2006W.B.S.プロクラシック15

平本直仁 レポート:プレスアングラー 山本 淳

【DAY1】


平本プロのスタート順は後ろから2番目。
先発の選手達が本湖へ一直線に走って行くのを確認した平本プロは、
桜川へと右にステアリングを切った。
調子が良かったというハンプへ入り、
普段はしないというライトリグで攻める。
開始して間もなくダウンショットにヒット! 
がっ、バラしてしまう。
しかし、ここから驚異の粘りで、最初のヒットから40分後に
ジグヘッドワッキーで30cmを搾り出す。
雷が鳴り出したので第2ポイントである古渡へ移動となった。



幸いにも平本プロが狙っていたポイントは先攻されていなかったのだが、
ヘビーダウンショットに反応はない。
第2の刺客であるサスペンドシャッドで
杭際をタダ引きする作戦に切り替えると、
推定900gの良型がヒット! 
ただ、「もう1ヵ所行きたい。」ということで、
粘らずに第3ポイントの州の野原に向かった。

ポイントへ入るタイミングが冴え、誰ともバッティングしないのだが、
結局、州の野原での釣りは空振りに終わった。
そこで最初に釣った桜川へ舞い戻る。
この時、時計は既に12:46。
最後まで粘り抜いたものの、ここでも反応はなく、
初日は2本(1320g)で10位につけた。
最初にバラした1尾が悔やまれる。

【DAY2】
スタート時間が遅れたことと西寄りの強風が吹くことを考慮して、
この日は桜川で1日粘ることになった。



初日と同じハンプに1番乗りして、
同様のライトリグで釣り始めた。
意外なことに水温も下がっていない。
すると開始早々ジグヘッドワッキーに30cmがヒット! 
そして昨日と同様の驚異的な粘りで、
最初のヒットから50分後にヒットするも、バレてしまう。
それから執拗に攻めつづけるが開始から2時間半たっても反応なし。
すぐ上流に見える橋脚へ移動となった。

橋脚では昨日900gを誘い出してくれたサスペンドシャッドに
2匹ヒットしたのだが、どちらもバラしてしまった。
「こんなことしてるようじゃ、絶対に勝てない」
と自らに喝を入れる平本プロだったが、
この頃になると本湖から他の選手達が入ってきたので、
ポイント移動もままならなくなってきた。



例のハンプで釣っていた選手が移動したのを機に、
素早くハンプへ舞い戻る。
すると?開始から10分後にジグヘッドワッキーで
30cm強の魚を仕留めることに成功。
しかし、この頃になって西風が次第に強くなり、
ライトリグでは思うような釣りが展開できない状況になってしまった。
結局、それから魚信はなく、平本プロのクラッシックは幕を閉じた。



【感想】
平本プロは基本に忠実であり、そして釣りが実に丁寧だ。
1投も無駄にならないよう細心の注意を払っているし、
自分が狙ったポイントではしつこいくらいにルアーを通す。
普段、私は粘る釣りを一切しないので、
1つのポイントをあれほどまで丁寧に釣るのは予想外で、とても驚いた。
そしてまた、散々ルアーを通した後にも関わらず
釣れてしまうバスの気まぐれさにも驚いた。
何かのタイミングで食ってくるのだろうが、
それが何なのか今もさっぱり分からない。
しかし、自分の予想外のことを生で体験できたのは
プレスアングラーに参加したからであり、とても良い経験となった。

パーティーは食事の内容も良く、
他のプレスの方たちとも話ができたので有意義だった。
ただ、私は霞ヶ浦で釣りをすることがほとんどないため
選手たちのプロフィールがさっぱり分からず、
何か質問しようにも気が引けてできなかった。
会場にはスクリーンがあったから、
誰がどんな選手なのか紹介してもらえれば、もっと良かったのだが。
事前に予習しても、20数名全員はとても覚えきれない。

そして最終日のウェイインは少し寂しかった。
一般アングラー(特に地元釣り少年)の姿が
まばらだったのは予想外だった。
ジャンケン大会であれだけ賞品が出るのに、
少年たちがやって来ないのはなぜだろう?

さて、現在、自分の釣りに疑問を思っている人、
レベルアップを図りたい人には、
このプレスアングラーは絶好の機会だろう。
単に友達の付き合いで参加するなら意味はないが、
そうでないなら参加費以上の収穫があるはずだ。
参加に必要なのは防寒着と体調管理、そして積極性。
2日間、まったく釣りはできないが、
そのデメリットを持って有り余るメリットを受け取ることができるだろう。