■2004年バスマスターツアー第二戦スミス・レイク



二週連戦のため、フロリダ州ハリスチェーンから約9時間移動して
アラバマ州北部に位置するスミスレイクにやってきた。
今度は平地のナチュラルレイクから一転して、
マウンテンリザーバーに舞台を変えた。



まずモーテルにお昼に着いたのであるが、
リザベーションをとっていたにも関わらず
部屋が用意できないかも知れないが、
どうにかするので時間が欲しいとのこと。

その間ラインを巻き変えたり、
たまたま田辺哲男プロも同じモーテルだったことから
雑談したりして時間を潰したが、
一向に部屋が用意される気配がなかった。

それでも、なんとか用意してくれた部屋は、
入り口のカギが壊れていて、ロックはするものの
オーナーが所有するマスターキー以外では開かないので、
毎回オフィスまで出向き、
開けてもらわなければいけないとのことだった。

さらにヒーターが壊れていて明日以降から修理するが、
直る保証はないらしい・・・。
朝はマイナス、日中でも10℃を切る気温なので、
一緒にトレイルしている妻子にヒーター無しは考えられない。
チェーン店のモーテルなので、
ヘッドクウォーターに電話してクレームするぞと交渉して、
やっと2階ではあるが部屋を確保することができた。



これはほんの一例であるが、
日本と違いアメリカは色々な点でアバウトな事が多く、
物事がスムーズにいかないのが日常茶飯事だ。

さて、スミス・レイクの試合はというと、
2月初旬という時期に加え、オフィシャルプラクティスの時から
停滞した強烈なコールドフロント、
そしてメインターゲットがスポッテッドバスで
16インチ(41.6cm)のキーパー設定と、
誰が見ても釣る前からスーパータフな状況であるのは明らかだった。



スキーターを走らせると、脳天にキーンとくるほど寒い。
水温は5〜7℃と良い要素は一つも無かったが、
どうにかして釣らなければならない試合となった。
ちなみにプラクティスでは、0、2、1という貧困な結果で、
このような場合は普通に釣りに行くのみである。

試合初日は大雨であった。
ジャークベイトとジグ、ライトテキサス、ダウンショットを用意し、
中流から上流域にかけて10本ぐらい釣ったが、
キーパー無しのノーフィッシュであった。
二日目はさらに上流を目指してボートを走らせたが、
途中で昨日の大雨の影響で流木と泥濁りに変化し始め、
ボートランも厳しくなり下流にバウをU-ターンさせた。
ライトテキサスとダウンショットで、
15〜30フィートのボートドックを攻めるも、
10数匹のノンキーを釣っただけである。



アマチュアパートナーは3匹釣り、
なんと一匹は立派なキーパーで余裕で賞金圏内につけ、
最後の30分は休憩するほどであった。

ラスト10分を切り、入った最後のスポットでロッドが大きく弧を描いた。
余りのファイトにストライパーでは?と疑ったが、
ビッグスポッツが浮いてきた。
慎重に自分でランディングし、間髪入れずにネクストキャストを試みた。
スクールする性質があるので、この一匹で喜んで気を抜いてはいけない。
ほら見ろとばかりにまたロッドがしなったが、ジャストノンキーパー。
その一分後、またもジャストノンキーパーを釣り時間切れとなった。

ウェイインしたスポッツは、
4ポンド10オンス(約2.1kg)と見事なサイズで、
初日入賞ウエイトは2ポンド3オンスなので
倍にしても入賞は固いと思っていたが、
若干入賞ウエイトが上がり84位で入賞を逃した。

二日間で、あと何ミリかでキーパーというバスを5匹ぐらい釣ったが、
あと一歩が及ばなかった。
今回は、多くのコンペティターが運に左右される稀な試合であった。
その一方で、あの状態でもリミットを釣ってくる
見事なアングラーが居るのは、さすがバスマスターツアーである。
前回も述べたが、運を導くのも実力。
そう考えると、まだまだである。