第12回 霞ヶ浦意見交換会

去る3月5日、国交省霞ヶ浦河川事務所主催による
第12回霞ヶ浦意見交換会が行なわれた。
今回は信州大学理学部山地水環境教育研究センター教授の花里孝幸先生が
「湖の水質と生態系の関わりについて―諏訪湖から学んだこと―」



と題して講義された。
花里先生は湖沼生態学(プランクトン生態学)、
生態毒性学のスペシャリストであり、
その講義は、霞ヶ浦とも共通する点も多く、
非常に興味が湧く内容であった。
今回のHiro's Noteでは、そのキーワードを紹介します。



「湖の水質と生態系の関わりについて―諏訪湖から学んだこと―」 

・水質浄化が進まないわけには理由がある。

1.地理的な特長による。
 →平地の湖=閉鎖的な水環境。流入河川を通じて汚れが流れ込む。
 →カルデラ湖では集水域が狭く、流れ込んでくる汚れが少ない。

2.湖面積、最大水深による。
 →きれいな湖は深い。(異なる水温層により底に沈殿した汚れが撹拌しにくい)
 →浅い湖は、沈殿する汚れが風などにより撹拌され、湖全体に混ざりやすい。
 →集水域が広ければ広いほど汚れやすい。

3.富栄養化による。  
 →窒素、リンなどの無機物
 →植物プランクトン(有機物)の増加、それに伴って動物プランクトンなどが増加。
 →有機物の分解(腐敗)
 →水質の悪化
 →水質が悪くなると水草は光が届かなくなるために衰退していく。
 →かつて諏訪湖ではユスリカが大発生して、付近の住宅の壁が
  真っ黒になるほどであった。
 →エサが多いからユスリカが多くなった。
 →水質浄化による生態系の変化。
 →下水処理施設建設によって明らかに水質が改善された。
  その結果、アオコが激減し、それに伴いユスリカも激減した。
 →湖の特産でもあるワカサギの小型化、採卵が難しくなった。(ただし、
  採卵が難しくなったのは周りの水環境の変化による影響が大きいと思われる)
 →水草(エビモ類)の大発生。
 →船舶の運航に支障…。

・富栄養化、水質浄化は人間に対して必ずしも悪いことばかり、
 または良いことばかりを与えない。
  環境問題には「あちらを立てれば、こちら立たず・・・」がある。
 異なった立場の人達が、異なった目的を持って
 1つの湖を利用していることが湖の管理を難しくしている。
 「生態系変化の将来予測をして対策を立てる」ことが重要である。

・湖岸環境の変化により有機物の沿岸帯への打ち上げが少なくなったため、
 そのまま、有機物が沈殿して湖を汚している。 
 しかし枯れた植生帯の除去は、確かに湖の負荷を減少させられるが、
 その労力と植生帯の再生に関しては未知である。



ふ〜〜〜〜〜。

また今回、霞ヶ浦意見交換会の座長でもある前田氏より、
「霞ヶ浦・北浦市民ネットワーク」設立の構想が発表された。
その趣意は、「霞ヶ浦の恵みを享受する人達が、
未来に継承するために、お互いの立場を理解した上、
湖と暮らしの折り合いを求めて知恵を出しあおう」という。
すでに西浦の特定地区では自然再生協議会として運営されているが、
今回の提案で霞ヶ浦水系全域でのネットワークを設立することになった。
釣り人の声を反映させるチャンス到来である。





シ:陽気がよくなったね〜。Hiro〜。
  そろそろ初バスを拝みたいものでね〜。

H:はっはっは。実はもうガッツリ釣らせてもらったよ。
  もちろん霞ヶ浦でだよ。



シ:やっやるね〜。
  それじゃあ僕も今日あたりオカッパリしてみるかな。

H:んっ?

シ:今年は穴場探しをしちゃおうと思ってるよ。
  ほとんど使わないでいたスピニングタックルも出してね!

H:続くといいね…。







Hiroと舟子のシオカラトンボのプロフィール

Hiro profile

W.B.S.プロ。
霞の風雲児を目指して早10年。
あの山田塾の司令塔的存在で
無類の釣り好き。
アメリカ事情にも精通している。 
右投げ右打ち



舟子のシオカラトンボ profile

霞ヶ浦の畔に住んで早6年?
食事をするとすぐ寝てしまう癖がある。
風の吹くまま気の向くまま霞ヶ浦を飛び回る。
近眼、メガネ使用。