罵州雑言

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その866 免罪符?


 

 

霞ヶ浦の清掃活動に取り組んで22年になる。

俺たちのゴミ拾いのスタートの動機は、

ゴミのない釣り場で釣りがしたい・・・と言う単純なものだった。

 

当時はそれほど水辺にはゴミが溢れていた。

キャストする度にタバコのパッケージ、ビニール袋、下着、

空き缶、発泡スチロールなどの人工的な人間由来のゴミが引っ掛かった。

 

そこで、バス釣りのオフシーズンに、

バスアングラーが集まって清掃活動をしようってぇことになった。

1995年2月26日(日)にその一回目の活動がスタートした。

あれから22年、今では「53 Pick Up!」と言う名称に変わったが、

現在も続いている。

 

が、いつ頃からか、清掃活動がバスフィッシングの免罪符に勘違いされた。

そんなこともあって日本各地の水辺で、

多い時は70ヶ所で「53 Pick Up!」が開催されるようになった。

ところが免罪符なんてぇものは存在しないのだよ。

それはバスアングラーが権力てぇものと無縁だったからだ。

 

雨後のタケノコのように発生した水辺の清掃活動だったが、

特定外来生物法の施行と共に消えて行った。

現在も続いているのは、

信頼できる仲間たちに支えられている極僅かな人たちである。

 

清掃活動がバスフィッシングの免罪符になるとしたら、

それは市民を巻き込んだ大きな活動になったときである。

バスアングラーだけで清掃活動をしている限りは、

行政をはじめとして誰の耳にも届かないからね。

 

より多くの人に知って貰うには、

清掃活動以上のエネルギーが必要になる。

広報活動ってことのほか労力も資金も必要だからである。

そして、長い年月を有するのだ。

 

先般、国土交通省関東地方整備局が主催する河川協力団体の

活動発表と意見交換会に出席して意見を述べた。

外来生物に対して一過言ある人ばかりの前で、

外来魚のブラックバス釣りをする釣り人の団体です・・・と自己紹介した。

「それは駆除しているの?」と言う質問が来たので、

「キャッチ&リリースしています」と胸を張って答えた。

 

 

 

 

そして、最後に、「生態系や生物多様性を唱える前に、

外来ゴミの駆除をしましょうよ。

人間の悪意の詰まった不法投棄ゴミを水辺から取り去りましょう。

そのために僕たちはこれからも頑張ります」。

と結んで発表を終えた。

 

参加された皆さんがどう感じたかは判らない。

が、俺たちの継続している清掃活動は、

バスフィッシングがあればこそ・・・を皆さんに伝えたかった。

水辺のゴミを拾って、水辺をきれいにする・・・てぇことは、

免罪符欲しさでやっているんじゃない。

俺たちの善行を神様が見ていらして、

釣りのときに徳を授けてくれるんだい。

そう思っていたり、考えていたりするからこそ、

俺たちの清掃活動は続くのである。

そう、先ずはブラックバス釣りありき・・・なのである。

 

さて、3月25日(日)には、

土浦市田村の湖岸線で第75回防塵挺身隊が出動する。

時間と余裕、奉仕の心と慈愛の心をお持ちでしたら参加して頂戴!

待っているよ。

 

 

 

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