罵州雑言

罵州雑言

その136 ああ、霞ヶ浦


 

生き残ることのできる生物は、

最も優れた生態能力を持った生物ではなく、

環境の変化に対応できる生物である・・・・・・。

 

霞ヶ浦の生き物たちを見続けて、俺も同様の考えを持った。

霞ヶ浦に移り住んで、霞ヶ浦と共に生活をするようになって、

かれこれ20年以上が過ぎた。

その間に人間を含めたいろんな生き物たちに出会った。

 

20数年前には、あんなに沢山いたのに、

今ではなかなかお目にかかれない生物が随分といるんだな、これが。

逆に増えている生き物もいる。

 

水辺の改変や農薬による生物の増減は否めないが、

実は俺たち人間の日々の生活、営みの変化こそが、

一番大きな原因を与えている・・・・・・んだと俺は考えているのだ。

 

携帯電話、インターネット、無線LAN、検索エンジン、GPS、記憶チップ、

エコカー、液晶テレビ、メモリーカード、ソーラー発電などなど、

人間の生活が20年前とは大きく様変わりして行くのに伴って、

自然界は大きな影響を受けているのは事実だからな。

 

1995年2月に釣り人たちがスタートした霞ヶ浦の清掃活動であるが、

この20年間で大きく変化したのは、回収するゴミの質である。

ゴミを拾い続けて初めて分かることだけれど、

次代の流れが手に取るように感じられるんだ。

 

コーラなどの飲料水はほとんどがペットボトルに変わった。

瓶の容器を探すのは困難である。

しかし、瓶のゴミは相変わらず多い。

それが栄養ドリンクの瓶だ。

 

136bottle

 

次代の流れに対応して、ゴミも変化している。

20年前の霞ヶ浦ではこれほどの量の栄養ドリンク瓶は回収されなかった。

しかし、現代社会では多くの人が疲れているのだろう。

ほんの2時間ほどのゴミ拾いで、

4000本近い栄養ドリンクの瓶が回収されたのだからな。

あと10年したらどんなゴミが増えているのだろう?

 

人間がこの時代のゴミに対応して、

意識を変えない限りゴミは形を変えて残されて行く。

それが後世にどんな禍根として残るのだろうか?

「俺たちのいない未来のことは知らねぇよ」では、済まないと思うんだ。

福島第一原発の事故もその一つであるが・・・・・・。

 

 

 

Comments are closed.