冬バスや早春バスの攻略法と言うと、
水深のあるオダをワームやジグで舐めるように探り、
バスの目前にルアーをフォールさせてバイトを取る。
以前は、そんなスタイルの釣りが好きだったが、
ここ数年は、風裏とか、陽当たり、ベイトの有無、
そしてタイミングなどを見計らって攻略する
『冬に強いシャローエリア』でのハードベイトの釣りに、
魅せられている。
今冬も条件の整った浚渫のファーストブレイクや石積み、
あるいはテトラエリアなどから、
確実にバスを引き出し、納得のできる釣りを楽しんでいる。
ただこの時期はバスの動きが非常に鈍く、
バイトも極端に少なくなるので、
数少ないバイトをいかに確実にものにするかで、
釣果が大きく左右する。
今回はそんな数少ないチャンス、
そして難しい時期のバスをモノにするための
タックル&ハードベイトを紹介したい。
まず、ロッドはバイト時に極力バスに違和感を与えず、
「ヌメッ」と入るティップ感覚を持ち、
そしてファイト中のバスへのフレキシブルな追従性から、
グラス素材のロッドを使い、ベイトとスピニングの両種を、
ルアーのサイズによって使い分けている。
以前は、ベイトタックル一辺倒であったが、
低水温期のスモールシャッドの有効性に気付いてからは、
冬の霞ヶ浦でのスピニングタックルは、
必須アイテムとなった。
ただ、グラス素材のロッドは、
グラファイト素材のロッドに比べ、
手元に伝わる感度が鈍いので、ボトム察知能力も劣る。
慣れるまでは根掛かりも多く、使い辛く感じる面もあるが、
使いこなすとその感度の鈍さが、
いい感じでフックセットのタイミングを約束し、
獲れるロッドとして活躍してくれる。
というのも、高感度のロッドでは、
バスがルアーを口にした瞬間、
手元にアタリを感じてしまい、
合わせのタイミングが、
つい早くなりがちになってしまうからである。
しかし、感度の鈍いグラス素材のロッドを使えば、
バスがルアーを口にしっかりとくわえ込んだり、
口の中にホールドしたタイミングで合わせられるので、
確実なフックセットへと結びつけることができるのである。
感覚的には、
トップウォータープラグでバスを誘い出しときの、
ゆっくりアワセのタイミングである。
つまり、ワンテンポ遅らせてからしっかり乗せるアノ感じを、
グラスロッドの鈍い感度が、上手に手助けしてくれるのである。
さらに、ここ近年に開発されたグラスロッドは、
昔のグラスロッドに比べ、
優れたブランクス設計がなされているので、
ストレスのないスムースなテーパーを持っている。
そのため、昔の使い辛さは大幅に軽減されている。
また、リールの回転、ブレーキ性能の向上により、
グラファイトロッドに匹敵する、
十分なキャスタビリティーを確保でき、
扱いやすいロッドとなっている。
そんな訳で私は、
ベイトタックルにはパームス・エッジシリーズのEPVC-602と、
やや硬めのEPVC-603をセレクトし、
スピニングタックルでは同社のEVS-661の三機種に、
全幅の信頼を寄せて使用している。

リールは回転性能とパーミングのしやすさなどの点から、
ベイトロッドにはダイワのTD-X103、
あるいはZ-103Hシリーズを使用している。
スピニングロッドはライントラブルを最大限抑えてくれる
ツイストバスター機能が搭載されてた同社のTDX-2506C、
あるいはTDZ-2506Cを組み合わせている。
ラインはフロロなども試してみたが、
今はナイロン製のものに落ち着いている。
中でも、エムズのトラウト・クエストと呼ばれるトラウト用の
ライン、6LBと12LBをスピニングとベイトに使い分けている。
本来、このラインはその名の通り、トラウト用のラインなのだが、
バス用のラインに比べ非常にしなやかで、
リールへのなじみも良く、ハードベイトを快適に扱うことができる。
そして根ズレや魚の引きに対する強さも十分に備えているので、
非常に気に入っている。

さらに、エムズのバリアー、或いはアングラーズリパブリックの
ナイロン&フロロC.C.C.スプレーなど、
ラインコート材を吹き掛けることで、ラインの操作性がさらに増し、
スピニングの天敵となるモモリを極力防いでくれる。
もし、ハードベイト用ラインに迷いのある方は、
このトラウトクエストとラインコートスプレーのコンビネーショを、
ぜひ一度、体験して頂きたい。
次に使用するハードベイトは、
この時期には水を動かす力が強い、アメリカ製の物よりも
細かく安定した動きを演出してくれる国産メーカーの物が、
アピール力には劣るものの安定した威力を発揮してくれる。
私のお勧めは、ベイト用にはベルズのスーパーシャッド60や、
ラッキークラフトのステイシー60、80、
そして今年の初バスを引き出してくれた
インスパイアーカスタムルアーズのC.Cプレデターなどが、
ここ最近好結果を生んでくれている。
また、スピニング用には、
ラッキークラフトのベビーシャッド60、
ダイワのシャイナーGシリーズの1051と1062、
アンレーズ・ラピッドなどを状況によって使い分けている。

ルアーチョイスであるが、
狙う水深によって使い分けをしていくのは当然であるが、
この時期の動きの鈍いバスに対しては、
ブレイクの傾斜によってのルアーの使い分けもしたい。
というのも、リップの角度によって
各プラグの潜る角度が微妙に違い、
それらを巧みに使い分けることで、
より確実で正確なボトムトレースが可能となるからだ。
確実なボトムトレースは、
低水温期の極めて短いプロダクティブゾーンを有効に生かせ、
より多くのバイトを誘発させることができる。
リトリーブ法は、
この時期お決まりのデッドスロー&ステイを基本とし、
時折やや長めのポーズを必ず加えてあげる。
また、天気次第では、
早めのリトリーブが好結果を生んでくれることもあるので、
いろいろとアレンジして試して欲しい。
つづく。
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