■プロペラ

オフシーズンになると必ず数回訪れるのが、
レイク・フォークにあるスティーブズプロップというプロペラ専門店だ。
そこではカスタムプロップの販売や修理を行なっている。
私はドライブするスキーター20i+ヤマハ250HPDIの
プロペラの調整をお願いしている。



とくに私は立ち上がりから中速域を重点においてのセッティングをしている。
ヤマハ純正のプロペラにカップやエッジをその時に応じてチューンしてくれる。
大森貴洋プロもこのプロペラ屋を使っていて、
お互いに信頼の厚いプロペラ屋だと思っている。

そういえば昨年、W.B.S.の友人がプロペラを破損したまま走行した
という話を聞いたことがあった。
余り好ましいことではないと思う。
そこで今回はローワーやプロップを何かにヒットした時の対処法を書いてみたい。

プロップが破損する原因は何かにぶつけたりすることが多く、
製造中にエアーポケットがあったりして
ストレスクラックが入り破損することが稀にある。
ぶつけたりするとプロップだけでなく、
プロップシャフトがベンドする。
プロップシャフトが明らかにベンドしていると、
走行中バイブレーションするが、少し曲がっているだけだと、ほとんど分からない。
(回した感じはスムーズ。)
 
プロップを適度な力で回して、
シャフトの中心だけを目で凝視して少しでもぶれていれば交換となる。
プロペラは通常フルスロットルで走行すると
一分間に5600回転前後するので、
少しのシャフトのぶれが日に日に大きなブレに変わっていく恐れがあるからだ。
本当に少しだけなら、普通に乗っていれば一年ぐらい大丈夫かも知れない。
 
だが、私達は少しでもベンドしていたら直ちに交換する。
放って置くとだんだん酷くなっていくのは、間違いないからだ。
ローワーを破損したら、10倍ぐらい高い修理費が必要となってしまう。
 
ボートとプロップのマッチングは、
プレーンスピードと両ライブウェルに水が入って
二人乗った状態で荒れている湖面を走れるように合わせている。
アメリカでは私よりはるかに大きな人がパートナーになることもある。
それでも快適にドライブ出来るようなセッティングが必要とされるのだ。
 
ブレードが飛んだり、クイや何かに擦って違和感を感じたら、
とにかく一度船を止めてぺラの状態を確認することだ。
出来ればプロペラを手で回して、シャフトが曲がって無いかを確認したい。
プロペラだけなら、そこで交換。
プロペラはOKで、プロップシャフトだけなら、
ゆっくりとスロー走行またはアイドルで移動すればいい。
 
プロップとシャフトに異常がある場合は、とりあえずプロップ交換する。
そしてゆっくりと3000回転ないしはアイドルで移動。
試合中で一か八かの時は、とにかくオンプレーンでトリムを余り上げずに、
走行できるぎりぎりのスロースピードで、どうにかして帰着を目指す。



私はヤマハ純正プロップ・25ピッチ・スリーブレードのぺラを、
中速でレスポンスが良いように、プロペラ屋に依頼して
一枚一枚その仕様にチューンしてもらう。
チューンすると明らかにボートが瞬微に反応してくれる。
エンジン、ボート、車と3枚を常に用意している。
ボートにはタックルを積む重さも考慮して、
ボートバランスを考えて積み込む。
 
というわけで我々は高価なタックルや魚探に目が奪われがちだが、
せめて安物でも良いのでスペアプロップと
プロップレンチをボートに積まれては如何だろうか? 
プロペラ無しでは、ボートは進まないのだから。

宮崎友輔