■ その501 釣り場を美しく » date : 2012/05/11  
■その501 釣り場を美しく

先日、防衛省技術研究所の横の水門で、
鯉釣りをしている人がいた。
その釣り人のまわりには、
息も絶え絶えのアメリカナマズが数匹転がっていた。

「これって、貴方が捨てたの?」
「そうだよ」
「魚、捨てないでくださいよ。
ゴミ拾いしていて臭くてたまらないから・・・」
「後で、水に戻しておくよ」
「だったら、直ぐに戻してくださいよ。
死んでから戻すなんて生ゴミの不法投棄と一緒ですよ」
「そのまま逃がしたら、また釣れちゃうじゃないか」
「釣れちゃ駄目なの?」
「当たり前だ、アメリカナマズなんて誰も釣りたかないよ」
「そんなことはないでしょ。
魚釣りは魚釣りだもの、何が釣れても楽しい筈ですよ」
「それは外人だけだ。俺たち日本人は、駄目なの!」
「凄い偏見ですね。俺も日本人だけど!」
「それに漁師も嫌っているじゃないか。
迷惑なんだよ、アメリカナマズは!」
「あなた漁師さん?」
「漁師じゃないよ。でも、漁師は嫌がっているんだ」
「漁師さんの親戚でもいるの?」
「あんたはブラックバスつり?
だったらブラックバス以外が釣れても嬉しくないだろ」
「そんなことはないよ。どんな魚でも釣れたら嬉しいな。
一期一会だからね」
「・・・」
「傍から見て、あなたは延べ竿で巨鯉とのやり取りをする
カッコイイ釣り人だと思った。
けれど、鯉以外は排除する嫌な釣り人なんだね。
どんな魚でもいなくなったら、
俺たちの楽しみである魚釣りができなくなると言うのに、
自分の対象魚だけが生き延びれば・・・なんて了見が狭いのだろう!
ところでどこの人? この近所?」
「そんなこと関係ねぇだろ!」
「別に教えてくれなくもいいよ。
車のナンバー見れば判ることだからね。
えっ、野田ナンバー、わざわざ釣りに来て、
生ごみを霞ヶ浦に捨てて行くのか!
まったくヒデェ釣り人だなぁ!!」
「・・・」。

なんてぇやり取りが、水曜日の日にあった。
なんとも後味の悪い出来事である。
しかし、注意をしないと魚殺しは延々と続く。
そして、腐った魚が放置されて行くことになる。
他人の家の前なら、腐った魚を捨てても平気の平左である。
でも、自分の家の前だと・・・間違いなく怒る。
俺はそんな心境だった。


photo1


生き物を無闇に殺すな! 
俺はものの哀れを説いている訳ではない。
陸地に魚を捨てて行くと、
その臭いや汚れ、ウジ虫など迷惑千万だからである。
釣り場はきれいにあって欲しい・・・ただ単純にそれだけのことだ。



» category : 霞オヤジの罵州雑言 ...regist » 2012/05/11(Fri) 07:12