から5番目。
スタート直後、ステアリンクを大きく左に切り、
初日最後にチェックした境川河口付近の
ブレイク&ハードボトムの絡んだポイントへ入る。
おそらく、他のどの選手よりも早く一投目をキャスト。
その後、フラットサイドクランク、テキサスとローテションするも無反応。

8:00には次のポイント、桜川河口のブレイクに入る。
ここもブレイク+αである竹杭が絡んでいる。
ここではセンコーのテキサスでチェック。
しかし、ここも反応無しのため移動。

8:20には石田のアシ際ブレイクへ入り、フラットサイドをキャスト。
数投目に、この日最初のヒット。
慎重にランディングし1本目。
推定1キロのナイスフィッシュ!
初日トップウェイトが3550g、チャンスは十分にある。
強風が吹く前に後4本揃えて行きたいところだ。
しかし、その後のバイトは遠のき移動。



9:45に初日に巨大キャットをかけたオダへ入る。
魚がバスに変わっていることを期待し
バルキーパワーホッグのテキサスを投入するが無反応。
ノーシンカーのセンコーにルアーチェンジするもバスは留守の様子。
この時点から予想していた西からの風が吹き始める。

10:30に桜川へ移動。
デッドスローで上流を目指し橋を数本くぐるりながら、
その橋脚をチェックするが無反応。
さらに西風が強く吹き始める。
体感気温もかなり低くバックシートで何もしてい私は
かなり辛い状況になっていく。
辛いのは峯村プロも同じハズ。だがキャストの精度、
手数は初日から変化が無いことに気付く。

11:20にはブレイク絡みの沈み物を
フラットサイドクランクで丹念にチェックするが、反応無し。
いよいよ風が強くなり、本湖は大変な事になっているのであろう。
他の選手達が、続々と桜川に入って来ている。

11:55いよいよエレキを踏みながらのキャストも、
ままならなくなり近くの鉄パイプにボートを係留しキャストを続ける。
さらに立っているとそれだけで体が風を受けてしまうため、
峯村プロはバウデッキに正座し礼儀正しい姿でキャストを続行。
凄い根性である。



結局、その後は魚からの反応は無くタイムアップ、
峯村プロのクラッシックは2日間トータル2本(1920g)10位で幕を閉じた。

<感想>
初めてのプレス経験をさせて頂き、色々と勉強になりました。
2日間に渡り峯村プロを見て感じたことは、
とにかく釣りが丁寧だということ。
キャストの精度は当然ながら、
根掛かり一つ外すのにも場荒れさせずに回収を試みる。
試合中、私が峯村プロに「こんなに丁寧な釣りをするなんて驚きました」
と伝えると、峯村プロは「僕なんかまだ、荒い方だよ。
他のプロは、もっと丁寧だからね。
プロと言っても一般のアングラーとやっていることはさほど変わらない。
ただ違うのは、どれだけ丁寧な釣りが出来るかだよ」
と話していたことがとても印象に残りました。

2日間バックシートからの観戦で釣りはまったく出来ませんでしたが、
得る物は多くまた是非参加させて頂きたいと感じました。
普段の釣りからのステップアップを考える人は
是非このプレスに応募してみてはいかがでしょうか?

これにて、峯村プロの2006W.B.S.プロクラシック15のレポートを終わります。
ありがとうございました。