World BassSosiety 2004W.B.S.プロクラシック13

金光忠実選手 同船レポート 曽田藍子



超大型台風22号上陸。
今年のW.B.S.クラシックには台風が直撃した。
強行するのか中止になるのか全く予想ができず、
土砂降りの中、一路土浦新港へと向かった。
早朝、新港の門が開けられ、
トレーラーを引いた車が続々と入っていくさまを目の当たりにして、
覚悟を決めた。
「強行するらしい・・・」
門をくぐり、新港の奥に車を停めた。今にもあふれそうな新港。
選手、プレスの集合がかかる。
「本当に大丈夫なのだろうか・・・。」
そんなふうに思っていたら、
吉田幸二氏から、
簡単に言うと“危険満載のため今日は中止!”のお達し。

命あってのものだね です。本当に。

前夜祭と化してしまった恒例のパーティーは、
外で猛威をふるうマーゴンをものともせずに、
相変わらずの盛り上がりを見せていた。
そして選手の方々は、
それぞれが明日の戦い方を頭に思い描いていた。
私がプレスをさせていただくことになった金光選手、
なんとフライト順の抽選で、1番を引き当てた!
いい流れで、明日は頑張りましょう!

二日目。
台風一過でピーカン晴れになるかと思っていたのに、
空はどんより曇り空。
小雨もぱらつき、二日目の開催も危ぶまれた。
しかし、何とか開催が決定し、
今にも水没しそうな土浦新港から順々にボートが降ろされた。
そして、フライト順1番である金光選手のチャンピオンは、
早々に出発の時を迎えた。

スタートの合図とともに一路目標地点に向かった。
湖面には大枝小枝、何かの破片、板っきれなどなど、
マーゴンの落とし物が散在していた。
それらをうまく避けながらようやく目標点に到着。
「状況が全然変わってしまってるけど、
ともかくはいつも通りに攻めるよ」という金光選手。 
果たして吉とでるか凶とでるか。神のみぞ・・・。
初めにねらったポイントは、葦が茂る手前に杭が散在するポイント。
テキサスで、しばらく芦際を攻め続けるが当たりが来ない。
台風一過だというのに、肌寒さも感じられる日であった。
なのに、金光選手はとっても薄着。
「げんを担ぐんだ!」と言って、薄着を強行していた金光選手。
第4、5戦のあたりの薄着をこの日も引っ張っていた。
一番心配だったのは、裸足だったこと! 
対するプレスの私はトータル6枚の超厚着。
一緒に薄着で頑張れるプレスだったら
もっと良かったのかも・・・と、今更思った。



しばらく攻めた後、ポイントの移動を二度行った。
行き着いた先は土浦新港にほど近いシャロー。
台風後の吹きだまりのようになっていて、
波も無く、とても穏やかなポイント。
来るならここだ! そんな気さえした。
普段はほとんど陸地であろうポイントが
ほどよいシャローを形成していた。
しばらく周囲の芦際を攻めた後、
ほんのり日が射したその瞬間、
さっとスピナベにタックルチェンジし、沈んだ桟橋へキャスト!
ビンゴ!!
着水直後にヒット!
昼前、11時過ぎの出来事だった。
サイズはキーパーそこそこだったが、
我慢の時間が長かっただけに、嬉しい一本であった。
桟橋にこすれてしまい、
ちょっと傷ついてしまったバスくん。
なるべく早くライブウェルへ入れてあげた。




その後もそのポイントで時間ギリギリまで攻め続けたが、
後続のバスは上がらなかった。

新港へもどると、選手たちは皆口々に
「ダメ〜〜〜」と言い、
そそくさと上陸する選手が多くみられた。
皆、相当苦労したようであった。果たして金光選手は・・・。

9位。
金光選手はとても言葉少なだった。
「悔しい!」とひとこと言い、
あとは全身から無言で悔しさがにじみ出ていた。
優勝が二本。金光選手が一本。
手の届かない勝利じゃなかったため、
悔しさもひとしおだったのだろうか。
本当にお疲れさまでした。

去年に引き続き、
プレスアングラーに採用していただいたW.B.S.事務局の方々、
船上でいろいろ気遣いをいただいた金光選手、
本当にありがとうございました。

聞けば、金光選手、プロ歴まだ二年というではないですか。
それなのに、クラシック二回出場ですよ。
つまり一年目から連続出場!
今後のご活躍を、心から期待しています。
来期も頑張ってください!