■RPM CRANK その3  


さて今回は、RPMというよりも
シャロークランクをトータル的に考え、話を進めていこう。
何時もシャロークランクの話をするとき、
頭に浮かべなければならないのは
ストラクチャーとセットだということ。



『本物の動き?とは何か』も重要ではあるが、それだけでは無い。
今までスピナーベイトとかテキサスリグぐらいしか
入れ込めなかったレイダウンやべジテーション、
複雑なマンメイドストラクチャー等に、
トリプルフックが剥き出しのクランクベイトを投げ込むことによって
バイトを誘発する。

アメリカのトッププロ達が長年シークレットとしていたメソッドだが、
メディアの普及に伴い隠し切れなくなった。
その後、日本にもバサー誌を中心に、
カバークランクという話題で広まったのだと思う。
私がここで伝えたいことは、クランクベイトの見極め(選び方)を
知ってもらいたいということだ。



究極のフロントライン(最前線)で戦うプロアングラーは、
動きの良いクランクベイトを選ぶのは当たり前だ。
それと同様に重要なのは、
如何にストラクチャーを回避してくるかである。
当然、一級地に有るストラクチャーは、
クランクをキャストした後のフォローにワームやジグを入れる。
クランクベイトが根掛りしてばかりだと、
キャストのリズムが悪くなるばかりか、
シャロークランクを回収に行って場所を荒らしてしまい、
結局フォローすら入れられなくなってしまう。

そこでどんなクランクベイトがカバーフィッシングに有効かというと、
トリプルフックを懐でホールド仕切れるラウンドボディーであり、
ワイドウォブルによってバスにルアーの存在を知らしめることができ、
カバーにコンタクトした時のウォブルとロールがあり、
リップ形状と浮力によってカバーを回避するクランクベイトだ。

ルアー自体がタイトウォブルであったり、
細身だとルアーが翻(ひるがえ)らずフックが剥き出しになる。
リップも小さければトリプルフックを隠しきれないし、
ウォブルも出せない。

私の考えはスクエア系が基本であるが、
ラウンドリップの安定性も悪くはない。
浮力もかなり大切であり、ルアーが根掛りしそうになっても、
その浮力でカバーの上側を回避したり、
根掛ったとしてもラインを弾くことにより
浮力でキックバックを起こし外れてくれるのである。

ルアー自体のピッチは、
岸すれすれにいるバスやストラクチャー内で
どれだけクランクを動かすかでバスのバイトを誘発する。
ピッチが速いクランクは、それだけ動き出しも良いし、
カバー回りでクランクがアピールしているだけではなく、
ストラクチャーにコンタクトした後の泳ぎ出しの良さがバスを誘う。

なぜここまでストラクチャーに拘るのか?
それは第一級のエリアにある、複雑なストラクチャーにこそ
ビッグバスやサイズの良いバスが集まっていて、
釣るチャンスが高いからである。



そこに投げ込む為に、
自分の経験でどのクランクを投げ込むかを選ばなければならない。
カバーを常日頃から釣っているアングラーは気づいてくれたと思うが、
動くと言われるクランクベイトこそヘビーカバーにも強い。
日本製のトップウォーターやジャークベイトは
アメリカのトッププロにも認めてらているが、
タイトウォブル系全盛の日本のクランクベイトは
カバー向きではなかったため話題にも上らなかった。

ではラウンド型のクランクベイトだけあれば
シャロークランクは成立するのか? 答えは当然『NO!』である。

スキニーウォーター(カバーが少ない水域)であったり、
シャッドやミノーを追い回している場合は、
シャッド系ルアーやフラットサイドが有効になる場合も多い。
時には根掛り覚悟で
フラットサイドをカバーの中に通さなければならない。
このように臨機応変にルアーを選択しなければならないが、
基本となるピッチやアクションは
シャッド系クランクベイトも共通することも多い。

では、最後にルアーの自重についてだが、
理想は重たい方が軽いルアーより使い易い。
ロングキャストするに越したことはないが、
シャロークランキングはフルキャストよりも
ショートレンジの正確さを優先する。
が何度も色々な角度からストラクチャーを攻めるため、
私はバックハンドを多用する。
ルアーに自重がないとロッドにルアーを背負い込まないのである。
しかしながら、ルアーのアクションだけを考えれば、
有る程度のボディーサイズで軽いルアーの方が、
慣性の働きが速いので動きがキビキビする。
当然ピッチもあり浮力も出る。
でも投げ辛いし、浮力が出過ぎると今度はルアーが潜らない。
このような矛盾を考えて作られたクランクベイトは本当に少ない。

これははっきりと書こう。
売る為や流行に乗ったリップ形状やフックハンガーなど、
十分にテストしていないものも多い。
市場には恐らく私の知らない良い製品も多いだろうし、
私に合っていないもの多い。
人それぞれのスタイルやフィールドに合ったルアーがあるので、
最後は自分の目と経験でルアーを選ぶのと、
これも何時も言うことだか、
キャスティング力とロッドワークが
シャロークランクのキーだということを忘れてはならない。



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